2015年12月30日

◆私の「身辺雑記」(297)

平井 修一



■12月27日(日)、朝は室温14度、いささか冷える、快晴、久し振りにフル散歩。

体調はかなり良くなったが、昨日、一昨日と2日間かけてエアコン3台掃除したらへばってしまった。機種はすべて三菱の「霧ヶ峰」。2003年製、2008年製、2011年製。

ちょっとした発見があり、掃除の手間は2003年製が1時間、2008年製が20分(いずれも小型の6〜8畳用)、2011年製(中型の12畳用)が30分という感じ。

2008年製は自分で勝手に掃除してポケットにゴミを貯めるのだが、この12月に導入したリビング用の大型機は20畳用で、自動掃除機能はないそうだが、多分、掃除しやすくなっているのだろう。

「たかがエアコン、されどエアコン」で技術革新競争が激しい。イノベーションができないと生き残れないのだ。常にチャレンジしていく。それを止めたらお仕舞。「舞台下手に去る」だけだ。

♪「恋はいつでも初舞台」とかいう歌があったが、「人生すべて初舞台」とも言えるのではないか。チャレンジ、成功、失敗、喜怒哀楽・・・すべて毎日が初舞台。なにしろ経験したことがないからだ。

「賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶ」という。賢者とは誰か。「棺を蓋いて事定まる」。人間の真価は、死んでから決まる。蓋棺事定 (がいかんじてい) 。

近代以降の日本の指導的政治家で「賢者」とある程度評価が定まっているのは伊藤博文ぐらいではないか。大日本帝国憲法の起草の中心となり、初代・第5代・第7代・第10代の内閣総理大臣を務め、日清、日露戦争で勝利をもたらした。

西郷先生や大久保利通も立派だったが、クセがあったから未だに評価は定まっていない。

戦後体制を主導した吉田茂も「GHQの要請には日本としての意見を言ったが、NOと言われればそれ以上の反論はせず、受け入れるようにした」と忸怩たる思いがあったようだが、「戦争で敗けても外交で勝つ」のだと精一杯踏ん張った。50年先を読んで日米安保体制を強化した岸信介も立派だった。

吉田、岸、高度成長に舵を切った池田勇人も賢人、賢者と言っていいかもしれない。

つまり圧倒的多数の人は愚者とは言えないまでも「凡人」「良民」「堅気衆」である。慣性の法則のままに手探りで日々を生きている。熟慮断行ではなく、拙速とか短慮、軽挙妄動、優柔不断的に日々を送っているようだ。

かくすれば かくなるものと 知りながら 止むに止まれぬ 大和魂

松陰先生が米国密航計画を振り返り、獄中で詠んだ歌だという。

人生は「もうどうにも止まらない」「分かっちゃいるけど止められない」が常で、「そのうち何とかなるだろう」と昨日の続きを今日も生き、明日も生きるのだ。

わが身を振り返ればそういうことだ。小生の場合は「人生すべて“後の祭り”」というバカもやったが、運が良くて「結果オーライ」ということも多かった。来春には65歳になる。体力は衰えるばかりだが、脳みそはもう少し鍛えられるかもしれない。

今日の仕事はふすまの修繕と料理だけ。酢豚、チルドのシューマイなどを6人で楽しんだ。

■12月28日(月)、朝は室温11.5度、いささか冷える、快晴、ハーフ散歩。

PHP総研の「グローバル・リスク2016」から。

リスク1.中国経済悪化と国際商品市況低迷に挟撃されるアジア中進諸国

リスク2.止まらない中国の海洋進出が招く緊張の増大と拡大

リスク3.深まる中国依存と主体思想の狭間で揺れ動く北朝鮮

リスク4.テロと移民問題がもたらすEUの亀裂と反統合の動き

リスク5.グローバル化するISILおよびその模倣テロ

リスク6.加速するサウジアラビアの国内不安定化と原油市場の混乱

リスク7.地域覇権をめざし有志連合内で「問題児化」するトルコ

リスク8.選挙イヤーが宙づりにする米国の対外指導力

リスク9.金融主導グローバル化の終焉で幕が開く、大企業たたきと「P2P 金融」時代

リスク10.加速するM2M/IoTが引き金を引くサイバー脅威の現実化

平井思うにITの世界は日進月歩というか秒進分歩で、次から次へと新しい言葉、新しい技術が開発されるから、門外漢にはチンプンカンプンだ。P2P、M2Mとはなにか。調べてみた。

