2016年09月14日

◆米国人は死ぬために食べる

平井 修一



「米国人は生きるためではなく、死ぬために食べる」と言われている。気
になっていたが、たまたま以下の記事を読んで大いに納得した。

クーリエジャポン「異色の訪問記『硫黄島からのメール』第4回 フラン
クな米兵たち、礼儀正しい自衛隊員たち」から。↓
https://courrier.jp/columns/55888/

著者の日野光春氏は1974年生まれ、編集者。雑誌・書籍の出版やウェブマ
ガジンへの寄稿などで活動中。ライフワークは世界各地への旅行。

このシリーズの発端はこうだ。2008年のことである。著者は久しぶりに休
みが取れて、いかに過ごすかを考えていると、知人から「硫黄島の自衛隊
基地の食堂が2週間のバイトを募集しているから、行かないか。めったに
行けるところではないから」と誘われ、都心から南へはるか1250qの、日
米激戦の将兵の霊が宿る島を訪れたのだ。以下、本文から抜粋。

<*米兵たちが好む「偏った食事」

食堂のお客はもちろん自衛隊員たちだが、それだけではなかった。米軍の
兵士たちもいた。

米軍関係者が硫黄島にいることは聞いていたが、少数だと私は思ってい
た。ところが予想よりかなり多くて驚いた。100人近くはいただろうか。
(平井:日米合同訓練の時に硫黄島基地に米軍が来るそうだ)

夕方の食事時間になり、佐藤君と私はそのままコンビを組んで働くことに
なった。テーブルを拭き、調味料を置く。そしてお客が次々とやってくる
と、食事を出すのにてんてこ舞いになる。

まず、ご飯が入った青いボックス、スープと味噌汁がそれぞれ入った鍋
と、何種類ものおかずが盛られたいくつかのトレイを調理場から持ってく
る。もちろん、ボックスも鍋もトレイも一般家庭ではお目にかかれないほ
ど大きい。

そして私たちの前には、自衛隊員と米兵がプレートを持って一列に並ぶ。
佐藤君と私は、彼らのチョイスに応じて食事を皿に盛り、出し続けた。

驚いたのは、自衛隊員と米兵の食事の選び方の違いである。

自衛隊員はおおむね、「ご飯、味噌汁、おかず(肉または魚)、サラダ、
飲み物」という組み合わせでバランスよく食事を選んでいく。

ところが、米兵のチョイスはあまりにも偏っていた。彼らはとにかく、肉
とポテトフライとコーラを異様なほど好むのだ。

米兵は平均すると自衛隊員よりも体格が大きい。その巨漢たちが「肉、
肉、ポテトフライ、ポテトフライ、コーラ、コーラ」という風に、大雑把
かつ一律的にオーダーしていくのである。

飲み食いする量にも驚愕した。誇張ではなく、米兵たちは肉とポテトフラ
イを山のように皿に盛り、大量のコーラで流し込むように食べていた。ま
さに鯨飲馬食だ。

「アメリカ人はなんでこんなに肉とイモが好きなんだろう?」

こっそり佐藤君に話しかけると、彼も呆れた様子で答えた。

「これ、ヤバいですよねえ。日本人ならだいたい常識として知っている栄
養の基本的な知識を、アメリカ人ってまったく教えられてないんじゃない
ですか」

「こんな調子で偏った飲み食いを続けていたら、病気になったり早死にし
たりする可能性はかなり高くなるはずだよな」

「軍隊にいる間は、訓練とかがあってカロリーを消費するからいいですけ
ど、普通の日常生活に戻ってからもこの調子で飲んだり食べたりしていた
ら、すぐに肥満体になるでしょうね。もともとアメリカには太った人が多
いって言われてますけど」

若い佐藤君は、自分が考えたことを臆せずハキハキと喋る。それが面白く
て、私も意見を言ってみた。

「でもさ、アメリカには一方で、ベジタリアンをはじめ、健康な食事にこ
だわる人たちもいるんだろう。そういう客層を対象にするレストランもア
メリカでずいぶんできているって、何かの記事で読んだよ」

「それはたぶん高等教育を受けたインテリとか、ある程度裕福な暮らしを
している大都市の住民とか、社会の上の方のクラスにいる一部の人たちの
話じゃないですか。現場の兵士として軍隊に入るような普通の人たちとは
違うと思いますよ」

「なるほど」

佐藤君の推測に私は納得した。

ベジタリアンとまでは行かなくても、アメリカで栄養に気を遣い、「食」
への高い意識を持っているのは、エリートとかインテリなどと呼ばれる人
たちが多く、一般国民にはあまり縁がないのかもしれない。

社会の格差がもたらす「食の知識」の格差は、日本よりアメリカの方がか
なり大きいのだろうか──などと私も考えてみた。すると、佐藤君がぽつり
とこう漏らした。

「とりあえず、この食堂にはサラダがちゃんとあるんだから、せめて生野
菜くらいもう少し食べてもいいんじゃないかと思うんですけどね」

確かに米兵はあまりサラダを頼もうとしなかった。サラダを食べるのは
もっぱら自衛隊員ばかりだったのだ。

やっぱり日本人は、栄養バランスの大切さは学校でも教わるし、役所や病
院も強調するしで、これは日本の強みだよな……などと考えていると、急に
目の前から英語が飛んできた。

「コーラをもらえるかな?」

身長190pはあろうかという白人の大男が、機嫌良さそうにニコニコしな
がらオーダーしてきたのだ。さっそく出そうとしたが、すでにこれまでの
注文で、冷蔵庫に入れておいたコーラの缶はすべてなくなっていた。

私は慌てて、少し待ってくれるよう巨漢の米兵に頼み、裏の倉庫に走る
と、コーラの缶が詰まった段ボール箱を持ち上げて食堂に運んできた。重
さのため、途中で何度かよろけてしまった。

冷えていないのを申し訳ないと思いつつ、コーラの缶を一本出して米兵に
渡した。彼はそれを取り上げると、ぬるいことなど気にする様子もなく、
笑顔で「サンキュー」と礼を言って席に戻った>(以上)

「11 Facts About American Eating Habits」によると、米国人の52%は
「健康な食事」に無頓着で、4人に1人は毎日ファストフードを食べ、年間
100億個のドーナツを食べ(1人当たり30個)、「肥満の原因は炭水化物、
砂糖、脂肪分」と思っており、「カロリーのとり過ぎが肥満になる」と認
識しているのはわずか33%に過ぎないという(米国農務省調査)。

日経電子版2014/1/10「アメリカ人を太らせたあの政策 外国人の不思議」
から。↓
http://style.nikkei.com/article/DGXZZO64645120X21C13A2000000

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