2016年08月11日

◆トルコのロシア急接近はEUにとって「悪夢」

宮崎 正弘
 


<平成28年(2016)8月9日(火曜日)通算第4985号> 


 〜トルコのロシア急接近はEUにとって「悪夢」だと前スェーデン首相
  8月9日、エルドアン大統領はプーチンのもとへ飛ぶ〜


8月9日といえば、日本では「長崎の日」。
「NO MORE NAGASAKI」とひたすら感傷に浸る日本のセン
チメンタリズムは世界の真実からますまる遠ざかり、世界情勢の把握に大
いなる障害となるが、戦後の平和主義に浸りきった多くの日本人の感性か
らすれば、いまの国際情勢を正確に把握することなど出来るはずがない。

対照的に世界はリアルポリティックスで動く。現実の打算の積み重ねが外
交でもある。あたらしいグレートゲームが開始されているのである。

8月9日、ロシアのサンクトペテルブルグではトルコのエルドアン大統領
とプーチンが会談し、過去8ヶ月の「冷戦対立」関係に終止符を打つ。
お互いの罵倒合戦を休止し、野菜などの輸入禁止などといった経済制裁を
解き、密接な外交関係の復活を話し合う。

これは7月15日のトルコ軍のクーデタ失敗と、その直後から反対派大量粛
清に踏み切ったトルコのエルドアン大統領に対して、2日後の7月17日に
プーチンから呼びかけたもので、アンカラから特別機を飛ばしてエルドア
ンはバルト海に面するサンクトペテルブルグへ向かうことを了解した。

劇的な変化とも言えるが、EU議会はネオ・リベラリズムが依然として跋
扈しており、トルコの強権発動的なエルドアンの動きに批判的であり、ト
ルコのEU加盟議論は、完全に遠のいてしまった。
EU自身がトルコをロシアへ追いやったのだ。

「これはEUにとって悪夢ではないか。トルコとロシアの同盟あるいは蜜
月関係は新しいグレートゲームの始まりを意味し、東南EU諸国と中近東
の政治地図にロシアが割り込むことになる。EU諸国はもっと深刻な関心
をしめるべきだ」と前スェーデン首相のビルト(現EU議会共同議長)が
語った。(英文プラウダ、8月8日)

EUに対するするどい警告である。

市場はどうか。

8月4日、バンクオブアメリカ&メリル・リンチ(通称「バンカメ」)
は、顧客に対して、「ロシア・ルーブル買い」を推奨し始めた。

原油価格の崩落により経済低迷でロシアの通貨は暴落してきたが、バンカ
メは、「底を打った」と判断し、またロシアが金備蓄を顕著に増やして通
貨の裏付けが出来ていることなどを理由に挙げた。
      
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