P2Pはピアトゥピア(英: peer to peer)の略。多数の端末間で通信を行う際のアーキテクチャのひとつで、対等の者(Peer、ピア)同士が通信をすることを特徴とする通信方式、通信モデル、通信技術の一分野を指す。

M2Mはマシンツーマシン(Machine-to-Machine)の略。コンピュータネットワークに繋がれた機械同士が人間を介在せずに相互に情報交換し、自動的に最適な制御が行われるシステムを指す。

ふーん、基礎知識がないからやはり分からない。目敏い人がビジネスのタネにするのだろう。生き馬の目を抜く世界・・・世の中は昔からそうなのだろう。

フォーリン・アフェアーズの2016年予想から。

<2016年、世界は中東とヨーロッパを中心に半世紀に一度の大きな地政学的変化を経験することになるかもしれない。

中東ではアラブの春に象徴される社会不満が噴出し、アメリカの覇権が形骸化したことによる政治的空白のなかで、「イスラム国」が台頭し、宗派間紛争が固定化しつつある。そこで起きているのは多層的な革命と秩序再編だ。

ヨーロッパでは、ユーロ導入に伴う金融政策上の主権喪失がギリシャ危機として先鋭化し、その対応に必要なさらなる政治・経済統合にメンバー国は同意できずにいる。

難民の流入に伴う各国の国家意識の覚醒によって多文化社会が揺らぎ、EUの根本理念である域内における「人の移動の自由」さえも脅かされている。

EUがメンバー国に求める緊縮財政も、EUへの反発と国家意識を高め、右派政党を台頭させている。

そして中国は自由化に伴う経済的混乱のなかにある。一定の余力を残しつつも、経済的対応ツールは今後ますます少なくなり、危機に対応できなくなる恐れもあり、中国発グローバルリセッションのリスクを指摘する専門家もいる。

世界各地で政府と市民の社会契約が揺るがされるなか、地域秩序が解体していけば、全てが流動化し、地域大国間だけでなく、ロシア、中国を含む大国の地政学的思惑と行動が表面化していくリスクがある>

時代基調は「混沌」「混乱」「混迷」「困惑」なのだろう。ついこの間まで「平和」「安定」「調和」「共生」だったが、もうそういうお花畑はなくなってしまった。今は厳しい荒野が広がるばかりだ。

<米政府は12月16日、台湾に対する18億3100万ドル(約2242億円)の武器売却を決め、議会に通知したと発表した。米国による台湾への武器売却は4年3カ月ぶり。最近40年間で最も長い空白となった。

BBC中国語版によると、米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」のイアン・イーストン研究員は今回の武器売却について「台湾防衛の約束を再確認する米国のシグナルだ。売却により台湾軍の戦闘力が大幅に上昇する」と述べた>(朝雲12/24)

産経12/22「尖閣の中国船に機関砲か 接続水域を航行」から。

<海上保安庁は22日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域を航行中の中国海警局の船1隻に機関砲のようなものが搭載されているのを確認した。尖閣周辺は中国海警局の船がたびたび航行しており、武器のような装備が確認されたのは初めて。

第11管区海上保安本部によると、機関砲のようなものを搭載していたのは海警31239。船の前後に計4基を確認した>

宮家邦彦氏が以前こう書いていた。「船が白(巡視艇)であればまだいいが、灰色(軍艦)になると危険だ」。中共は露骨な武力威嚇に舵を切った。

日はまた昇るか。アジアは日の出を待っている。

■12月29日(火)、朝は室温11度、今季最低、快晴、ハーフ散歩。正月休みが始まって街はひっそり。

産経12/28に京都大名誉教授の佐伯啓思氏が論考「日本はグローバルな大競争の中で精神の余裕を失ってしまった…」を書いている。

<グローバルな大競争の時代になり、どの国もゆったりと成長できる世の中ではなくなった。競争は、国の単位においても、企業や組織の単位においても、あるいは個人を単位としても、勝者と敗者を作り出してゆく。構造改革で、勝てるところにカネをまわせ、勝てないところは切り捨てよといった政策を続けた結果も手伝い、この十数年のうちに、われわれは、すっかり余裕を失ってしまった。

