2016年07月10日

◆「比例票が減ってしまう」

阿比留 瑠比



「メディアで自民大勝なんていう世論調査を含めた情勢分析が出ると、比 例票が減ってしまう」

政府高官は一連の報道についてこう懸念を示すが、与党大勝の方向性は もう変わるまい。各紙は6月24日付の紙面で参院選序盤の情勢を報じた 際にも、今回と同様に改憲勢力が3分の2をうかがうと書いていたが、そ の後も流れに変化はなかった。

今回は、事前の予測で不利とみられたところに同情票が集まる「アン ダードッグ効果」は今のところ表れていない。

民進党は選挙戦で「まず、3分の2をとらせないこと。」をキャッチコ ピーとしてポスターやチラシで強調している。だが、自分たちの政策や主 義・主張を訴えるのではなく、ただ他党の足を引っ張りたいという後ろ向 きのメッセージは、有権者の胸には響いていないようだ。

 ■国民の納得必要

もちろん、改憲勢力が衆参両院で3分の2議席を占めたからといって、 ただちに憲法改正が発議されるわけではない。どこをどう変えるか憲法審 査会が議論を始めるのは、あくまでこれからの話である。

また、安倍晋三首相が繰り返し強調しているように、最終的に憲法を改 正するかどうかを決めるのは国会ではなく、国民自身による国民投票だ。 国会で発議して国民投票で否決されるような事態になったら、安倍政権が 「1強」と言われていようと内閣総辞職は免れない。そんなに簡単に改憲 手続きへと進めるわけではない。

改憲を党是とする自民党には、連立を組む公明党を含め各党への粘り強い 説得・折衝が求められるし、何より国民に改憲の必要性を納得させるため の懇切丁寧な説明が不可欠だ。まだまだ時間はかかるし、さまざまな困難 も伴うだろう。

ただ、日本が改憲によって自前の憲法を持ち、真の独立国となるための 千載一遇の機会が今回の参院選であるのは間違いない。

「本年は挑戦、挑戦、そして挑戦あるのみ。未来へと果敢に『挑戦する 1年』とする」

 今年1月4日の年頭記者会見でこう述べた安倍首相にとって、最大の挑 戦は憲法改正であるはずだ。さらなる奮起を期待したい。

(論説委員兼政治部編集委員)

産経ニュース 7月8日

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