2015年12月10日

◆お笑い番組から教わる日本の現状

大江 洋三


3年まえ「OECD先進34ケ国の意識調査ランキング」を女性お笑い芸人イモトが、クイズ番組風に発表したことがある。外人タレントも揃った中である。イモリが問う「自分の国に誇りをもつ」ランキング。

日本は何位か?イモトが期待を煽りながら順位を報告する。

残念ながら、最下位は日本でビリ2位はドイツであった。1位2位は韓・中。続いて「自分の国に住みたいか?」ランキング。ドイツがトップで韓国は最下位。因みに日本は6入賞であった。イモリは気を持たせながら文字通り「因みに」と言った。

日本が何位に入るかがメインテーマなので、イモトは嫌が応でも報告せざるをえない。

東京オリ・パラの決まる前のことである。

ここから透けて見えるものがある。日本もドイツも教育において戦勝国に抑え込まれたのだ。逆にいえば「誇り」は教育からもたらされると解る。日本では、教育をGHQとマルクスの階級闘争史観を信奉する日教組が抑え込んだ。

ドイツはモロに階級闘争史観のスターリンに抑え込まれた。なにせ、西ドイツ(当時)の隣は東ドイツ(当時)でソ連の統治下にあった。その東隣のポーランドも同じくソ連統治下にあり、戦車部隊までいたから従わざるをえなかっただろう。首都と目されたベルリンは東ドイツの中で孤立していた。

因みに、現在のメルケル首相は旧東ドイツ出身である。

●もう一つ、透けてみえるものがある。

ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺である。あの番組をみたとき、ドイツが、ソ・英・仏に押し込められた結果だと思った。

バターン死の行進や、南京大虐殺の如である。

そう直感したのには訳があり、スターリンの行状を既に知っていたこと、それに倦むべき欧州の魔女狩りの本生も知っていたからだ。

思えば出会うというのは本当で、先日、ドイツ在住のクライン孝子女史(おたかさん)による「敗戦国・日本とドイツ」に出会った。

お孝さんによると、ドイツは日本に比べ戦中・戦後の戦争被害が圧倒的に多いという。但し、ソ連にはやり返えされた関係にある。

書から3ケ所引用する。

「第2次世界大戦中、ソ連では339万人のユダヤ人が忽然と消えた」(ユダヤ教会のラビ、ペンジャミン・シュルフ会長)

「1939年9月1日、東欧諸国からのユダヤ人難民1400人を乗せたタイガーヒル号を攻撃し命を奪ったのは、あろうことかイギリスの巡視艇」

「アメリカは、1941年のラッセル法によりユダヤ人難民の入国制限」最初の項は被害者の弁だから話半分にしても、凄い数字だ。

戦勝国が何もかもドイツの責めにしたことがよくわかる。

お孝さんに依ると「戦争の負の側面を全部ドイツに押し付けた」

書を読むと、戦争による大量の強制難民・強制収用の発生は欧州を含め大陸の伝統のようだ。

戦陣訓に「生きて虜囚の恥ずかしめを受けず」とある理由がよくわかる。●同じ敗戦国でありながら、日本とドイツでは決定的な違いがある。

終戦も講和条約締結も日本政府の意思であり、占領統治も日本政府を通じて行われたが、一方のドイツでは何もかも無くなった。

ヒトラーの後継者デーニッツ提督と組織も、連合軍は政府と認めなかった。つまり講和対象を消滅させた。

陸続きなので、おそらく連合軍はやりたい放題がしたかったのだろう。

そういえば、ドイツの講和条約締結はソ連崩壊後の1990年と非常に遅い。相手国はフランス、イギリス、アメリカ、ソ連。正確には東西ドイツ統合の承認みたいなものだ。

本物の講和条約は1993年のEU結成だと考えると、ドイツはソ連崩壊まで耐え忍んでいた事になる。お孝さんによるとドイツ人の矜持によるそうだが、この場合は臥薪嘗胆と同じ意味になる。

矜持は難しい熟語だが、端的には「名誉を守る」で充分である。●日本とドイツでは矜持の在り方が異なると思う。

ドイツはヘーゲルの弁証方誕生の地でもある。弁証方によると「陰・陽が
激突して新しいものが生まれる」

止揚と称し、内部矛盾こそ成長の種なのだ。

一種の革命精神で、マルクス階級闘争史観の根拠でもある。

一方の我々は「和」を尊ぶ。平たくいえば個よりもチームを優先するところがある。

大リーガー松井秀樹は、おかげでヤンキースのトーリー監督や同僚から慕われ今日に至る。

もう一つの違いは、日本が四方を海に囲まれていることだ。木端微塵の敗戦にも拘わらず、日本政府が存在した主たる理油である。

政府が無かったら、現行憲法の天皇条項(1条〜8条)も無かったであろう。

この条項は、言い方を変えると天皇の正統性と権利を定めたものだ。特に、憲法2条は時の政府がGHQに対してよく戦った結果だと思われる。「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」

被占領下にも拘わらず、時の政府は矜持を失っていなかったことになる。天皇条項さえあれば、後は何とかなると考えた可能性はある。

現実は何ともなっていないが。

●この部分は、進歩派(階級闘争史観)が真っ先に憲法改正したい部分である。憲法改正を望むのは保守派だけではないのだ。

ついでに足しておくと、ソ連崩壊により拠り所を失った進歩派が人権派弁護士達である。アメリカ渡りの人権が、進歩派のいう搾取・差別と合体したのだ。

それ以降、日本の政治は急速に軟弱化した。止揚どころか後退した。慌てて止めに入ったのが阿部内閣の構図である。

人権派により、俗にいう「従軍慰安婦」問題が燃え上がった事を忘れてはならない。国連人権理事会にまで出張して「慰安婦=日本軍の性奴隷」と訴えた。

南京事変が世界記憶遺産に登録されたのも、彼らが出張ロビーイングしたに違いない。

思えば出会う。そのうち実体が明らかされると期待している。

             
     
       
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