2016年01月15日

◆こんな質問で臨時国会を要求する資格はない

杉浦 正章



民主共産は味噌汁で顔を洗って出直せ
  

一瞬耳を疑ったばかりか、あまりの節度と品格の無さに怒りがこみ上げるのを抑えることが出来なかった。衆院予算委で首相・安倍晋三に「拉致を使ってのし上がったのか」とただした民主党の緒方林太郎の質問である。


半世紀国会質疑を聞いていてこれだけ悪意に満ち、人間を落としめる質問に遭遇したことがなかった。年を取るとテレビに向かって怒鳴っている人が多いが、思わず「黙れあほう!」と怒鳴った。


民主党はこんなことをただすために臨時国会の開催をを要求したのだろうか。それならば、開催などせずに安倍が慰安婦問題の解決や外交に専心した事の方がよっぽど正しかった。通常国会序盤の質疑は、おしなべて民主党や共産党の質問のレベルが低すぎて聞くに堪えないものが多かった。


とりわけ緒方質問の場合は、予算委理事が即座に委員長に対して質問の停止を求めてもおかしくない程の質の悪さであった。自民党理事たちも、何のために委員会に座っていたのだ。ぼけたのかと言いたい。
 

緒方の質問は拉致被害者の蓮池薫の兄で家族会元事務局長の蓮池透の著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社)を引用した。本の記述をそのまま使って「今まで拉致問題はこれでもかと言うほど政治に利用されてきた。その典型例が安倍首相によるものである」などと「拉致のし上がり」論を執拗(しつよう)に展開した。


聞いていて異様だと思ったのは自分の言葉を使わずに本の引用で質問を繰り返した点である。安倍が父晋太郎の秘書当時から拉致問題の解決に必死に取り組んでいたことは、国民の多くが知るところである。とりわけ小泉内閣の官房副長官時代は、いったん帰国させた五人の被害者を絶対に北に戻さないと言う一線で尽力したことも有名である。
 

にもかかわらず事実無根に満ち、まるで北の宣伝と日本の世論分断に乗ったかのようなレベルの低い本を、鬼の首でも取ったかのように取り上げて質問を繰り返したのだ。他人が書いた悪質な文章を金科玉条にして質問するのなら、小学生の作文をネタに、国会で質問することがまかり通ることになる。


さらに緒方は安倍が慰安婦問題で朴槿恵に陳謝したことも取り上げて、委員会でも陳謝の言葉を述べるように要求した。安倍が「今後何回も取り上げられれば、終わる事がない」として、拒否したのは当然である。この質問にも安倍をおとしめる意図が見え、聞いていて「嫌らしさ」が先に立った。


いやしくも日本政府のトップに対して、「朴に謝ったのなら国会でも謝れ」は、侮辱と屈辱を絵に描いたような発言だ。やくざのゆすりのような質問であった。民主党政権では手も足も出なかった問題が、ようやく解決にこぎ着けたことはさておいて、首相に「謝れ」はない。総じて緒方の質問には病的なまでの異様さと執拗さが感じられ、なぜか史上最低の首相ルーピー鳩山を思い出した。
 

このような質問者を立てる民主党のレベルの低さは、山尾志桜里の質問でも目立った。安倍が「妻の収入が25万円の場合の家庭」を例に挙げたことに噛みついて「妻の収入が25万円というのはパートの実態が分かっていないと」何度も繰り返したが、安倍は別にパートの収入の例などとして挙げていない。


自らの妻が働いていたことを仮定して計算の土台としたのであり、質問はまさに“いちゃもん”である。山尾は検察官だが、検察官のレベルというのはこの程度かと思わせた。安倍が「こうした質疑ばかりでは民主党の支持率は上がらない」と嘆いたのももっともだ。
 

共産党の笠井亮の質問でも北の核実験について「軍事対軍事の悪循環は危険だ。安保法制は廃案こそ重要だ」と発言したから、当然安保関連法を追及するかと思ったが、なぜか答弁は求めず、そそくさと次の質問に移った。明らかに北の核実験が安保法制の正しさを証明するものであることから、深く追及すれば安倍に逆手を取られると思って逃げたのだ。共産党らしい卑怯なやりくちだ。
 

総じて国会論戦序盤の質疑は野党のレベルの低下が目立った。昔の社会党は安保問題で岡田春男、石橋政嗣、飛鳥田一雄など「安保七人衆」が活躍して自民党政権を追い込んだものだ。とくに「おかっぱる」と呼ばれた岡田春男は自衛隊による「三矢研究」の極秘文書をすっぱ抜き政権を震撼とさせた。まるで「出ると負け」で、えげつない今の野党質問とは雲泥の差があった。
 

これに対する安倍は、徹底的な反論を冷静に展開している。茶の間からみれば素人が聞いても安倍の主張に利がある事が分かる。時々脱線して辻元清美に「早く質問しろよ」と言ったかと思うと、閣僚の献金問題を追及する野党議員に「日教組どうするの」とヤジで切り返したりするが、これはこれで面白いと思う。


首相だってヤジを飛ばしてもいい。首相のやる気が伝わるし、国会論議が活性化する。だいたい議会政治の源流であるイギリス議会ではキャメロンがしょっちゅうヤジっている。さすがに野党議員を「ぶつぶつ言うバカ」とヤジった時は、撤回させられたが、首相の人間味が表れて面白い。
 

日本で「バカヤロー」とヤジった吉田茂は解散に追い込まれたが、安倍も時期が来たら緒方などを「バカ」とヤジって、ダブル選挙に持ち込んだら面白い。国会議員は憲法51条で国会内での演説では免責特権が認められている。


一方で国会法第百十九条には「 無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」とある。緒方は明らかに「無礼の言の人」であり、懲罰の対象とすべきではないか。

            <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック