2016年11月08日

◆交通事故で健康保険を使うには

川原 俊明



交通事故によって生じた傷害の治療を受ける際、病院は「交通事故は健康保険の適用外です」と言ってくることがしばしばあります。

もちろん、加害者が全部の損害を弁償してくれるのであれば、健康保険を使わなくても問題ありません。しかし、相手方の保険会社から治療費の支払いを拒まれているときなどは健康保険が使えるか否かは死活問題です。

病院側としては、保険診療(健康保険を適用した場合の診療)よりも、自由診療(健康保険を適用しない場合の診療)の方が、利益が多いので、健康保険適用を回避するため、「交通事故は健康保険の適用外です」と言ってくるのです。

しかし、保険診療機関(健康保険が使用できる病院等)においては、健康保険適用の申し出があれば、病院がこれを拒むことは法律上できません。 すなわち、交通事故においても健康保険を使うことはできます。

ただし、交通事故において健康保険を使うためには、被害者が1つしなければならない手続きがあります。

それは、「第三者行為による傷病届」を保険機関(市町村、健康保険組合等)に提出することです。 健康保険は治療費の7割を保険機関が病院に支払いますが、実はこれ、立替払いなのです。

すなわち、本来治療費は、加害者が過失の割合に従って払うべきものですから、これを保険機関が支払えば、その分、後で加害者からもらいますよ、というものです(健康保険法57条)。これを、健康機関から加害者へ「求償」すると言います。

そして、「第三者行為による傷病届」とは、被害者が、この「求償」をしていいですよと、了解するものなのです。

以上のことを理解したうえで、必要であれば、病院に対し保険診療をきちんと求めていきましょう。     (弁護士)

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