2016年10月28日

◆米国の公民投票

Andy Chang



米国の選挙投票日はあと2週間に迫ったが、大統領選挙はヒラリー
がやや優勢とはいうもののトランプとの差は小さく、メディアが情
報操作している可能性もあるので、今のところ誰が勝つかわからな
い。

ヒラリーは非常に陰険でしかも金があるからメディアを自由に
操作できるし、最近ではヒラリーの支援者グループがトランプの演
説会に出かけて擾乱した廉で2人がヒラリーの応援団体から追い出
されたという。

ヒラリーはトランプの選挙妨害には関わっていないと言う。彼女は
決してボロを出さないし、悪いことをしても罪にならない。だから
ヒラリーは絶対にイヤなのだ。

選挙は大統領と副大統領だけでない。国会議員、市会議員、小学校、
中学校や地方大学の教育委員、市の書記と出入係などの選挙も同時
に行われる。

投票には名前も顔も知らない人の名前が並んでいて、誰を選べばよ
いのか迷ってしまう。国民はたいていどの政党にも所属していない
から政党の推薦候補が並んでいても、投票者は保守とかリベラルな
ど「個人の好み」に頼るだけである。

国民の半数以上が国情や社会に関心を持っていないから政治に対す
る知識は白紙に近く、民主制度とはいえ民主選挙が良い政治、良い
国造りになるとは思えない。

●法案が多すぎる公民投票

その上にもう一つ国民が迷ってしまうのは公民投票である。民主主
義国家では何をするにも国民の同意が必要かもしれないが、どんな
条件を通して投票に持ち込むのかがわからない。毎回の投票には法
案が幾つもあるが、誰が法案を作り、どうやって投票に持ち込んだ
のかハッキリしない。

独裁国家と違って民主国アメリカでは些細なことでも公民投票が決
めるようになっている。投票日の1か月ほど前になるとメールや新
聞広告は勿論、テレビに第XX号法案に反対票を投じてください、第
YY号法案に賛成票を投じてくださいと言った広告が何回も出てく
るようになる。

テレビ広告はすごくお金がかかるものだが、投票前に毎日まいにち
何十回も広告を出すとなると随分お金がかかっているはずだ。その
資金は何処から集めたのか。何千万ドルというお金をテレビ広告に
使うぐらいなら、そのお金で1つや2つの学校が建ち、何十マイル
の道路が舗装されるはずだ。

●今年の投票法案は17案

私の住んでいるカリフォルニア州、オレンジ郡、サンクレメンテ市
では今年の投票は大統領、副大統領の外に、国会議員、市会議員、
学校の教育委員、市の書記と財務官など、そしてそのあとに公民投
票の提案が17案ある。

これらの公民投票提案には学校校舎の建設や修理の為に公債を発行
するとか、死刑廃止の賛否などの提案があるが、珍妙な提案もあり、
それぞれの提案に賛成側の募金と反対側の募金の金額が表示されて
いる。17提案のうちのいくつかを書いてみる。(M=百万ドル)

提案51:学校の建設や修理のための公債発行:Yes 12.2M
提案52:カリフォルニア健保(Medi-Cal)の政府補助金を恒久化す
る:Yes 62.2M、No 18.8M

提案55:4年前に通した州の大金持ちに課する高い税を延長する:
Yes 57.1M、No 3000ドル提案56:タバコ一箱に2ドルの税をかけ
る:Yes 30M、No 66.3M

提案60:Adult Videoの男優にコンドーム使用を強制:Yes 4.5M、
No 452.173M

提案62:カリフォルニアの死刑を廃止して保釈なき無期徒刑に変更
する:Yes 8.9M、No 4.6M

提案63:銃砲や銃弾の購買につき、身分検査や犯罪歴の調査を強化
し、犯罪者に所持する銃砲を提出させる:Yes 4.7M、No 742.376M
提案64:21歳以上の成年にマリファナ少量の使用と栽培を許可す
る:Yes 19.8M、No 2.5M

提案67:2014年に通したプラスチック袋の使用禁止に賛成するか:
Yes 2.5M、No 9M

以上、17提案のうちで気になったものだけを挙げたが、どの法案も
かなりの金額をあつめてテレビで賛成、反対を宣伝しているのだ。
銃砲の所持規制はオバマ民主党の一貫した主張だが、反対に7.4億
ドルが集められている。タバコに2ドルの課税は納得できても、AV
の男優にコンドーム使用を強制する法案で反対派が4.5億ドルを集
めたのはオドロキである。AV男優にコンドーム使用を強制するのは
性病やエイズの蔓延を防ぐためだが、反対にこれだけの金が集まる
とは思わなかった。

民主国家とは言えマリファナとかAV男優にコンドーム使用などを
政府が規制してもおかしくはないはずだ。こんな法案でも公民投票
に任せるのが現代アメリカなのだ。民主主義とは言論自由というが、
自由に限度がなければ国民の要求は果てしなく広がる。マリファナ
が合法化されるとやがては麻薬の合法化も提案されるかもしれない。



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