2016年08月11日

◆最近の風潮に思うこと (その五)

真鍋 峰松



以前の事だが、朝のテレビ番組の中で、大いに気になることがあった。それは、低額宿泊施設(生活保護法に基づく宿舎提供施設)の運営を巡る訴訟事件に関する報道だった。

内容は、1人の施設退所者が設置運営主体であるNPO法人を相手取り、法外な利用料金を自分名義の口座から勝手に引き落としたので返還を求める、とのこと。 

口座に入金されるのは当人の生活保護費支給額月12万円。そこから、施設利用料金9万円を差し引き、結局本人の手元には3万円しか残らないというのである。 

テレビ取材に応じている本人は健康で実直そうな63、4歳の男性で、現在電気修理業を営みアパートで一人住まい。 その談では、月12万円あれば十分一人暮らしも可能、在所時に3万円の手元金しか残らないのはおかしい、施設の利用料金が不当と言うのである。 

一方、施設側は9万円の利用金の内訳は、毎日3食の食費で4.5万円(内食材費1.5万円)、施設管理・設備費等で4.5万円と弁明。

何故、ここで事件内容を詳細に伝えるのか。それは、この報道内容に腑に落ちない点を感じたのである。何より、報道の趣旨・着眼点が不明であった。

施設側が勝手に口座から引き落とすこと自体に関する問題意識なのか、それとも、元入所者の主張するように不当に高い利用料金を問題にしているのか、或は、当該NPO法人自体に対する本質的な疑惑を伝えたいのか、判然としなかった故である。 

口座引き落としなら所管行政の考えを追及すべきだろうし、不当料金と言うなら、例えば食費4.5万円のうち食材以外の3万円の内訳なり管理・設備費の詳細を追及し、他の施設との比較考量や所管行政の見解を糺すべきだと思われた。 

法人に対する本質的な疑惑なら如何にも中途半端で、当該法人の他の施設も取材すべきである。 前提の運営実態や費用負担の仕組みも伝えずして。
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