2016年04月20日

◆オバマのサウジ歴訪前にリヤド政府が強烈なブロー

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016)4月19日(火曜日)通算第4881号 > 

〜オバマのサウジ歴訪前にリヤド政府が強烈なブロー
  米議会が「911法案」を通過させるならサウジは在米資産を引き揚る〜


米議会が上程を予定している「911法案」は、サウジのテロ事件への関与(とくに迂回資金提供)疑惑が深いものがあり、とくにテロリストへの軍事金を間接的に供与した可能性に関して、米国の法廷で容疑者を裁くべきだとする新法である。

米議会では主にユダヤ系議員が立法化しようとしている。

もとよりアルカィーダ構成員はサウジアラビア出身者が多い上、ビンラディンもサウジアラビアから各地へ潜入した。

サウジは、この米議会の動きに先んじて強い警告を発した。

「もし米議会がこの法律を通すならばサウジ政府は、在米資産を売り払う。とくに所有する米国債はすべて売りさばくだろう」と半ば脅しである。

すでにアデル・アル・ジュベール外相は3月に渡米し、議会関係者や国防相高官に、このサウジの意思をつたえており、総額7500億ドルの米国債が売却されるとなると、市場が混乱するばかりか、米国金融政策に多大な影響を与える。

サウジはこれを交渉の武器として活用しようとするわけだ。

20日にオバマ大統領はサウジアラビアを歴訪する。

米国はサウジアラビアとの近年の緊張関係に配慮し、とくにイランとの国交など、サウジが怒りを表明した外交を釈明する必要があると関係筋はみている。

米国はサウジへの比重を、イランと均衡させようとしているのではないかという猜疑心がサウジ政界に拡がり、対米投資のポートフォリオ見直しや、ロシアへの急接近など、逆にワシントンの神経を逆なでする外交を展開してきた。

911テロ直後から米国では在米サウジ高官が計画に関与していたとの観測があり、議会は28ページの秘密報告書を出しているが、サウジ政府はいずれも911テロ事件への関与を公式に否定してきた。

ウォール街関係者は「単なる脅しにすぎない。もし7500億ドルの国債を売却したら世界経済が冷え込むが、一番悪影響をうけるのはサウジアラビア自身であり、またイエーメンの反政府武装勢力への攻撃にサウジが使っているのは米国が供与した兵器だから、もし米国が対サウジ武器供与を控えるとなれば、困るのはサウジであり、国債の売却など恐喝手段の戦術でしかないだろう」

といささか楽観的である。
             

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