2016年03月15日

◆ラブロフ外相と協議を重ねる

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)3月15日(火曜日) >  

 〜ラブロフ外相と北朝鮮制裁でつっこんだ協議を重ねる〜

 3月10日、王毅が唐突にモスクワ空港へ降り立った。全人代の最中に閣僚が、席を外すのも異例なら、なぜモスクワなのか、憶測が乱れ飛んだ。

 共同記者会見では国連決議に基づく北朝鮮制裁の完全実地で両国は合意したとし、また六者協議の早期再開を確約したとされるが、問題は同時期に実施された過去四半世紀で最大規模の米艦軍事演習への牽制にあったようだ。

 王毅はラブロフ外相と北朝鮮制裁に関して、両国の協力関係を話し合ったという。 すでに中国もロシアも北朝鮮制裁の国連決議に賛成票を投じており、中国では山東省日照港に入港しようとした北朝鮮船籍の「グランド・カーロ号」の入港を拒否、この動きは香港の港でも見られる。

 日本ばかりかフィリピンでもスービック湾に入港した北朝鮮船籍のJINTENN号を差し押さえた。中国は北朝鮮産の鉱物資源ならびに石炭の輸入も中断した。

 もともと米国が原案を提示した制裁の中味は、出入りする船舶の検査、北へのジェット燃料輸出禁止、北からのレアメタルなどミサイル開発に関連する鉱物資源、石炭の輸入禁止、航空機の検査は危険物資の積み込みがないことを確認した上で、発着をみとめる(これはロシアと中国だけ)、そして個人が17人と12の組織の渡航禁止である。従来は個人、組織の禁止対象が35で、あらたに追加され、日本代表は「かつてない強い制
裁」とした。

 制裁の主たる目的は北朝鮮の核弾頭、ミサイル開発に繋がる製品、部品、そして兵器開発の人物など広範囲にまたがっているが、ロシアは二つの例外事項を国連から認められた。

すなわち羅津港から出荷される「外国産」(つまりロシア産)の石炭などは日本を含む諸外国へ輸出できること。

もうひとつは北朝鮮の兵器産業のモスクワ代表をロシアは入国を認める、というもの。ラブロフは、「人道的食料援助は続ける」としており、げんに国連の制裁決議案はロシアの要請で一日見送られたが、その決議前夜の2月26日にロシアは北朝鮮へ2500トンの小麦を輸出した。

北朝鮮のロシアからの現有は2014年に898万ドル相当になり、15 年からは鉄道輸送も加わっている。 中国は北朝鮮への輸出代金の不払いに遭遇し、おおくの輸出を制裁では
なく、物理的、金融的条件で中断してきた。 王毅・ラブロフの緊急会談は、こうした制裁内容の吟味にあったようだ。

     
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