Andy Chang
アメリカの大統領選挙はトランプとヒラリーの対決となった感がある。ヒラリーは起訴されなければ止められらないし、トランプは止める方法がない。来週15日のプライマリーでオハイオ州とフロリダ州の結果で大勢が決まると言われている。今のところクルース以外にトランプを止める候補者はいない。
調査によると国民全体のトランプ反対者は64%、ヒラリーはもっと高くて70%以上と言われる。それなのに二人とも自党の選挙で高い人気を維持しているのは不可解である。まるで一般国民と政党の投票者は全く違う国の民衆のようだ。
国民の意見は以下の4点に絞られる。
第一、オバマがアメリカをダメにした。
第二、ヒラリーが当選すればオバマ政権の延長となる。
第三、トランプは国内だけでなく世界中に敵を作った。
第四、国民の54%がトランプはヒラリーに負けると言う。
●カーソンがトランプ支持を表明
数日前に選挙運動を止めたベン・カーソンは今日、トランプ支持を発表した。トランプを支持する理由を聞かれたカーソンは、トランプは二人の違った人間である。暴言放言を繰り返してきたトランプと細心でアメリカの将来を憂慮しているトランプが居る。私は二人
目の違ったトランプに賭けると発表した。
カーソンの発言に大きな批判が起きている。人格の全く違うトランプが二人居るなら、トランプはカメレオンのようにコロコロと主張を変え、傲慢無礼な奴からたちまち謙虚な人間に化ける人間なのか。国民はこんな人間を信用できるか。
政治家は思想、政策、主張に一貫性がなければいけない。これこそテッド・クルーズの言うように、一貫した主張を守る政治家でなければアメリカを救えないし大統領になる資格はない。トランプの暴走を止められるのはクルースしかいない。ところが共和党はクルー
スを支持しない。
なぜトランプの暴走を止めることが出来ないのか。最近のメディア報道やクルースの講演などでだんだんわかってきた理由が幾つかある。共和党の失敗、トランプの扇動力、メディアの陰謀、民主党の陰謀などが主な原因である。
●トランプはヒットラー型扇動者である
ベン・カーソンはトランプが2つの人格を持つ人間であると言ったがこれは半分当たっている。トランプは2つの違った人格を持つ人間ではなく、その時その時に臨時応変で人格を変えることが出来る扇動者、大道芸人、香具師、詐欺師である。
オバマは8年の政治でアメリカを分裂させた張本人である。保守とリベラル、共和党と民主党、金持ちと貧乏人、黒人と白人、民衆と警察、クリスチャンと回教徒、みんな敵味方に分裂させたのである。その結果アメリカは分裂し民衆は敵と味方に分かれ、互いに憎み会い攻撃しあうようになった。
民衆は怒っているとトランプは言う。何が不満なのか、国民はすべての現状に不満である。トランプは民衆に向かって憤懣をぶちまけ、民衆の不満を増大させて人気を得る。ヒットラーがアジテーターから伸し上がって偉大なる独裁者となったように、である。
トランプは民衆の不満を煽るだけで解決がない。解決がないから不満が解けず人気を維持できるのである。私はこのことに気が付くまで随分と長い時間がかかった。民衆は気が付かないからトランプの暴言に溜飲を下げ、トランプを支持するのである。
●共和党の失敗
共和党の失敗はトランプをストップできないばかりかクルースを支持しなかったことである。クルースはトランプをストップできる唯一人の共和党候補者なのにクルースに批判的でルビオを支持してきた。しかしルビオの人気は上がらなかった。何故クルースを支持し
ないのかというと、クルースは国会改革と税制改革を主張しているからである。
共和党体制派がクルースを支持しない理由は税制改革にあるらしいことがようやくわかってきた。税制改革は金融業者、いろいろな基金会、大企業などに大きな影響を与える、つまり各種のロビイストが税制改革で損をするから国会議員や体制派を動員してクルースに
反対するのだ。ロビイストと政党体制派がクルースに反対なのだ。
いわゆる政治エスタブリッシュメント、民主党も共和党も含む体制派とその背後にある各種組織がおのれの利益のためクルースに反対している。民衆はクルースの税制改革に賛成だから彼の人気が高いのである。
●メディアの陰謀
トランプの暴言を宣伝しているのが3大メディアである。メディアはなぜトランプの暴走を助長するのか。トランプが共和党を代表すればヒラリーが勝つ。だからトランプの暴走を助けるのだ。
クルースの講演で明らかになったことは、メディアは殆ど民主党系でヒラリー支持で、ヒラリーとトランプの対決となればヒラリーが勝つ。トランプの人気を煽って彼が共和党を代表するように仕組めばヒラリーに有利となる。これがメディアの陰謀である。
●民主党の陰謀
民主党の最も大きな心配事はヒラリーが起訴され降ろされることだ。ヒラリーが起訴されたら殆ど間違いなく有罪になり、オバマとの関係も調査の対象となる。例えばベンガジ事件の調査、リビアとシリヤ動乱の介入、ヒラリーのスマホメールの内容、司法、税務などの関与など。共和党に政権をとられたら民主党の関与したいろいろな問題が明るみに出る。
ヒラリーが当選するにはトランプを共和党代表にさせること。トランプは世界中に敵を作り、国内でも反対者は64%と言われている。だからトランプが有利なようにいろいろ世論操作をするわけだ。民主党の陰謀は共和党が分裂を起こしトランプが代表になればヒラリ
ー有利となるとみている。
●アメリカの将来
ヒラリーやトランプが大統領になったらアメリカは大変だ。3月15日のプライマリー選挙でオハイオ州とフロリダ州の大票田がトランプとヒラリーの将来を確定すると言われている。
アメリカ国民はオバマの8年でウンザリし続けてきたがこの二人のうち誰が当選しても国民の失望は続くだろう。この状況を救うことが出来るのは今のところテッド・クルースしかいない。