2016年08月06日

◆中国の原子炉プロジェクトを中断

宮崎 正弘
 


<平成28年(2016)8月4日(木曜日)弐通算第4978号 >
 
〜英国メイ新政権、中国の原子炉プロジェクトを中断
   国家安全保障に直結――最終的契約には再審査が必要である〜


これはキャメロン・オズボーンが積極的に推進してきた対中外交の劇的
な路線転換だろうか?

メイ首相は中国との間ですすめてきた原子炉プロジェクトの最終合意を
「急ぐべきではない。もっと慎重に時間をかけて再審査するべきだ」と
し、中国はすっかり慌てた。

これは中国が最初に西側に建設しようとして原子炉プラントであり、も
ともと安全性に問題があり、中国のオファーを是としてきたキャメロン政
権の決定がいかがわしいことは、内閣の中枢財務担当大臣のジョージ・オ
ズボーンが異様なほどの中国派だったことに由来している。

昨年10月、4日間におよんだ習近平の訪英において、目玉プロジェクト と
して、両国は署名した。

「拙速すぎる」という批判が当時からあり、また後日エリザベス女王が、
「礼を欠く、品位のなさ」として習近平を名指ししなくとも、それとなく
批判したという逸話はひろく伝わった。

サマセット地区のヒンクレーに建設予定だった原子炉は総額18億ポン
ド(2700億円前後)というシロモノ、安全性の確認もなく急ぎで決めるべ
き問題ではない。急ぎすぎた政治的背景にも、2015年3月に米国の期待を
裏切ってAIIB参加をきめた英国外交の奇妙な親中姿勢にあった。

ついで英国の国民投票はキャメロン路線を否定する結果を招き、かれら
は下野したが、親中派のロンドン政界における退潮の兆しでもあった。
 
世界中で、中国のプロジェクトは頓挫の連鎖が始まっている。ニカラグ
ア運河の工事中断、インドネシア新幹線の中断、米国ロスアンジェルスー
ラスベガス新幹線の米国からのキャンセル。ミャンマーの水力発電ダムの
中止等々、枚挙するにいとまがないほどである。 
 
       
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