2016年08月05日

◆コロンボ沖人口島プロジェクトにGO

宮崎 正弘 



<平成28年(2016)8月3日(水曜日)通算第4976号 >

 〜スリランカ、またも変心。コロンボ沖人口島プロジェクトにGO
   替わりに中国は一日38万ドルの損害賠償請求を引っ込める〜

もともと怪しいプロジェクトだった。
コロンボの沖に人口島を造成し、一大都市と港湾機能をそなえる夢の島
をつくって差し上げましょう(実態はチャイナタウンをインドの下腹部に
造成する)と持ちかけた。

飛び上がって喜んだスリランカの前大統領は、中国の提案に飛びついた。
大統領の息子は特別待遇で中国へ留学した。

2014年、習近平は大型使節団を引き連れてスリランカを訪問し、こ のプ
ロジェクトを正式に署名した。 

ラジャパスカ前大統領は、中国に国益を売ったと批判され、猛烈な反政
府運動が起きた。

日本に喩えて言えば、東京湾に大きな人口島を埋立造成し、その島を 99
年借り受け、中国が管理運営するという話だから、独立国家の「主 権」
の問題からみてもあってはならないことである。

しかしスリランカは、南方のハンバントタ港をすでに中国に工事を任
せ、一昨年の習近平訪問時に合わせて、中国海軍の潜水艦が、ここに寄港
した。スリランカ南方は前大統領ラジャパスカの地盤である。

インドは安全保障上、由々しき問題であるとした。

セリナス新大統領が誕生(15年3月)、コロンボ沖合人口島プロジェク ト
は「中断」した。セリナスは、このプロジェクトを中止に持ち込む考え
と言われた。

セリナスは政界のベテラン、閣僚経験もあり、清廉な人物として知られた。

ところが資材を陸揚げし、建設機材などもコロンボの港湾倉庫に山積み
されたまま、中国は、工事の遅れを一日38万ドルの損害と見積もり、合
計1億4300万ドルの損害補填をスリランカ政府に迫っていた。

契約の履行を迫られ悩みに悩むスリランカ新政権だが、押して押して押
しまくられ、ついに屈服するかのように、工事再開に同意した。

2016年8月2日、主契約社の中国交通建設公司(CCCC)は損害 賠償
請求を取り下げた。

スリランカ政府は110ヘクタールの人口島プロジェクト建設に最終的な
GOを出した。

裏取引は、ほかに多くの魅了的プロジェクトを中国が提示し、その多く
が有利な融資条件であったからとも噂される。

とはいえ、中国の壮大な海外プロジェクトは世界各地で頓挫、挫折して
おり、とりわけニカラグア運河の工事中断、資金枯渇などを目撃すれば、
はたしてこの大プロジェクトは完成するのか、訝しむ声も日増しに多く
なっている。
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