2016年07月14日

◆チャイニーズドリーム失速

平井 修一



小生はすっかり体力が衰えて、気分は70点、そのうち60点台になりそう だ。老化は実に嫌なもので、体が思うように動かない。情けないやら、イ ライラするわ、晩年の国定忠治は「歳をとると目はかすむ、耳は遠くな る、我ばかり立って、口をきくのも億劫だ」と嘆いていた。

落ち目になると、やることなすこと上手くいかない、へたばかり打つ、勢 いがなくなる、運もツキも尽きてくる。中共を見ていると「国家の晩年」 とか「老残」の印象を受ける。

大穴チャイニーズドリームは第3コーナーまではぐんぐん追い上げてサム ライジャパンを抜いて2番手につけた。一番手の本命アメリカンドリーム を追い抜くのは確実視されていたが、第4コーナーからみるみるスピード が落ち、馬体が動揺するようになってしまった。骨折、騎手の落馬もあり そうな予感が・・・

何清漣氏の論考6/23「中国の海外投資はなぜ面倒なプロジェクトばか り?」から。

<習近平のセルビア訪問2日目に、中国河北鋼鉄グループが4600万ユーロ (約546億円)でセルビアのメドレイボ製鉄所を買収しました。この工場 は4年前に米国人が1米ドルという形ばかりの値段でセルビア政府に売った ものです。

政府メディアはこの協力によってセルビアには500人の就職機会が生ま れ、さらに広範な協力による新たな未来が切り開かれるそうです。

このニュースが理解しがたいのは今時、鉄鋼業は世界中で資産切り離しや 生産縮小の対象で、中国でもサプライサイド改革が行われて、自国労動者 が大量失業するご時世に、中国は何故こんなことをするのかということです。

*高速鉄道の受難は「一路一帯」の縮図

このニュースは最近、頻々と耳に入ってくる高速鉄道計画がオジャンに なったニュースを思い起こさせます。実は高速鉄道だけではなく「一路一 帯シルクロード計画」の他のプロジェクトも全然うまくいっていません。 中国国内の論評では、ある種の勢力によって故意に邪魔されているからだ となっています。

阻む勢力があるのは事実ですが、しかしその原因が全て「ある種の勢力の 邪魔」によるもののせいにするならば、中国の投資プロジェクトは永遠に 「面倒プロジェクト」の罠から脱出できません。

いわゆる「面倒プロジェクト」というのは「中国全地球投資追跡」データ バンク式に言えば「一部または全部がダメなプロジェクトと監視機関から 認定される」ことです。

この種のプロジェクトの投資対象国は様々で、(失敗の)原因も様々で す。もしその原因を類別できたら中国が今後、銭をドブに捨てるのを避け るのに少しは役立つでしょう。

今年最も有名な中国の高速鉄道計画が米国でうまくいかなかったケースを 例にみてみましょう。米国西部の XpressWest は6月上旬に正式に中国鉄 路国際(米国)有限公司と共同で米国高速鉄道合資会社を設立する一切の 活動を終了すると発表しました。

理由は同プロジェクトが「バイアメリカン(米国産品購入)法」に触れ、 米国政府の資金的援助が得られなかったからだということです。

このプロジェクトは2015年の習近平訪米の三大成果の一つとみなされてい たのですが、それが9ヶ月でご破算になったのですから、中国側の挫折感 は当然大変強いものでした。

中国メディアはおしなべてこれを米国の中国に対する一種の攻撃だとみな し、「世界日報」6月15日の記事「両国関係の悪化は『一葉落ちて天下の 秋を知る』」は広く引用されました。

この記事は2016年上半期の5つの中国の投資プロジェクト、例えば中国資 本がフィリップスのICチップや車のヘッドライト企業の買収計画、半導体 大手、紫光集団のウェスタンデジタル出資、中聯重科のテレックス買収な どは全部、米国政府の介入で中止になったとしています。

しかしこの高速鉄道がうまくいかなかったのは実のところ米国政府の干渉 のせいなどではありません。高速鉄道と米国国家の安全や科学技術の安全 は全く関係ないからです。そして西部で快速鉄道をというのはプライベー トな企業の話で米政府はそのブロジェクトに参加する義務などありません。

企業が同プロジェクトから手を引いたのは経済的な考慮によるものです。 というのはこのロサンゼルスからラスベガスまでの鉄道路線計画は州道15 号線に沿っており、ネバダ州ラスベガスからカリフォルニア州のヴィクト ルビルを経て、ロス空港まで100kmのパームデールまでで、目的はラスベ ガスのカジノ客の交通利便をはかるためでした。

2011年にこの鉄道建設許可を得たのはまさに米国カジノ業界が大量の中国 金持ち客を迎えて大繁盛していた時期でした。しかし習近平時代になって からは全力で反腐敗キャンペーンを行って役人の公費海外旅行を禁止した ので、ラスベガスの賭博業界は重要な客筋を失って不景気になりました。 ですからこの賭博用鉄道路線の必要性がなくなってしまったのです。

しかしこの理由は米国側からは口にだせません。中国側にとっては習近平 がサインしたときから破約になるまでトラブルに気づかず、誰も注意して くれなかったのでしょう。

*面倒なプロジェクトが多い原因は政治?経済?