余裕を失ったのは、十分な経済成長を生み出すことができなくなった富の世界だけではなく、われわれの精神の方も同じである。いや、停滞の20年などといっても、日本は依然、経済大国である。富は十分にある。

しかしこの豊かさのなかで、われわれは、精神的な安寧や余裕を失っている。自分を支えるために、少しでも自分に敵対する(と思われる)ものを攻撃し、自分を傷つける(と感じられる)ものを罵倒し、自己の存在を示すために大声で自己主張をする、という風潮へとなだれ込んでしまった。

こうしたことは、もともと、われわれ日本人がもっとも忌み嫌ってきたことではなかったろうか。大声で言挙げしない。強引な自己主張は控える。相手の気持ちを忖度する。ことにあたって冷静でいる。友を裏切らず、他人を誹謗しない。仁や義を重んじる。こういったことがらは日本人の精神文化の核にあったはずだ。それが、このグローバルな大競争の時代に失われつつある>(以上)

泰平の眠りについていた日本が列強の脅威を感じるようになったのは1800年前後からだ。1792年にはロシアの使節が根室に来航し通商を求めてきた。1796年には英国人が室蘭に来航し近海を測量する事件が起きた。

そして1853年には米国東インド艦隊司令長官ペリーが軍艦4隻を率いて浦賀に来航し、武力威嚇で開国を求めた。

以来第2次大戦終結の1945年まで、およそ100年間は日本も世界も戦争をしまくった。米英露仏などの連合国が勝利し、(彼らにとって有利な)戦後秩序を守るために国連(国際連合ではなく、正しくは連合国機構だろう)を作った。

それから70年、地域限定の小規模戦争は起きても大戦はなかったが、ここ数年で国連主導の戦後秩序のタガが緩んできた。グローバリズムによる無制限の国家レベルから個人レベルまでの競争が急速にあらゆる分野で進んで行った。世界から寛容的お花畑が消えていき、弱肉強食のジャングルに変わっていったのだ。

「奴はライバルだ、ライバルは叩け!」、今は「奴は敵だ、敵は殺せ!」だ。

殺伐とした非寛容の世界が拡大しつつあり、新たな100年戦争がいつ始まってもおかしくない時代になった。戦後秩序を代表する花であった欧州連合/EUは今や徒花、崩壊の危機にある。

“戦国時代”に乗じて中共のように地域覇権国を目指す危険因子もある。イラン、トルコ、サウジも虎視眈々と地域覇権のチャンスをうかがっているようだ。ロシアは露骨に領土を拡大している。ISのような狂気も世界中に拡散している。

その世界にあって我関せずと拱手傍観、中立でいることはできない。マキャベリ曰く――

「わたしは断言してもよいが、中立を保つことは、あまり有効な選択ではないと思う。

とくに、仮想にしろ現実にしろ敵が存在し、その敵よりも弱体である場合は、効果がないどころか有害だ。

中立でいると、勝者にとっては敵になるだけでなく、敗者にとっても、助けてくれなかったということで敵視されるのがオチなのだ」

ベトナム、フィリピンが中共に攻撃されているのを黙認すれば、日本の信用がゼロになる上に、今度は日本が攻撃されるのである。

我々は警戒し、軍事同盟を構築し、備えを固め、最初の一発を撃たせ、反撃し、撃退するしかない。地域の安定の中でしか日本は生きていけないのだから。

佐伯先生の言うように憎悪や敵意に満ちた不本意な“嫌な時代”だが、「なったらなったで昔には戻れない」(山本夏彦翁)。戦後的平和の「青い山脈」の時代は終わり、今は戦争前夜なのだ。叡智と武力と勇気で乗り切るしかない。(2015/12/29)
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