2016年06月26日

◆中共は一線を越えるか

平井 修一



朝雲6/16「米中衝突の危機はらむ 波高い南シナ海」から。

<近い将来に予想される南シナ海での中国側の活動については――

1)漁業資源が豊富な海域での周辺国漁船に対する監視・統制強化
2)自国領域と主張する「九段線」内での石油・ガス探査の規制
3)埋め立てた島礁の兵站基地化
4)航空機・艦船によるパトロール強化
5)中国が設定する排他的経済水域(EEZ)内での外国軍艦・航空機によ る偵察・軍事演習の禁止

といったシナリオを描くことができる。

これらの活動は、南シナ海での「主権」を強化し、「航行の自由」を形骸 化させることにより、自国のA2/AD(接近阻止/領域拒否)能力拡大を狙お うとするものだ。

さて、日本の対応だが、中国をいたずらに挑発せず、力負けしないことが 肝要だ。それと同時に、南シナ海と、尖閣諸島がある東シナ海をめぐる情 勢を連動した問題と考える必要があり、中国を法的に拘束する行動規範の 策定と外交努力、「三戦」(心理戦・世論戦・法律戦)と対峙する取り組 みの強化も欠かせない。

中国海軍の軍艦が最近、尖閣諸島周辺の接続水域内を初めて航行したこと は、想定内の中国側の揺さぶり戦術の一つだろうが、今回の一件はいかな る事態にも対応できる防衛体制の構築と同盟国・米国との連携を怠りなく しておくことの重要性を思い起こさせた。伊藤努(外交評論家)>(以上)

「中国をいたずらに挑発せず」とは・・・挑発しているのは中共だろう。

日本戦略研究フォーラム政策提言委員/拓殖大学海外事情研究所教授・澁 谷司氏の論考6/20「日本周辺での中国軍の動きとASEAN」から。

<近頃、中国軍が我が国周辺で不穏な動きを見せている。

第1に、6月8日、ロシア艦隊(ウダロイ級駆逐艦等3隻)が尖閣諸島南沖か ら接続水域(領海12カイリ外縁の12カイリ)に入り、久場島と大正島の間 を抜け、同水域から出た。

その直後、翌9日午前0時50分頃、中国軍のジャンカイI級フリゲート艦1 隻が久場島北東の接続水域に入った。同艦は3時10分頃、ようやく大正島 北北西から接続水域を離れた。中国軍はロシア艦隊の真似をして、その接 続水域に入っている。決して中ロが連携して行動を取ったわけではなかった。

9日、自衛隊トップ、河野克俊統合幕僚長は、中国艦が日本の領海に侵入 した場合「相応の対応はとっていく。一般論としては、海上保安庁で対応 できない場合は海上警備行動をかけた上で、自衛隊が対応する仕組みに なっている」と述べた。

第2に、6月15日午後3時5分頃、今度は中国軍のドンディアオ級情報収集艦 1隻が口永良部島の我が国領海(領土外縁12カイリ)内に、浸入した。そ して、約1時間後の4時頃、北北西から離れた。

中国艦艇は、沖縄周辺海域で行われた日米印「マラバール」(海上共同訓 練)の3ヶ国艦隊を追跡していたのである。その際、海上自衛隊による中 国艦艇への海上警備行動は発令されなかった。

国際法上、各国は沿岸国の領海を“事前通告なし” で「無害通航」する権 利を有する。ただし、「無害通航」は沿岸国の平和・秩序・安全を害さな いことを条件としている。したがって、中国艦艇による日本領海への侵入 は、「無害通航」には当たらないのではないか。

