渡部 亮次郎
北アメリカにおける売春の合法性アメリカ合衆国では国家レベルでの
全面禁止はされず、州の裁量に任されているが、ネバダ州以外では禁
じられている。
ネバダ州でも一部の許可地域以外では禁じられている[とは言うものの、
レンタカーを借用して輪姦事件を起こした兵士に対して、「レンタカー
を借りる金があれば売春婦を買えば良い」と発言した軍の高官が更迭
されたのが国家の姿勢である。
近年は、韓国女性が米国まで「遠征売春」をしており、米中部内陸まで
広がっていることが伝えられている。ロサンゼルス警察局の関係者によ
ると、毎月逮捕される売春女性のうち、9割が韓国人であるとしている。
また、サンフランシスコでは、売春取締りにかかる費用が莫大な額に上
ることから、費用節約の観点から、女性の意思に基づく売春であれば事
実上黙認するとの運用が検討されている。
カナダでは売春は適法である。しかし売春禁止法により、斡旋行為や売
春宿の経営、売春で生計をたてることは違法とされている。そのため、成
人の女性がバイトで単発的に行う売春のみが合法とされる。
ただ、実際は斡旋行為等は事実上広く行われているとされる。カナダの
HIV/AIDSの法律家ネットワーク Legal Network は2005年12月13日、この
法律がセックスワーカーの健康と生命を脅かしており、廃止するべきだと
する報告書を発表し、下院議員リビー・デーヴィス Libby Daviesを中心
にこの問題についての議論が継続されている。
南アメリカ諸国の事情
南アメリカにおける売春の合法性チリでは売春は合法である。実際には、
目立たない形で広く行われている。性風俗業はいくつかの形態で存在し
ている。一種の高級バー、アパートの1室で売春を行うSAUNAといわ
れるもの、街娼などの形態がある。
売春婦の多くは、売春しか生活の糧を稼ぐ手段がない貧しい層の女性であ
るといわれている。2007年には売春婦であるマリア・カロリナがチャリ
ティーのために「27時間の性行為」をオークションに出品し話題となった。
ブラジルでは売春は合法である。売春の広告を出すことは違法とされる
が、一般新聞の広告欄には堂々と掲載されている。売春婦はプータ(蔑称
であるため放送禁止用語である)と呼ばれ、貧民層出身の女性が生活費を
稼ぐために仕方なく売春を行っているケースが多い。
しかし現実には、予期しない妊娠によって男に捨てられ、子供を育てるた
め売春業に参入する場合がほとんどである。国内ではマフィアによる組織
売春や奴隷売春なく、原則として自由業である。
このことは、ブラジルにおける売春の利益が他国と比べて小さいことによ
る。メキシコでは売春は違法であるが、放置されており、事実上黙認され
ている。
メキシコ国境付近の町ティフアナでは、条例により売春婦に保険証を交付
したり、売春宿の衛生管理に市が介入することを認めた。メキシコではこ
うした例が多いため、事実上売春は合法であると指摘される。