宮崎 正弘
<平成28年(2016)10月10日(月曜日)弐
通算第5056号>
〜南京、深せん、広州で不動産市場が30%の崩落開始
全土19都市でバブル封じの規制強化を実施。それも国慶節休みを狙った〜
周小川(中国人民銀行総裁)は「不動産価格を適切な価格帯にするために
適切な措置が必要である。これは『健全な不動産市場の発展』のためでも
ある」と会見した(10月8日)。
国慶節の1週間、中国はゴールデンウィークだった。企業は休み、学校も
なく、多くの国民はレジャーに出かけた。
その隙をついて、規制強化に動いた。
北京、広州、深せん、南京、成都、武漢など19都市で頭金の上乗せ(20%
から30%の頭金が必要となる)、上海などでは開発余地のある土地の大幅
な供給が発表された。また一部の都市では『不動産広告の過剰な宣伝規
制』などの措置も発表された。
この措置は次に福州、東莞、石家庄、青島などでも実施される(アジアタ
イムズ、10月10日)。
南京、深せん、広州の3都市では不動産市場が30%の下落を見せた。
中国はGDP成長を6・5%死守を目標としており、この数字を達成する
には不動産バブルの継続がメインの政策だった。
この方針が転換されたとなると、次はいったい何で、GDP成長を補うと
するのか。
出てきた。
株式市場に「新3市場」、つまり米国で言うナスダック、日本のマザーズ
市場の創設である。ベンチャーや中小の新興企業を、この市場で上場させ
資金を調達する仕組みだが、『新3市場』には4000社の上場を見込み、集
める資金は3・5兆元としている。
不動産バブルの蜃気楼が消えて、つぎは新株の蜃気楼というわけだ。
くわばら、くわばら。。。