2016年08月10日

◆陛下の生前ご退位、わたしの考え

泉 ユキヲ


泉家は大した家柄ではないから「泉家の当主は誰か?」

なんてことは親族の誰も考えない。議論もしない。

しかし、それなりの家柄であれば「当主」の概念がある。

ある家の「当主」が誰かは、その家に属する人たちが決める。

(この場合の「家」とは、いわゆる核家族ではなく、もっと

伝統的な「一族」の概念である。)

一族の決定に対して、市役所だの県庁だの法務省だのが介入

する余地はない。

仮に介入するなら、それは重大なる「基本的人権の侵害」

にあたる。日本国憲法に反する行為となる。


この常識を、今回の議論の出発点にしたい。

■ 当主を選ぶということ ■

天皇とは、どういう人なのか。

天皇家ご一族の「当主」である。そして政治以前に、神道
の祭祀長である。カトリック教会の教皇のごとく。

日本国憲法の根幹である「基本的人権」に基づいて考えれば、
天皇家の当主の決め方は天皇家ご一族に一任すべきであって、
そこに国家が介入してはいけないのである。

まして、天皇家ご一族以外の他家の者があれこれ口を出して
はいけない。

「泉家の当主」を誰にするか、国家も他家のひとも干渉して
はならないのと、いっしょである。

ものの順序としては、まず天皇家ご一族の内部の議論の帰結

として「天皇家一族の当主はこのひとです。すなわち、このひとが
天皇です」

という結論を出してもらう。

そこに国家は関わってはならない。

誰が天皇なのか、天皇家ご一族に決めていただいたところで、
ようやく国家が登場する。

天皇家ご一族が天皇と定めたひとに、国家が憲法に基づいて
「国家・国民の威光としての国家元首」の地位を託する(か
どうかを、国家が判断する)。

そういう段取りである。

■ ローマ教皇とバチカンの関係 ■

バチカンの国家元首はローマ教皇である。政府の長は、
ローマ教皇庁の枢機国務長官が務める。

誰がローマ教皇になるかは、カトリック教会の枠組みで
決められる。

教会が定めた教皇が、二次的にバチカンの国家元首となる。
そういう段取りだ。

かりにバチカンという国家機構がこの世から消えても、
教会があるかぎり教皇は選ばれ続け、存在しつづける。

そのとき教皇はいずれの国の元首でもなくなるが、それでも
「教皇」なのである。

まったく同様に、日本国の国家元首は天皇である。政府の長は、内閣総理
大臣が務める。

誰が天皇になるかは、神道祭祀を司る天皇家一族が協議して
決めるべきなのである。天皇家一族が定めた天皇が、国憲に
もとづき二次的に日本国の国家元首となる。
そういう段取りだ。

かりに国憲から天皇の規定がなくなっても、神道祭祀がある
かぎり天皇は選ばれ続け、存在しつづける。

そのとき天皇は日本国の元首でなくなるが、それでも「天皇」
なのである。

9世紀以来、21世紀の今日に至るほとんどの期間、日本の
国家権力は天皇にはなかった。

それでも「天皇」は選ばれ続け、存在しつづけた。宗教祭祀
の長なのだから。

そして「天皇」は権威たりつづけた。

歴代の武家国家も、この権威を外に追い出すのではなく、
内に包み込み、内に包み込まれることを選んだ。

■ 皇室典範を天皇家ご一族の家法のごとく運用する ■

皇室典範は、宗教祭祀の長をどのようにして選ぶかを規定
している。

だから、日本国憲法の政教分離の大原則に照らせば、国の
法律であってはいけない。

大日本帝国憲法の下では、皇室典範は天皇家一族の「家法」
だった。

それが敗戦のどさくさに紛れ、昭和22年に法律として位置
づけられてしまった。国際法違反やりまくりの占領軍の圧力
によるものだった。

いまさら皇室典範を「国法」から「家法」に戻そうとする
のは、さすがに非現実的だろう。

しかし「家法」のごとき運用を、国民の総意とすることは
可能だ。

皇位継承について天皇家一族が内部での議論の末に、いまの
皇室典範と異なる規定を望まれるなら、それがよほど常逸したものでない
限り、つとめてそれに従って国会が皇室典範を改正するのがスジである。
国会が「議論」すべきものではない。

皇位継承をどうするかは、ほんらい天皇家一族の問題で
あって、そこに国家が介入するのは、ほんらい「基本的人権
の侵害」にあたるものなのだから。

■ 万機公論ニ決スベシ ■

近代日本の国憲の原点は、慶応4年のいわゆる「五箇条の
御誓文」である。

≪広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ≫と、明治天皇が
天神地祇(てんじんちぎ)にお誓いになった。

皇位継承の問題もまた、天皇陛下おひとりのご意思ではなく、
天皇家ご一族の総意として示されるべきものと考える。

天皇家ご一族のなかで広く会議をひらき、すべてを公平で
正当に議論して、天皇家ご一族の公論の結果を国民にご提示
いただけるものと考える。

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