2016年02月07日

◆日中5日間戦争の勝者は

平井 修一



部谷直亮・ガバナンスアーキテクト機構研究員の論考「衝撃のシミュレーション『中国は5日で日本に勝利』米ランド研が警告、米国は尖閣に関わるな」(JBプレス1/27、本記事の後半に転載した)は大変興味深く読んだが、マスコミが取り上げるだろうと思っていたら、産経でも2/4現在報じていない。

多分、物議をかもし、蚤の心臓の国民は大騒ぎして地方や海外に避難しそうだから報じないのか、それとも抑止力向上を求める層を焚きつけることになるから報じないのか、多分両方の理由からだろう。

アカのマスコミが報じないのは、「日本悪者、戦争法案、東亜の危険の元」とさんざ報じてきたから、国民が国防に目覚めてしまうとまずいことになるからだが、産経が報じないのは大好きな安倍氏と絶大な信頼を置いてきた自衛隊と米国・米軍が「中共軍にまったく歯が立たない」ということをばらせば、国民全体が戦意喪失に陥るからだろう。

アカだろうが白だろうが、臭いものには蓋をしたいのだ。つまり米ランド研のレポートには不都合な真実が含まれているに違いない。

もっとも軍事で飯を食っている人々はいずこの国でも軍事予算の増大を求めるもので、「危険だ、やばいぞ、もっと予算を!」と叫ぶのも仕事なのである。「それはちょっと危険を煽り過ぎじゃないか」と言えば、「甘い、甘い、最悪のケースを想定してこそ抑止力になる、そうだろ、あーん?」と反論するものなのである。あーいえば、こうゆーの世界。声の大
きい方が勝ちなのだ。

で、多分業を煮やした湯浅博氏(国基研企画委員・産経新聞特別記者)が「東シナ海の隙を突く中国」(2/1)を寄稿している。以下転載。

<世界の目が中国による南シナ海の「独り占め」戦術に注がれている隙に、東シナ海の尖閣諸島周辺で中国公船がプレゼンスを高めている。中国人民解放軍が採用する孫子の兵法「虚実篇」は、相手の目をくらまして戦うことを旨とするから、日本は油断なく備えを固めるべきである。

2014年以降、安倍晋三首相と習近平国家主席が首脳会談を重ね、日中関係が好転しつつあるときこそ、かえって隙を突かれやすい。

*米研究者が警告の論文

中国は、南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で岩礁を埋め立てた人工島を軍事拠点にしつつある。習主席は米中首脳会談で「南シナ海の島々は古代から中国の領土だった」と虚構の議論を改めて展開し、米国の関与を拒否した。

対抗してオバマ米政権は、昨年10月にイージス駆逐艦を人工島の周辺海域に派遣し、1月末には南シナ海のパラセル(西沙)諸島にもイージス艦を送ったが、「航行の自由」作戦は二の矢、三の矢がまだ弱い。

中国の陽動作戦は巧みである。世界が南シナ海に目を向けているうちに、東シナ海の尖閣周辺では、機関砲を搭載した中国公船を日本領海に侵入させた。しかも、侵入公船は中国海軍のフリゲート艦を偽装(平井:艤装?)している疑いが消えない。

国家基本問題研究所と交流のある米国ハドソン研究所のアーサー・ハーマン上席研究員とルイス・リビー上席副所長は1月下旬、米紙ウォールストリート・ジャーナルへの論稿で、「中国は世界の目を一つの地域に向けさせながら、他の地域で策略を進めるのを得意とする」と的確に警告していた。

ハーマン氏らは「中国は対話と威嚇を織り交ぜる」として、2014年と2015年にも習主席がインド高官と会談している最中に、中国軍がインド国境の紛争地域に部隊を送った事実を挙げて注意を喚起する。(平井:中共軍による習への「妥協するな」という威嚇だろう)

まして、中国の経済危機が深刻化する中で、指導部は不満の矛先を外に向ける拡張主義の誘惑にかられやすい。東シナ海で起こり得るシナリオは、政治目的を達成するための短期決戦であるとハーマン氏らは警告する。

*政局にうつつを抜かす民主党

くしくも米軍に近いランド研究所も最近、尖閣諸島を舞台としたシミュレーションを外交誌フォーリンポリシーに発表し、「中国が5日間で勝利する」との分析を公表した。

前提にやや疑問はあるが、最悪のパターンを提示している以上、無視はできない。日本は新たな安保法制に穴はないかの点検を緩めず、日米同盟の紐帯の確認を怠るべきではない。

こうした米国安全保障専門家の警鐘に加え、米太平洋軍のハリス司令官はワシントンの講演で「中国の攻撃を受ければ、米国は間違いなく日本を防衛する」と改めて表明して、中国を牽制した。

