2016年07月15日

◆EU離脱以後の通商上の悪影響

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)7月12日(火曜日)弐 通算第4962号 > 


 〜中国の深刻な懸念は英国のEU離脱以後の通商上の悪影響
  中国EU首脳サミットの議題だが、EUはサイバーセキュリティに最 大の関心〜

2015年10月、習近平はロンドンを訪問し、大歓待を受けてご満悦だった。
中国は毎日平均で10億ユーロの取引をEU諸国としている。対米、対日よ り中国からのEU輸出は大きく、大切な顧客である。

習近平訪英では総額400億ポンド(5兆5000億円)という未曾有の巨額契 約をおこなった。

中国の対EU投資は非加盟国のノルウェイ、スイスを含めて総額230億ド ル(2兆4000億円)に及んでおり、今後もギリシアの港湾買収、スイスの 農薬会社買収などの決済が加わる。

外貨が急減している中国は対外投資を抑制しており、はたして本当に振り 込まれるのか、どうか訝しむ声もあがっている。

なかでも中国はEU戦略の基本に英国の活用を規定方針としてきたのだか ら、突然の英脱は深刻な影響をもつことは火を見るよりも明らかだろう。

とくに中国は英国がまっさきにAIIBに参加を表明してくれたことを評 価し、対英投資を増やした。

つぎにロンドンのシティでは人民元のオフショア市場が開設され、香港に つぐ取引額となった。

英国のEU離脱によって英国ポンドは劇的な下落を演じ、つられてユーロ 安の相場となり、輸出決済額が減る中国は焦る。連鎖で中国の人民元は下 落し、年初来の安値をつけて青ざめた。

12日から2日間にわたって開催される中国EU首脳サミットは、中国側が 主として聞き役となり、英国EU離脱以後の状況、展望、詳細な分析を聞く。

EU側は中国が一方的に法制化したIT暗合開示という難題を厳しく追及 する手はずで、中国のいう「暗合は絶対に悪用しない」などとする約束は 信用していない。企業間、政府間の通信は、それぞれが暗合でなされてお り、それを中国に開示するなど、サイバーセキュリティ上からも、絶対に 譲歩できないことだろう。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック