2016年02月17日

◆米国を呪詛する?オバマ

平井 修一



オバマが永らく師事していた宗教指導者(黒人系トリニティー・ユナイテッド教会=初期清教徒系プロテスタントのジェレマイア・ライト牧師)は米国を呪っていた。つまりオバマは米国史上初の「反米大統領」だと小生は思っている。米国益(≒白人の利益)を損ねることがオバマにとって正義ということになるのではないか。

若い時からの根本的な思想は、なかなか変わるものではない。小生はアカ思想の除染、再生に10年かかった。オバマは師匠を切り捨てることで大統領になったものの、まだ7年、多分反米思想から脱皮することさえ考えていないから、本質は昔のままの米国を呪詛する反米屋ではないのか。

昨年1月のシャルリーエブド虐殺事件への抗議デモにオバマはすこぶる冷淡だったし、IS殲滅戦も本気度が疑われている。テロリストに寄り添っているような印象を受けるのは小生だけだろうか。

佐々木伸・星槎大学客員教授の論考「『オバマ米大統領はシーア派』ドバイ高官が発信」(ウェッジ1/30)から。
<オバマ米大統領は隠れイスラム教徒、しかもシーア派――。

サウジアラビアとイランが断交し、政治的、宗派的な分断が深まる中東で、こんな“陰謀説”がネット上などで駆け巡り、話題になっている。発信源がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国の治安長官とあって、取るに足らないジョークとは片付けられないようだ。

(平井:少数派シーア派はホメイニ革命で政教一致体制になったイラン=ペルシャの国教、基本的に過激派。サウジ(アラブ)は多数派スンニ派の盟主で、イランと敵対している。ISはスンニ派の過激派、シリアのアサド政権は少数派のアラウィ派で国内多数派のスンニ派を圧迫している。憎悪と利害でグチャグチャだ) 

*シーア派ルーツ

米有力紙ワシントン・ポストなどによると、ネットのツイッターでこのほどメッセージを発信したのは、ドバイ首長国のダヒ・カルファン・タミム治安長官(元警察長官)。単なる民間人ではなく、歴とした有力者で、そのツイッターには120万人の読者がいる、という。

同長官はオバマ大統領の“シーア派のルーツ”が米国とイランの接近と和解の動きの一助となったとし、大統領が間もなく、イランにあるシーア派の聖地を訪問するのではないか、とツイートした。真偽はともかく、オバマ氏のイスラム教徒説は中東でもかなり面白いことから、多数に繰り返し読まれている。

この“陰謀説”は今に始まったことではない。2008年の米大統領選挙の際にも、オバマ氏の隠れイスラム教徒説が囁かれ、シーア派の盟主であるイランの国営各紙も同氏がシーア派教徒であることを仄めかした。米誌タイムによると、大統領に当選した時には、「今や、ホワイトハウスに兄弟がいる」などとイラクのシーア派地区で祝福の声が多数上がった、という。

オバマ氏のイスラム教徒説にはそれなりの理由がないわけではない。同氏のフルネームはケニア人の実父の名前にちなみ、「バラク・フセイン・オバマ」。「父親は無神論者に近かった」(オバマ氏の自伝)ものの、イスラム教徒だった。白人の母親の再婚相手であるインドネシア人もイスラム教徒で、父親が2人ともイスラム教徒であったことが陰謀説の元になっている。

オバマ氏自身が小学校の4年間はインドネシアで、イスラム教徒が多い学校に通っていたことも、陰謀説を補強する材料だ。同紙によると、2014年の米国の世論調査では、共和党の54%が「オバマ氏は本当はイスラム教徒だ」と思っていることが分かった。

イスラム法は「父親がイスラム教徒の場合は自動的に同教徒になる」と定めているが、実際にはオバマ氏はプロテスタントのキリスト教徒だ。同氏のミドル・ネーム「フセイン」というのは、崇拝されるシーア派殉教者の名前で、シーア派教徒には人気のある氏名だが、スンニ派教徒にもポピュラーだ。

*中東の真骨頂

今回のオバマ氏の隠れイスラム教徒説は、イランの核協議の合意で急接近する米国とイランの政治状況に合わせて広がり、オバマ政権のイラン重視に不快感を隠さないスンニ派のサウジなど湾岸諸国に受けているようだ。サウジとイランが断交し、ペルシャ湾を中心に政治的な対立が激化していることも背景にあるだろう。

