2015年12月20日

◆退任した橋下氏への「警戒感」

早川 昭三

橋下氏は18日、大阪市長の任期満了で退任した。府知事時代と合わせ約8年間、思い込みの行財政改革や教育改革を推し進めるとともに、地域政党「大阪維新の会」や国政政党「おおさか維新の会」を創設した。

大阪市役所での退任会見で、「僕が考えている大阪の将来像に向かって、大阪府民、大阪市民の多くが支えて下さったことに感謝している」とにこやかな表情で語った。

しかし、維新が先の大阪府知事・市長のダブル選挙で圧勝したものの、表題に掲げた「大阪都構想」の在り方に、一旦住民投票で否認された「大阪都構想」の方策を改めて取り上げ、恰も高齢者や無党派層に有利になるように呼び掛け、集票に結びつけた。

だが、橋下氏は後任の2人の委ねるとしているだけで、「都構想」の住民利益がどのように有益なのかは、まだ見えてこない。高齢者の不満は高まりつつある。

しかも タレント弁護士だった橋下氏は、知事選に初当選以来、職員給与のカットや欠かせない補助金の削減などを着々と実行しており、これに敵対する反対勢力への過激な発言や強引な進め方も進めていることから、市民の批判や反発を再興させている。

こうした中で、市長を退任した橋下氏は、おおさか維新の会の法律政策顧問に就任するほか、地方自治体や国政政党のトップを務めた経験を生かした活動をしたいとしていくことを公言した。

「政界を引退する」と明言した政治家が、政界に関わる役職や繋がりに、どうして結びついて行くのだろうか。

各党の間では、今後も大阪の政治・行政に実質的に影響力を持ち続けたいという意向が、橋下氏自身の意中に確実にあるからだという見方が強まっている。

それを明かすように橋下氏は18日、政界を退くにあたっての記者会見で、「今後は弁護士として活動するが、知事・市長・それに国政政党の代表を務めた経験は生かしたい」と述べている。

上記の通り、「政界を引退する」とダブる選挙なで広言したことは、正に有権者の気を引くための「でまかせ言葉」といっても云い過ぎではあるまい。

その上で、行政や政党に政策提言などを行う新しいタイプの弁護士として活動したいという考えを記者会見で示したのは、橋下氏をどのように考えればいいのか。

橋下氏は、後任として19日付けで大阪市長に就任する吉村洋文氏にも同様の考えを既に伝えている。

そこに驚くべき事態が起こった。橋下氏が19日、東京都内で安倍晋三首相と会談したのだ。国政政党「おおさか維新の会」の前代表でもあるとして、橋下氏は憲法改正に意欲を示しているため、今後政権と連携する話題にしたものと想像できる。

会談は6月以来で、おおさか維新の新代表の松井一郎大阪府知事と、管官房長官も同席したという。

橋下氏は「統治機構を一から設計し直すのは政治家の役割」と改憲に意欲を示し、松井氏も「(改正の発議に必要な衆参の)3分の2のグループに我々も入る」と自民党との連携を視野に入れることも、述べただろう。

一体、野党一翼の「おおさか維新の会」が、橋下氏の退任直後にどうして安部首相に面願し、他の野党との連合も進めないうちに、こうした動静に打ち出たのか。

それは「橋下政界復帰」を図るために自身念願を暗に訴えたのにまちがいないだろう。しかももっと大きな願望は、他の野党より優先して政権との“蜜月”を狙ったことだ。

だが、安倍首相とのこの会談は、「政界引退」を宣言した橋下氏に対する、政界の復帰待望論や警戒感に拍車をかけそうだ。

それだけではない。地元大阪では、「おおさか維新の会」では「待望論」が優先するが、議会「多数野党」や「都構想を否認した市民」は、まさに橋下氏に振り回されたとして、「警戒感」を強めるのは必至だ。(了)


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