2016年06月14日

◆黒海をNATOの湖にはさせない

宮崎 正弘
 

<平成28年(2016)6月13日(月曜日)通算第4934号 >
 
〜「黒海をNATOの湖にはさせない」(プーチン)
   「黒海をロシア海軍の湖とはさせない」(エルドアン)〜

 
黒海における軍事的主導権をめぐって、NATOとロシアとの目に見え
ない係争が継続している。

 トルコはNATOのメンバーであり、昨年11月24日にはトルコ軍機
がロシア戦闘機を撃墜した。
爾来、両国の軍事緊張がつづき、発言はエスカレートしている。

 「黒海をロシア海軍が自由に遊弋する湖とはさせない。したがって
NATOは海軍の強化を急げ」とトルコが発言すれば、すかさずロシアは
「黒海をNATOの湖にはさせない」と対抗した。

 ロシアの黒海艦隊は地中海艦隊と連動しており、じつは海賊退治では、
NATOとロシアの黒海艦隊は協力し合っている。

 地中海には米海軍の空母のほか、フランスの空母も投入されているが、
反面でロシアと中国海軍の艦隊が合同軍事演習を展開している。ロシアは
シリアに海軍基地を確保している。

 トルコのエルドアン大統領は「黒海はほぼロシア海軍の湖と化してい
る。この状況を打破する必要がNATOにはある」とEU諸国にも対応を
急がせ、現在、ルーマニア海軍をテコ入れして、ルーマニアの港湾を母港
とする艦隊の編成計画を発表している。

ウクライナのポロシェンコ大統領はこの動きを容認する態度をとっている
ため、ロシアは苛立ちを隠さない。黒海艦隊の母港はセバストポリだが、
オデッサという良港はウクライナの南西部に属しているからだ。
 
 ロシアはこの構想にするどく反撥し、「ロシアは近く何らかの対抗措置
をとるであろう」と頑なな姿勢を示した。


 ▼印度、BRICSなど不安定要因が増えて。。。。。

 またロシアはインドの西側への接近に異常な関心を寄せている。
 印度海軍は米軍との共同演習をおこない、近く米国からもハイテク兵器
の導入を決定しているが、従来のロシアとの同盟関係から、インドの兵器
体系は90%前後がロシア製である。

 ロシアは衰退傾向のBRICSのテコ入れを盛んに参加国に呼びかけ、
これを梃子にインドの過度な西側寄り外交に牽制球を投げている。

 米国の間接的目標はインドへの影響力を強め、BRICSを相対的に無
価値なもととすることだが(現実に原油価格下落によってロシア、ブラジ
ル、南アの三ヶ国はBRICSどころではなくなっているが)、インドの
立場はと言えば、訪米したモディ首相の言動を追っても、ついに南シナ海
には言及せず、米印同盟は経済の分野のみに限定するかのような発言を繰
り返し、オバマ政権をがっかりさせた。

 他方、米国はベトナムへの武器輸出を再開するとし、オバマ大統領がベ
トナムを訪問すると大歓迎をうけた。

ベトナムを梃子に米国は当面、南シナ海での中国牽制の武器として駆使す
る戦略が露骨になった。
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