2016年02月19日

◆見透かした中国の強硬戦術

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016) 2月18日(木曜日) 通算第4819号 > 

 〜オバマのレイムダック入りを見透かした中国の強硬戦術
          結局、米アセアン首脳会議は失敗ではなかったのか?〜

「航行の自由」だけが「米アセアン首脳会議」の「共同文書」に銘記さ

れ、アセアンの中国批判の合唱はなかった。

「国際法に基づいた主権や領土、政治的独立性の尊重」とかの曖昧な文言が添えられているものの中国を名指ししているわけでもない。

「中国の代理人」とでも言えるカンボジア、ラオスがベトナム、フィリピンの中国批判に耳を貸さず、またタイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアが微温的態度を取った。ブルネイ、ミャンマーも同じ。 アセアンはEUと異なって、団結する求心力が弱い。

そのうえフィリピンは大統領選挙が始まっているためアキノ大統領の指導力が陰り、ベトナムでは親中派のトップが続投することになったため、一時の気勢がそがれていた。

とくにチャイナマネーが流入するラオス、カンボジアは最近、完全に中国よりである。ほかに決まったことはと言えば、「米アセアン首脳会議を毎年開催する」というコミュニケーションの緊密化くらいなものだ。とどのつまり「共同声明」はならず、オバマが意図した会議の成果はなかった。

2月15日、16日の2日間カリフォルニア州サニーランドで、米国の呼びかけによって急遽開催された「米アセアン首脳会議」では南シナ海の中国の野放図な軍事行動を非難する共同声明が成立せず、これを見越して中国はパラセル(西沙諸島)の永興島にレーダーサイトと地対空ミサイルを配備した。

中国はオバマ政権のレイムダック入りを見透かしており、他方、中東でもロシアが主導権を握りつつある現状を踏まえ、しばし強攻策を持続させるように見える。

中国が恐れるシナリオはトランプ大統領の出現だろう。
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