2016年10月21日

◆中国の広東省東莞はいま

宮崎 正弘 


<平成28年(2016)10月20日(木曜日) 通算第5067号 >  

〜嘗て世界の工場の代表格だった広東省東莞はいま
  売春風俗嬢30万人が散っただけでも東莞GDPの10%減〜


東莞は世界の玩具の3分の1を生産していた。靴と家具のメーカーも多
く、雑貨輸出の基地としても知られ、労働者は中国の地方からだけでは不
足しバングラデシュ、パキスタンあたりからも低賃金に甘んじて暮らして
いた。

2年前、当局は風俗営業、カラオケバーでの売春などまかりならんとし
て、一斉捜索におよび数千人の売春婦、斡旋業者、場所提供者、ぽん引き
などを逮捕した。これにより、およそ30万人の風俗嬢が東莞から逃げ去った。

爾来、工場閉鎖、縮小、企業の倒産が相次ぎ、やがて労働者も1人去り、
2去り、数万が東莞からほかに散った。

駅前どころか、商店街は軒並みシャッター通り、工場は廃墟、多くのビル
は「レンタル」の表示があっても借りてはおらず、一気にゴーストタウン
化した。

新しいイノベーションで、新しいビジネスを創造し、再び豊かにしよう」
と地方政府トップは掛け声を掛けるが、言葉は虚しく虚空に吸い込まれ、
地元民は「それもこれも風俗産業の手入れから、こうなったんだ。GDP
はあれだけで、10%の激減。夜の享楽を求めてきた他者者も寄りつかなく
なった」と当局の売春屈手入れが原因とする。

しかしそれは問題のすり替えに過ぎず、賃金が上昇して価格競争に耐えら
れなくなった産業は、ほかに移転して生き延びるしかない。

これはカタストロフィ(破局)だと、分析するエコノミストもいるが、中
国一の繁栄を誇った広東省の一地域とはいえ、東莞のゴーストタウン化
は、明日の中国経済の衰退を予測される典型例である。
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