第3に、16日午後、その中国軍情報収集艦が、さらに沖縄県の北大東島の 沖合で接続水域に入り、約1時間航行した。

以上、一連の中国軍の行動は、まさに既成事実を積み上げる“サラミ戦術” と考えられる。

これらの中国軍の行動に対し、海上自衛隊は、何の対応も取らなかった。 日本政府の意向を反映して、中国軍の“挑発”に乗らない選択をしたのである。

しかし、中国に対して、時には「有言実行」が必要な場合もある。日本側 が、何のアクションを取らなければ、中国軍の行動がさらにエスカレート する恐れがあるだろう。

一方、今年6月14日、中国・ASEAN外相会合が中国雲南省で開催された。け れども、当日午後に予定されていた共同記者会見は取り消された。そし て、王毅外相が一人で記者会見に臨む異例の事態となっている。

その特別会合後、一部のASEAN(マレーシア・インドネシア)は“手違い” と称して自国メディアに対して中国を批判する旨の声明文を公開した。

南シナ海問題に関しては、すべての国が国際法に従い、武力による拡大を 即時に停止し、話し合いによる解決を図る。その上で、オランダ・ハーグ の常設仲裁裁判所の判決に従うべきだとの内容だった。

普通、公開されなかった声明文がこの様な形で出てくる事はほとんどな い。そのため、地元メディアでは、一部のASEAN諸国が中国に反発して、 意図的にリークしたのではないかと見ている。

よく知られているように、中国は一部のASEAN諸国(ラオス・カンボジア 等)を取り込んで、ASEANの切り崩しにかかっていた。だが、このように ASEANが一枚岩でまとまったのは、米国や日本にとって朗報だろう。

中国軍の東シナ海・南シナ海での“膨張”は、経済問題(内需と外需が共に 伸びない)で苦悶する、習近平政権の焦燥感の表れかもしれない>(以上)

習近平は中共軍を掌握していない。中共軍は国軍ではなく、党の軍事部門 であり、軍事部門が習政権に造反しているのだ。

中共軍は緊張を高めることで政権に対して軍の存在感を自己主張している のだろう。軍事費をもっとよこせということだ。「習近平政権の焦燥感の 表れ」ではなく、むしろ「中共軍の焦燥感の表れ」ではないか。キチ○イ に刃物、習政権では誰も軍には手を出せないから、周辺国が共同で押さえ つけるしかない。

「南シナ海演習に異例の米空母2隻参加」から。

<【新唐人6/23】南シナ海の主権問題に関する仲裁裁判所の判決が間もな く発表となる。これに先立ち、米国は第七艦隊に所属する空母2隻を含む 空母打撃群をフィリピン沖へ派遣し、軍事演習を実施している。アメリカ 海軍のリチャードソン作戦部長は20日、ワシントンで講演し、一連の活動 は同区域におけるすべての国に対するメッセージだと(こう)述べた。

「軍事演習は区域内におけるすべての国に対するメッセージだ。同盟国に 対しては米国が守るという約束を示し、不穏な動きを試みようとする国に 対しては警告を示すものである」

米第七艦隊は、空母「ロナルド・レーガン」と「ジョン・C・ステニス」 の2隻を含む空母打撃群をフィリピン沖に展開させ合同軍事演習を行って いると発表している。南シナ海の主権をめぐる仲裁裁判所の判決が間もな く発表されるのに先立ち、6月末にはアジア太平洋地域で多国間軍事演習 が実施される予定で、注目を集めている。

リチャードソン作戦部長は、長期的に見て同区域で各国が規則に則り健全 な関係を築いていくよう希望していると強調した>(以上)

中共軍は暴れまくって、結果的に米軍による「航行の自由作戦」を呼び込 んでしまい、同時に周辺国から孤立してしまった。中共軍は大人しくする のか、それをしたら「大言壮語はどうした、臆病者め」と世界中の笑いも のになるから、それはできない。見栄と面子を重視する民族性もある。

それとも自暴自棄となって一線を越えるか。勝てるのか、引き分けか。敗 けたら中共独裁は崩壊する。制服組トップの范長龍上将/党中央軍事委員 会副主席は来年には70歳の定年を迎える。范長龍は現場の将校をコント ロールできているのかどうか。

不透明だが、一触即発的な状況になることは間違いない。天下分け目の南 シナ海。(2016/6/23)
   
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