その他の国々での面倒プロジェクトは似たり寄ったりですが、その理由は 様々です。

メキシコの高速鉄道プロジェクトの場合は中国企業がいったん落札したの が撤回されました。贈賄疑惑など大スキャンダルに発展したためです。こ れは中国企業と海外の協力モデルのあり方に関係するもので、中国企業は 喜んで政府や役人と親密な利益関係をつくりあげるのですが、これは容易 に腐敗だという指弾を受けます。

華為技術有限公司がオーストラリアでうまくいかなかったのは、従業員 が、会社が社員のメールやネット活動を監視していると訴え出た上、同社 が米国で「スパイ行為」を働いているとされたためで、豪州とて自国に 「トロイの木馬」を引き入れるわけにはいかなかったのです。

しかしもっと多い面倒プロジェクト化の理由は、やはり一国の政治経済の 情勢変化のせいです。第一の種類は政府が変わった時に新しい指導者が前 任者のツケを支払わないケース。

例えば2015年のスリランカ選挙で親北京派の大統領だったラージャパクサ が落選し、新大統領のマイトリーパーラ・シリセーナは前大統領が公共事 業で私腹を肥やしていたとして、着任後ただちに中国の投資によるスリラ ンカの港湾プロジェクトを停止させました。

中国−タイ鉄道もこの類です。同プロジェクトはタイの三期にわたる政権 で毎度、政権が変わるたびに協約の条項でより多くの利益を要求され、ど んどん中身が変わってしまいました。

例えば鉄道が複線から単線に、高速鉄道が中速鉄道になり、建設契約もア ピシット政府からはじまって、インラック政権に「高速鉄道代金を米で払 う」などの条項がくわえらえれ、その後の軍政府時代になってまたこの過 程を繰り返しています。現在、中国側に借款利息の変更や増資やさらなる 優待条件などを要求されています。

二つ目のケースは対象国の経済衰退です。例えばギリシャやベネズエラの ケースです。ギリシャのピレウス港プロジェクトの停止はギリシャの経済 衰退と密接な関係があります。同国の財政赤字は国内総生産の137.14%、 公共債務はGDPの178.4%にのぼり、EU規定の3%や60%どころではありませ ん。ほとんど崩壊寸前です。

ベネズエラはさらに悪く、現在のマドゥロ大統領はチャベツ派を称し国内 政治、経済、社会政策全般はチャベツ時代そのままですが、ただ「中国と いう良き友人」から借りた巨大債務の継承だけは嫌がって、新政府は旧政 府の借金を返さないと宣言して中国の数百億米ドルの借款が消えてしまい ました。

もう一つ中国プロジェクトが対象国に与えるのが環境の大破壊です。プロ ジェクトの商談の段階では両国の官僚は投資の目先の利益と自分のポケッ トにいくら入るかばかり注目して、自国の民意を顧みません。しかし一旦 政局が変化するとこうしたプロジェクトは中止になってしまいます。

例えばビルマの水力発電ダム計画です。最初に話がおきたときはビルマ民 主化の真っ最中でしたが、まず政府が軍事政府から文官政府になり、さら にアウンサンスーチー政権党になりました。スーチー政権は軍事政権に反 対しており当然、軍事政権がサインしたプロジェクトを承認しません、 云々>(以上)

これだけ失敗すると、民間企業なら確実に倒産する。中共の場合は国有企 業や省有企業が多く、倒産すると失業者があふれて治安が悪化するので、 資金を供給して生きながらえるようにしてきた。死んでいるのに人工呼吸 器で生きているだけで、いわゆるゾンビ/キョンシー企業ばかり。その債 務は莫大になり、ほとんどが不良債権だ。

やがては不良債権が表に出て金融機関は破綻し、それが信用不安の連鎖に なる。習近平政権の金庫は空っぽになり、人民元を印刷する、そして元安 と強烈なインフレになる。全土に失業者があふれ、暴動が急増し、警官、 軍人も給料遅配で動かない。人民は金目のものを持っていそうな企業や富 裕層を襲撃し始める。かくして内乱となって政権が変わる。

これが支那4000年の歴史であり、中共独裁帝国も同じ道を歩き出した。 我々は直線コースでチャイニーズドリームが転倒し、真っ赤な勝負服の習 近平が落馬するのをまもなく目撃するはずだ。

「第4コーナーを回って先頭はアメリカンドリーム、二番手はチャイニー ズドリーム、内側の三番手はサムライブルー、まもなく直線コース、鞭が 入った、おおっと、チャイニーズドリーム、様子がおかしい、おかしい ぞ、おおっと、転倒した、騎手が投げ出された、おおっとサムライブルー が騎手を踏んだ、ゴールまで50メートル、アメリカンドリーム1番、10 メートル遅れてサムライブルー2番、1馬身差でデタラメルケル3番・・・ おおっと、落馬した習騎手が担架で運ばれていきますが・・・大丈夫で しょうか・・・? 今入った情報では・・・残念なことですが、習騎手は ほぼ即死だったようです・・・重賞G20、今年のナンデモアリマ賞、アメ リカンドリームの強さと女性騎手の飛躍を印象付けました。この辺で中山 競馬場からお別れいたします」(2016/7/10)

         


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