2016年03月16日

◆足許が揺らぎ始めた中国・習近平体制

加瀬 英明
 


2016年が明けるとすぐに、テレビ局に招かれて、「新しい年の世界がどうなるか」予測する番組に出演した。

いま、世界が混沌として、混乱がいっそうひろがりつつある。

まず、私は世界に内部から崩壊してしまった地域と、内部崩壊が進みつつある国があって、その隣にあるために巻き添えになっているか、そうなる国々があると、指摘した。

中東が崩壊した地域だ。そのわきで、中東や、北アフリカから、難民がヨーロッパに蝗(いなご)の大群のように押し寄せて、EU(ヨーロッパ連合)が解体する危機に臨している。

中東が溶解している。混乱がいっそうひろがって、サウジアラビアなどのアラビア半島の王制産油諸国を、呑み込もうとしている。

この場合に、アメリカも、ヨーロッパ諸国も、アラビア半島諸国を救うことができない。

日本に眼を向ければ、日本のすぐわきで、中国と、北朝鮮が、内部崩壊へ向かっている。

2017年が終わる前に、中国か、北朝鮮が“突然死”する可能性が、目の前にある。

習近平体制が、綱渡りをしている。習近平国家主席は中華帝国の皇帝であるが、歴代の中華帝国の皇帝は、天から天命を授かって中国を統治してきた。天命を失うたびに、王朝が倒れた。

中国はケ小平による改革以後、共産主義イデオロギーを捨てて、経済発展を政権を天命としてきた。その天命を、失おうとしている。

中国経済がすでに、破綻している。習体制は、何とか生き延びようとして、無理に無理を重ねている。AIIB(アジア・インフラ投資銀行)をとっても、国際通貨基金(IMF)が人民元をSDR(特別引出権)の構成通貨として、国際通貨に加えたのをとっても、なすことすべてが失敗している。

習近平国家主席は、2019年に2期目の任期に挑戦する。虚偽によって塗り固められた体制が、長く続くはずがない。

習近平体制は足許が揺るぎはじめたために、「5千年の偉大な中華帝国の復興」をスローガンとして打ち出して、膨張政策をとってきたが、これも大失敗だ。かえって周辺諸国が反発して、日本から東南アジア、インドまでの諸国が、中国包囲網をつくるようになった。

そこで、危機的な状況を乗り切るために、独裁体制の強化をはかって、熾烈な権力闘争を進め、大規模な軍改革を強行するなどしているが、1年以内に何が起るか分からない。

中国という巨人が、高熱に浮かされている。体制が内部崩壊に迫られれば、国内を引き締めるために、国外に危機をつくりだそう。その場合に、尖閣諸島を奪いにくる可能性が、現実となる。

北朝鮮の金正恩政権も、体制を固めるために、大粛正を強行してきた。金体制も、薄氷のうえを歩いている。金正恩第一書記が、暗殺される可能性もある。

北朝鮮が内部崩壊をきたした時に、核兵器がどうなるか。もし、韓国のもとで朝鮮半島の統一が実現して、統一韓国が核武装国家となったら、日本にとって悪夢となろう。

新年のテレビ番組で、アメリカの大統領選挙が話題となった。

私は「1つだけ、朗報があります」と前置きして、「2008年にオバマ大統領が当選した年の新年にも、4年前に再選を果した新年にも、この番組に招かれて、誰が日本にとって大統領となったら望ましいか、たずねられて、『そんなことが話題になるのは、小国はいざ知らず、世界のなかで日本だけだ』と答えました。今年はそんなことが、話題になっていません」と、いった。

もはや、日本がアメリカに依存することができないという意識が、日本国内でもひろまっているのだ。

アメリカを頼りにせずに、日本が自立せざるをえない時代に入ったのだ。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。