宮崎 正弘
<平成28年(2016)10月6日(木曜日)通算第5051号 >
〜トルコ軍、イラク領内に2000名の兵士が駐屯
イラク政府、大使を召還し、アンカラに厳重抗議〜
ISの跳梁跋扈から2年、アレッポの反アサド武装勢力が劣勢に陥り、米
国ならびにNATOの思惑は大きく後退した。
反アサド勢力を支援してきたのは米国である。とくに反アサド勢力にリビ
アに供与した武器を回送しようとしたのはクリントン国務長官(当時)で
あった。
昨秋からロシアが参戦し、激しい空爆を反アサド勢力に加えたうえ、トル
コが空爆に加わり、ISは後退につぐ後退を余儀なくされた。アレッポは
半ば廃墟と化けた。
シリアをめぐる情勢は大きな転換期を迎えた。
トルコ国会はイラクのモスル北方にあるバシカに2000名のトルコ兵の残留
を決議し、他方、イラク国会は、トルコ軍の即時撤退を決議し、両国は大
使を召還。泥沼の非難合戦に入った。新展開である。
もともとトルコ軍がイラク領内に侵入したのは「クルド自治区地方政府の
マスード・バルザニ『首相』」の要請に拠るものであり、実際にクルド勢
力を(このクルドはアンカラ政権の傀儡)ISの攻撃から守った。
トルコ政府は「もともとISの脅威を増大させたのはイラクの無能による
ものであり、我々は自国民を守るために無政府地帯に作戦上、駐屯してい
るだけであり、バグダッド政府の抗議は受け入れられない」と突っぱねた。
ISが片付くと、次はトルコ vs イラク戦争?