2016年05月10日

◆知らなかったさるかに合戦

渡部 亮次郎



自宅で昼食のあと、卓上に柿と梨を並べて食べていたら家人が突然「柿梨
合戦じゃなかった、あれはさるかに合戦か。そういえばどういう筋書き
だっけ」ときかれて私は知らなかった。

父は八郎潟干拓運動で留守勝ち、母は農耕と家事でてんてこ舞いとあって
は猿蟹合戦を子どもたちに聞かせる何処路じゃなかった。或いは猿蟹合戦
そのものを知らなかったかもしれない。

さるかに合戦。江戸時代の『猿蟹合戦絵巻』。古典の絵巻で「さるかに合
戦」としての作品はほかに例がなく、珍しいといわれる。さるかに合戦
(さるかにがっせん)は、日本の民話の一つ。ずる賢い猿が蟹を騙して殺
害し、殺された蟹の子供達に仕返しされるという話。「因果応報」が主題。

あらすじ(地方などにより色々あり)

蟹がおにぎりを持って歩いていると、ずる賢い猿がそこらで拾った柿の種
と交換しようと言ってきた。蟹は最初は嫌がったが、種を植えれば成長し
て柿がたくさんなってずっと得すると猿が言ったので蟹はおにぎりとその
柿の種を交換した。

蟹はさっそく家に帰って「早く芽をだせ柿の種、出さなきゃ鋏でちょん切
るぞ」と歌いながらその種を植えるといっきに成長して柿
がたくさんなった。

そこへ猿がやって来て柿が取れない蟹の代わりに自分が取ってあげようと
木に登ったが、ずる賢い猿は自分が食べるだけで蟹には全然やらない。蟹
が早くくれと言うと猿は青くて硬い柿の実を蟹に投げつけ、蟹はその
ショックで子供を産むと死んでしまった。

『猿蟹合戦絵巻』より、子供の蟹たちの敵討ちの場面。本作品では臼、
蛇、蜂、荒布、包丁が集まっている。その子供の蟹達は親の敵を討とうと
栗と臼と蜂と牛糞と共に猿を家に呼び寄せた。

栗は囲炉裏の中に隠れ、蜂は水桶の中に隠れ、牛糞は土間に隠れ、臼は屋
根に隠れた。そして猿が家に戻って来て囲炉裏で身体を暖めようとすると
栗が体当たりをして猿は火傷をおい、急いで水で冷やそうとしたら蜂に刺
され、吃驚して家から逃げようとしたら牛糞に滑り、屋根から臼が落ちて
きて猿は潰れて死に見事子供の蟹達は親の敵を討てた。

現代では蟹や猿は怪我をする程度で、猿は反省して平和にくらすと改作さ
れたものが多く出回る。これは「敵討ちは残酷で子供の教育上問題があ
る」という意見のためである。

しかし、本来の内容を復活させるべきという声も多く上がっている。タイ
トルが「さるかに話」などといったものに変更されている場合もある。ま
た、牛糞は登場しない場合もある。

近代日本を代表する小説家である芥川龍之介は蟹達が親の敵の猿を討った
後、逮捕されて死刑に処せられるという短編小説を書いている(題名は
『猿蟹合戦』)。

また、1887年に教科書に掲載された『さるかに合戦』にはク
リではなく卵が登場、爆発することでサルを攻撃している。また、牛糞の
代わりに昆布が仲間に加わってサルを滑って転ばせる役割を果たしている。

地域によってタイトルや登場キャラクター、細部の内容などは違
った部分は持ちつつも似たような話が各地に伝わっており、たとえば関西
地域では油などが登場するバージョンの昔話も存在する。

なお、近年の派生作品としてはパスティーシュを得意とする作家清水義範
による「猿蟹合戦」をネタに司馬遼太郎の文体を真似たパロディ小説『猿
蟹の賦』及び丸谷才一の文体を真似たパロディ評論『猿蟹合戦とは何か』
や、漫画家吉田戦車による中国の少数民族に伝わる同様の説話「ひよこの
仇討ち」と「猿蟹合戦」をヒントにした作品『武侠 さるかに合戦』など
がある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
                    2012・11・22

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