オバマ氏がイスラム教徒であることを示唆する具体的な証拠は一切なく、「たまにするうわさや発言が飛び交う中東の真骨頂」(ベイルート筋)と言えそう。昨年には、ヒラリー・クリントン元国務長官が過激派組織「イスラム国」(IS)を操作するため、イスラム原理主義組織「モスレム同胞団」を使うことを討議しているという偽画像も中東で出回ったこともあった。

こうした中、サウジのイスラムの最高権威であるアブドルアジズ・アルシェイク師がこのほどオバマ氏の“隠れイスラム教徒説”を凌ぐような話題を提供した。チェスが「アルコールやギャンブルと同じ悪魔の所業」として、チェス禁止のファトワ(宗教令)を出したのだ。

同師がサウジのテレビ番組での質問に答えたもので、チェスが時間と金の無駄であり、プレーヤー同士の対立を生んでいる、と決め付けた。チェスは中東では人気のゲーム。サウジでも年間70回程度の大会があるとされており、同国のチェス愛好者は困惑を隠し切れないでいる。

オバマ氏の“隠れイスラム教徒説”にせよ、サウジのチェス禁止令にしろ、さすが「なんでもありの中東」(同)といったところか>(以上)

宗教に淫したり、公開処刑を楽しんだりするより、チェスで頭の体操をした方が余程いいと思うが、頭がいいと宗教や政治に疑問を抱くようになるからまずいのだろう。

BBC2/4「オバマ氏、米国のモスク初訪問『君たちもアメリカの一部』」から。

<オバマ米大統領は3日、メリーランド州ボルティモアのモスク(イスラム寺院)を訪問した。オバマ氏が米国内のモスクを訪れるのは初めて。

大統領は、ムスリム米国人の排除や中東からの難民受け入れ阻止を主張する共和党候補たちを「許しがたい」と強く批判。ムスリムの子供たちに「ここはみんなの居場所だよ」「君たちもアメリカの一部だ」と呼びかけた>

ライト牧師はこう説教した。

「黒人はアメリカに虐げられている。黒人を人間以下に扱っているアメリカに神よ断罪を。自分があたかも神であるかのように、かつ至上の存在であるかのようにふるまっているアメリカに神よ断罪を」

アメリカ同時多発テロ事件直後にはこう説教した。

「我々は広島を爆撃した。我々は長崎を爆撃した。そして我々は核爆弾を落とし、このたびニューヨークとペンタゴンで殺された数千人よりもはるかに沢山の人々を殺害した。我々はこのことから目を背け続けている」

白人が支配する傲慢な米国は断罪されるべきだ、と説き、オバマもミシェル夫人も「その通り」と思ったはずだ。

<(予備選で快進撃していた)2008年2月18日、ウィスコンシン州ミルウォーキーでミシェルは「大人になってからの人生で初めて自分の国のことを誇りに思います。それは(この国に)遂に希望が戻ってきたからです」と発言した>(ウィキ)

オバマもそう思っていただろう。それまでは米国を呪っていたのだ。

今はどうなのか。冒頭の佐々木氏の論考「米、特殊部隊による拉致、暗殺作戦を強化」(ウェッジ2015/6/11)から。

<オバマ大統領は就任以来、2つの戦争からの米軍撤退をしゃにむに推進し、イラクからは2011年に撤退を完了させ、アフガニスタンからも2016年末までに撤退させるという日程を確定させている(平井:延期した)。

大統領のこの性急な政策がイスラム国(IS)の台頭を生んだとも言えるが、地上部隊の大規模投入を拒否する戦略こそが「オバマ・ドクトリン」だ。その眼目は「最小の費用で最大の効果を挙げる」というのに尽きる。

とりわけテロとの戦いでは、地上戦闘部隊を派遣する代わりに3つの戦術が柱になっている。第1に、地上戦はあくまでも地元勢力に行わせるということ。第2に、米軍は空爆による支援に徹すること、第3に無人機(ドローン)と特殊部隊による暗殺と拉致作戦の実行、である>

これなら地上部隊の損害はないかもしれないが、効果は限定的だろう。この論考から8か月たってもISは健在で、国際テロの脅威も増すばかりだ。オバマがテロリスト絶滅に及び腰なのは「彼らにも言い分はある、米国は傲慢であってはならない」と心の底で思っているからではないか。

シャルリー・エブド襲撃事件を受けた2015年1月11日のパリ反テロ行進には50カ国以上の首脳も参加したが、対テロ戦争を主導すべき米国の政府高官の姿はなかった。この日、オバマはワシントンで、バイデンは地元デラウェア州で休日を過ごしていた。(2016/2/16)
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