2016年12月25日

◆年金問題と大嘘

大江 洋三



先日、読売系の「そこまで言っていいん会」が「闇やみ闇やみ闇」と題し
て再放送していた。弁のたつ座長の辛坊治郎氏が吠えた。

「65歳以上の年金受給適格者の総需給額は1000兆円、かたや政府の年金積
立預り金は140兆円しかない。毎年の支払い額は50兆円。大変、大変だ。
大闇だ」

この方は、政府の未来の年金支出のみをカウントして、絶えざる収入や基
本的事実を敢えて隠している。

政府は、予算ごとに全部を現金待機している訳ではない。

そういう意味で銀行と同じである。羨ましいがAさんが銀行預金1億円口
座を持っていたとして、銀行はAのために常に現金1億円用意しているわ
けでは全くない。

Aが毎月15日に100万円の預金を下すとすると、それだけしか銀行は現金
を用意していない。しかも、ギリギリ14日に用意する。現金を1日でも遊
ばしておく事は銀行経営にとって犯罪行為である。このギリギリを意識し
なくても機械的にこなせる組織を銀行という。

納税や社会保険料納付は貯蓄行為の一つだから、各国政府とも巨大な銀行
である。

もちろん年金特別会計もその一つである。偶数月の15日の必要現金を用意
するだけで余分すらもたない。余分と損失は同じもので、残りは帳簿記載
残高のみ。

辛坊氏の意味が「常に1000兆円用意しておけ」なら、銀行強盗に狙われる
だけ。このようなギリギリをしていると、足りなくなる事もある。

従って、銀行間の日々のコール・ローンと同様に、各省庁間の貸し借りも
煩雑に行われている。

現実考察の鋭い高橋洋一氏のような答えもある。

「日本の年金保険システムは巨大なネズミ講」

筆者は共同組合方式と呼んでいる。

いずれも皆で少しずつ拠出して、必要な人が使うという意味である。この
意味するところは「講を維持するには経済成長するしかない」おそらく、
辛坊氏は自営業者のための国民年金の心配をしたのであろう。

厚労省の年金特別会計(27年度)に依ると総予算84兆円、うち国民年金会
計規模は5%に過ぎない。それにも拘わらず税金の補填を受ける唯一の年
金会計である。その保険料収入1.3兆円、税収入はその約5割増しで
1.8兆円、他に厚生年金からの支援もある。

未納者は不埒な奴としか言いようがなく、巻き添えにしないで欲しい。
氏のように年金破綻を説く者が後を絶たないので、国民保険料の納付者は
該当の60%%に過ぎない。一方で生保の年金特約保険料収入は増えてい
る。その分だけ受給者の足を引っ張っていることになる、おそらく、個人
で貯蓄した方が得とか安全という意味だろうが、個人ほど 危険な存在は
無い。

それに生保もギリギリで現金支払いを用意する。

その担保としても、個人は国民年金を積立てる事が必要である。
保険料は費用勘定の積立金貯蓄であって、税金ではない。
税金扱いするから、世代間格差の問題が生じる。

確かに、超高齢化社会に突入して積み立て不足の心配もあろうが、やがて
亡くなる人が増えだす。つまり年金特別会計の支出は減りだす。
それまでの10年間は、貯えた140兆円で凌げばいい。

若者は忙しくな るが、いたる分は人工知能やロボットが補うはずであ
る。また、そうせね ばならない。世代間格差などと、若者の未来に不安
を与える事が最もよく ない。


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