問題は当の日本政府および野党の安全保障問題への感覚の鈍さである。とりわけ野党第1党の民主党は、太平楽を決め込んで国内政局にうつつを抜かしており、とても日本国の繁栄と安全を擁護する責任政党とは言えない>(以上)

岡田民主党などは第五列、小沢曰く「中共の野戦軍」だから足を引っ張ることしかしない。期待する方が無理というか、湯浅氏はからかった、おちょくっただけだろう。

以下、ランド研究所の「衝撃のシミュレーション」を紹介する。

<軍事問題におけるリアリズムの観点からの分析で知られる米ランド研究所。彼らがシミュレーションを実施したところ、日本は尖閣諸島をめぐる中国との戦いにおいて5日間で敗北し、手も足も出なくなるというのです。

そして、彼らの出した結論は、「不毛の島」を巡る日中の争いは最終的に米中戦争を引き起こす可能性が高いので、米国は無視するべきというものでした。

このシミュレーションを取り仕切ったのは、ランド研究所の上級アナリスト、デヴィッド・シラパク氏です。彼は中国の軍事問題やウォーシミュレーションの権威として知られています。

シラパク氏は30年以上も米国の将校と外交官のために精緻なシミュレーションを作成してきました。昨年発表した、中国のアジア各地の米空軍基地への攻撃能力の増大についての彼も関与した報告書は、日本の安保研究者の間でも高い評価を受けています。

*5日目に中国は尖閣諸島を確保

彼はつい先日、外交専門誌「フォーリンポリシー」の記者たちを招いて、尖閣諸島における「5日間戦争」をシミュレートし、彼らに概略を公開させました。その内容を簡単に紹介しましょう。

【1日目】日本の右翼活動家たちが、尖閣諸島の魚釣島に上陸し、日本の国旗を掲揚し、YouTubeで中国を挑発。日本政府が対応に追われる間、中国はただちに海警を送り込み、全員を逮捕・拘束する。

(平井:海保の規制で日本人は3.2キロ以内に入れないから、これはあり得ない。支那人はスルー)

【2日目】日本は周辺海域に護衛艦や戦闘機を展開。中国側も海軍艦艇を展開し、一瞬即発の状況になる。日本は、米国に防衛義務を果たすように要請し、米国は受諾。日本側の要請に応じて、米駆逐艦を日本海にも展開し、尖閣諸島周辺には攻撃型潜水艦を送り込む。ただし、空母は横須賀から西太平洋に避難させる。

(平井:虎の子の空母を逃がすことは大いにあり得る。真珠湾でもそうだった)

【3日目】中国の海警が尖閣諸島周辺の日本の漁船と衝突し、沈没させたことで事態はエスカレート。海上保安庁は、放水等で対抗する。中国のフリゲート艦は30ミリ機関砲を空自機に対して発砲、これに日本側も応戦。その結果、中国側が航空機と対艦ミサイルで反撃し、2隻の日本側の艦船が撃沈し、500人が戦死。

(平井:武力衝突した時点で海自の潜水艦に追尾されていた中共の潜水艦を含む艦船は魚雷攻撃で壊滅するだろう)

もはや、日中間の外交チャンネルは一切機能しなくなり、日本政府は米国に、より多くの支援を要請。日中それぞれに存在する米大使館は、現地の市民によって包囲され、米国の保守メディアは自国政府の弱腰を批判し、上院議員たちは激論を交わす。

しかし米政府は、『日本の要請にゼロ回答だと他の同盟諸国が離反しかねない。だが、要請に完全に応じれば、同盟諸国の不信よりも多くの国益を失う米中全面戦争になりかねない』というジレンマに陥る。

そこで、米兵のリスクが少ない、米潜水艦による中国軍艦艇への魚雷攻撃を選択。これは中国への警告のためであり、米中戦争を引き起こすためではなかった。その結果、中国軍の駆逐艦2隻を撃沈し、今度は中国軍の水兵数百人が戦死する。

【4日目】中国指導部は事態の展開に驚愕する。ここで、中国側も米中の本格的な戦争を避けつつ、米国に痛みを与えることを決断。今や中国には何億人ものネット市民が存在し、彼らの報復を求める声を無視することはできないからである。

中国側は、米国の送電システムに埋め込まれている破壊工作ソフトウエアを起動し、ロサンゼルスとサンフランシスコを停電に追い込む。そして、証券取引所の自動取引システムを操作し、何百億ドルもの損害を与える。極めつけは米国債の売却をほのめかし、急激なドル安へと追い込む。

(平井:こんな時に米国債を買う人がいるのか。第一、市場は閉鎖されると思が。サイバー攻撃に米国は無力で反撃できない? マジか)

【5日目】中国軍は尖閣諸島周辺の海自艦艇に対して、弾道・巡航ミサイル中心の攻撃を継続する。そして、24時間で海上自衛隊は戦力の20%を喪失。同時に中国は日本経済への攻撃を開始する。日本の脆弱な送電システムを作動不能に追い込み、重要なジェット燃料の精製所を爆破する。

(平井:日本は反撃しない、報復しない、ジェット燃料の備蓄はない?)

