2016年04月16日

◆軽舟已過萬重山

Andy Chang


台北でこれを書いている。

思えば私が「台湾丸の沈没?」と発表した時、末尾に李白の詩を引用して「両岸猿声啼不住、軽舟已過萬重山」と書いたのが2000年の9月だった。

あれから16年経って台湾丸はようやくいろいろな困難を越えて新政権の発足はあと1か月となった。新政権の閣僚もほぼ確定し5月20日の就任式を待つのみとなった。この長い16年の間に台湾はどれほど変わったのだろうか。

●陳水扁政権から今まで

陳水扁政権が発足すると国会は国民党が大多数で台湾人の総統が就任しても国会で妨害され続け、陳総統が退任するとすぐに冤罪で有罪判決を受け監獄では酷い虐待を受け、今でも裁判が続いている。新政権は国会も台湾人多数となって真の自由民主が期待される。し
かし戦後70年の国民党独裁で台湾の政治改革の責務は実にたくさんある。

閣僚の顔ぶれは大体そろったが、やるべき仕事は山積しているので国民の新政権に対する期待は大きくても将来4年の間にどれだけの改革が成功するか、期待に沿った成果を上げることが出来るかもわからない。

●台湾の発展

この16年を振り返ってみると台湾はかなりの発展を遂げたと言える。台北市内の交通は大変便利になった。車の量も増えたし、国民の服装もよくなった。衣食住のうち服装、食事は大幅によくなったが経済はほぼ16年前と同じぐらい、給料もあまり改善したとは言え
ないらしく台北市内は不動産価格の高騰で若者の生活についての苦情が多い。

台湾に来て実感することは民情が良いことと、人民の政治と政界情勢の無関心である。

地下鉄の出退勤の大混雑の群衆の大半がスマホをいじっている。混雑した電車の中でもスマホを見ている人は半分以上、しかも彼らは新聞を読むのではなく、ゲームとか芸能プログラムを見ている。政治に関心のある人は少ない。友人知人と話していても世界情勢に詳
しい人はあまりいない。

その代り、混雑してぎゅう詰めの車内でスマホをいじっていても、シルバーシートに座る若者は殆どいない。シルバーシートはたいてい空けたままで、普通の席でも老人を見るとすぐに席を譲ってくれる。これは本当に素晴らしいことだ。

●新政権と独立運動

民間の政治意識はかなり薄く、スマホでゲームをいじっている若者は台湾が独立するか、中国に侵略されるかなどは関心がないように見える。もちろん新聞には政治問題は報道しているが、市民はスマホでゲームを遊んでも新聞を読まない。

台湾では今でも中国と台湾の関係を「両岸」と呼んで中国と台湾の関係とは言わない。正に「両岸猿声啼きてやまず」である。一部の人、政治に関心のあるグループ以外はあまり関心がないように思われる。

台湾は中華民国ではないと言うが国民の関心は薄い。独立に関心のある人たちは台湾の「現状維持」に大きな関心を持ち、蔡英文総統が独立問題を放置するのではないかと心配しているが、一般民衆が新政権に期待するのは台湾独立より「転型正義」で過去の国民党政権の暴政を糾すことにあると思われる。

新政権はまだ始まっていないしやるべきことは実にたくさんある。国内のみならずアメリカは平和な現状を維持し動乱を招かないことを望んでいる。台湾が中華民国の名義を変更して正名制憲を実施するのは何時になるかわからない。

       
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