2016年03月15日

◆慰安婦の事実に踏み込む反論したが…

西岡 力



肝腎の外務省のHPに載っていないのはなぜなのか 

評価できる外務審議官の説明

2月16日、ジュネーブの国連女子差別撤廃条約委員会で、杉山晋輔外務審議官が、慰安婦問題に関する明確な反論を行った。

 〈日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった〉

〈慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、吉田清治氏が、日本軍の命令で、韓国の済州島で大勢の女性狩りをしたという虚偽の事実を捏造して発表したためだ。(これが)朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本と韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた〉


〈「20万人」という数字も、具体的裏付けがない。朝日新聞は通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と慰安婦を誤って混同したことにあると自ら認めている〉
 
〈「性奴隷」といった表現は事実に反する〉

1992年以来、初めて外務省が事実関係に踏み込んだ反論をしたという点で画期的なものだった。その点は肯定的に評価したい。ただし、国連の場で吉田証言を引用したクマラスワミ報告への反論をしなかったことは惜しまれる。杉山氏は「誤解だと思われる点はさらに発信し、分からせる努力が一層必要だ」と語ったという。しかし、私は強い疑問を抱いている。評価できる外務審議官の説明

2月16日、ジュネーブの国連女子差別撤廃条約委員会で、杉山晋輔外務審議官が、慰安婦問題に関する明確な反論を行った。

 〈日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった〉

 〈慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、吉田清治氏が、日本軍の命令で、韓国の済州島で大勢の女性狩りをしたという虚偽の事実を捏造して発表したためだ。(これが)朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本と韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた〉
 
〈「20万人」という数字も、具体的裏付けがない。朝日新聞は通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と慰安婦を誤って混同したことにあると自ら認めている〉

〈「性奴隷」といった表現は事実に反する〉

1992年以来、初めて外務省が事実関係に踏み込んだ反論をしたという点で画期的なものだった。その点は肯定的に評価したい。ただし、国連の場で吉田証言を引用したクマラスワミ報告への反論をしなかったことは惜しまれる。杉山氏は「誤解だと思われる点はさらに発信し、分からせる努力が一層必要だ」と語ったという。しかし、私は強い疑問を抱いている。

首相が国会で「誹謗中傷に対して政府として事実でないと示す」と答弁しているのに、外務省は国際広報で全く取り上げていない。

朝日新聞が吉田清治記事などを取り消した後である2014年10月に、外務省は慰安婦問題に関する新しい説明文書(日英)を作成した。驚いたことにそこでは、河野談話で謝罪し、アジア女性基金で償いを行ったとしか書いていない。その文書が今現在も、外務省のウェブページの慰安婦コーナーの先頭に置かれている。

外務省高官らは国際社会の誹謗中傷を放置することが外交上得策だと今も内心、考えているのではないかと私は疑っている。外務省OBらは以下のごとく、慰安婦問題や南京事件で事実に基づく反論を政府が行うことを否定して、外務省のこれまでの姿勢を擁護している。

 先にゴールポストを動かした日本

ある外交評論家は、過去の価値基準に基づき過去の事実を評価することは学者に任せるべきであり、外交においては過去の事実を現在の価値基準に基づいて評価しなければならない、という趣旨の発言をしている。

別の評論家は、事実関係ではなく過去に対する日本人の主観が焦点になっている、と発言し、元大使は、国際社会に過去を反省していないという不信感を植え付けるから、慰安婦の狭義の強制性はなかったという主張はすべきでない、と言っている。

評価できる外務審議官の説明

2月16日、ジュネーブの国連女子差別撤廃条約委員会で、杉山晋輔外務審議官が、慰安婦問題に関する明確な反論を行った。

 〈日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはなかった〉

〈慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、吉田清治氏が、日本軍の命令で、韓国の済州島で大勢の女性狩りをしたという虚偽の事実を捏造して発表したためだ。(これが)朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本と韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えた〉

〈「20万人」という数字も、具体的裏付けがない。朝日新聞は通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と慰安婦を誤って混同したことにあると自ら認めている〉
 〈「性奴隷」といった表現は事実に反する〉

1992年以来、初めて外務省が事実関係に踏み込んだ反論をしたという点で画期的なものだった。その点は肯定的に評価したい。ただし、国連の場で吉田証言を引用したクマラスワミ報告への反論をしなかったことは惜しまれる。杉山氏は「誤解だと思われる点はさらに発信し、分からせる努力が一層必要だ」と語ったという。しかし、私は強い疑問を抱いている。

                      東京基督教大学教授

産経ニュース【正論】2.24 13:19



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