ここにきて、日本は再び米国に支援を嘆願する。具体的には、西太平洋に展開する空母打撃群の参戦、中国軍艦艇へのさらなる攻撃、中国本土の対艦ミサイル基地の破壊などである。

しかし米側は全てを拒否する。その代わりに、米軍の潜水艦と航空機を増派し、海自の撤退を支援。米中総力戦を回避しつつ、日本の海自と経済の壊滅を回避できるという考えに基づく行動だった。この海自部隊の撤退を以てゲームは終了。中国は尖閣諸島を確保する。

こうして中国は“短期的な”勝利者となる。ただし、日本やアジア諸国は中国に対抗するための軍拡と経済連携を加速させる公算が高く、「割に合わない勝利」と評するべきかもしれない──。

*米国は尖閣諸島をめぐる紛争を「無視するべき」

以上が日中5日間戦争のシミュレーションです。

シラパク氏は、もし米国が日本の要請に応じ、空母打撃群を尖閣諸島周辺に派遣し、中国本土の対艦ミサイル基地を叩いていたらどうなっていたかについても検討を加えました。その場合のシラパク氏によるシミュレーションは次の通りです。

中国の弾道ミサイル攻撃により嘉手納基地が壊滅し、米空母も対艦弾道ミサイルによって撃沈し、死者は数千人単位に及ぶことになる。米側はこれに対し、中国海軍の重要な基地を攻撃するか、中国軍唯一の空母を撃沈するか、中国経済を窒息させるために南シナ海の封鎖を継続するか、のいずれかができる。

しかし、米軍は日本の島嶼や海自の防衛には協力しない。その結果、中国側は無制限の損害を日本に与えることができることになる──。

そして、彼らは5つの結論を導き出します。

第1に、同盟には「巻き込まれる」という危険な面もある。

第2に、対日防衛義務の多くは履行するのは難しい。ミサイル防衛は不可能ではないが、中国の膨大なミサイル保有量を考えれば難しく、日本は脆弱である。

第3に、中国の大軍拡および彼らの新しい戦争方法は全てを変えた。今の中国には現代的な海軍、多数の強力な弾道及び巡航ミサイル、効果的な空軍、洗練された無人機がある。10年前の日本ならば単独で尖閣諸島を防衛できただろうが、今や時代は変わった。

第4に、今や米空母は中国の対艦ミサイルに対して脆弱な存在である。

第5に、日米中におけるナショナリズムは事態を悪化させ、政策決定者の選択肢を奪うという意味において非常に強力であり、致命的な存在である。

そして、シラパク氏は「米国が日中間の尖閣諸島をめぐる戦いに関与することは、特大の戦略的な失敗でしかない。尖閣諸島における危機管理の最高の手段は、無視することなのかもしれない」と結語します。

*自衛隊の体制の抜本的な改革を

以上の内容は日本にとってどのような意味を持つのでしょうか。

それは第1に、米国をどのように日本の戦争に引きずり込むか、そのための軍事的、政治的、経済的、文化的な手段を組み立てておく必要があるということです。

ランド研究所を代表するリアリストまでが、尖閣諸島問題に関わるべきではないと公言する時代になってしまったのです。少なくとも、平和安全法制のような、米国の善意に期待するもの“だけ”では不足でしょう。

第2に、このシミュレーションは自衛隊の体制の抜本的な改革の必要性を示唆しているということです。

中国のサイバー攻撃および大量の弾道・巡航ミサイル等による奇襲能力、すなわちA2/AD戦力が、有事における米軍の活動および来援を困難にするレベルに達しているというのは、米国の議論ではすでに前提となっています。

米軍ですらそうなのですから、自衛隊がより困難な状況にあることは言うまでもありません。

しかも、現在の自衛隊の戦力構成は、中国の対地・対艦弾道ミサイル攻撃等、そして、サイバー攻撃やゲリラコマンド攻撃に対して非常に脆弱と言わざるを得ません。

海自のいずも型ヘリ空母は弾道・巡航ミサイル攻撃の前には無力です。中国の対艦弾道ミサイルDF-21は1ユニット6〜12億円、いずもは1隻1200億円であり、100発撃ち込んでもお釣りがくる計算です。

海自の対潜能力は最高水準ですが、対ミサイルには関係なく、そもそもミサイル保有数も限定的です。空自の基地における戦闘機用の掩体壕(えんたいごう)は少数であり、ミサイル弾薬のほとんどが高蔵寺弾薬庫に集中しています。

陸自はそもそも輸送力が決定的に不足しており、国内の有事の輸送は日本通運、通信はNTTが頼りです。

中国は、こうした自衛隊の脆弱な面に特化して軍拡をしてきたと言っても過言ではありません。

どのようにすれば継戦能力を有事に維持することができ、中国のA2/AD能力を無効化・緩和できるのか、どうすればたった5日間で尖閣諸島を奪われるという屈辱的な事態に至らないで済むのか、自衛隊のあるべき戦力構成や作戦構想について真剣に議論すべき時が来ています>(以上)

第一列島線で中共艦船を阻止することだ。

ところで戦争は人と人の戦いだ。

「薩摩藩・長州藩によって構成された新政府軍と旧幕府軍は戦闘状態となり、ここに鳥羽・伏見の戦いが開始された。両軍の兵力は、新政府軍が約5000人、旧幕府軍が約1万5000人と言われている。

新政府軍は武器では旧幕府軍と大差なく、逆に旧幕府軍の方が最新型小銃などを装備していたが、初日は緒戦の混乱および指揮戦略の不備などにより旧幕府軍が苦戦した」(ウィキ)

日清戦争で圧倒的な海軍力を誇っていた清朝北洋艦隊は破れた。兵の質は最低で、彼らは主力艦の砲塔に洗濯物を干すほど規律がなかった。

日露戦争で世界最強と言われたバルチック艦隊は壊滅した。日本が勝つとはほとんどの人は思っていなかった。

日米戦争で日本はGDPで10〜20倍の大国と4年間も戦った。敗けたものの結果的には世界中の植民地から白人を追い払った。

ベトナム軍は軍事力で遥かに勝る仏軍、米軍、中共軍を駆逐した。

現在の中共軍は金儲けで忙しくて戦争どころではない。元中国軍総参謀部航空装備処長を務めていた羅宇氏(71)の話(新唐人1/30)から。

<私の頃(1990年まで)はまだ「官位売買」の現象はありませんでした。トウ小平の婿が武器売買で商人からリベートを得ていましたが、将軍になりたいから何千万元で階級を買うということはまだありませんでした。

中国の歴史上、官僚体制のことを吏治(りち)と言いますが、官位を売買するような状態になれば、その王朝はもう終わりに近い印となっています。

中国の軍隊は、序列階級を売買するような状況では、戦力というより、軍隊自体もう使い物になりません。

共産党に対し軍を手放すべきだと言うのは、軍隊とは本来は国のもので、党のものではないからです。しかし、軍を手放せば、国民の支持を得られない時、政権崩壊となります。そのため、決断には大きな決意と勇気が必要です。

蒋経国(台湾総統)のように、独裁をもって独裁を終わらせるのなら、私は(習近平を)支持します>

「中共軍は使い物にならない」とはしばしば聞く。支那では昔から「良い鉄は釘にならない」、まともな人は兵にはならない。ほとんどゴロツキばかりだったろう。

今は軍は「鉄板飯」、戦死することもなく給料、賄賂などカネを稼げる職場として人気が高い。階級を買えばそれ以上の大きなリターンがある。誰も戦場にはいかない。

<香港の新聞「東方日報」は先日、会長までが汚職している企業の大砲は、不良品ではないのかと指摘しました。戦闘機から戦艦、大砲まで、中国の陸海空軍の武器装備には、大きな欠陥があるかもしれません。そのような軍隊が戦争で勝てるのでしょうか?

中国の軍事費は今年、8000億元を超えましたが、そのうちどれだけが個人の私腹を肥やしたのでしょうか。以前、海軍の呉勝利司令官が日中間による戦争を避ける枠組みの研究を訴えましたが、呉司令官は、中国軍が実戦に耐えられないと考えたのかもしれません。

一方、香港の新聞「太陽報」は、日清戦争で北洋艦隊が大敗したのは、腐敗が重要な原因だと述べています。多くの艦砲には、火薬でなく泥が詰まっていたため、不発弾だったそうです。

「太陽報」はまた、日中関係が緊迫し、戦火を交える恐れがある中、中国の軍需産業の腐敗により、日清戦争の悲劇が再演されるのではと疑問を投げかけました>(新唐人2014/6/15)

習近平はこんな事情は十分知っているだろう。「呼べば来る、来れば戦う、戦えば必ず勝つ」軍隊を目指せというが、つまるところ今の軍はそうなっていないということだ。

さてさて、5日間戦争。どちらが勝つか。抗日ドラマのようにはいかないだろう。(2016/2/4)


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