2016年12月29日

◆検察審査会「起訴相当」の意味するもの

川原 俊明



刑事訴訟手続きにおいて、被疑者に対する起訴不起訴を決めるのは、検察官です。最近、検察の不起訴案件について、検察審査会なる組織が、脚光を浴びています。

検察審査会では、被疑者に対する検察官の不起訴判断について無作為で抽出された11名の市民が、検察の判断の当否を審議します。

今まで、有名無実の存在であった検察審査会。

最近では、裁判員制度の採用で、市民が裁判に関わりを持つようになりました。その影響からか、裁判制度に対する認識が高まっています。それに関連して、検察の起訴不起訴についても、否応なく国民の関心が高まっています。

 「起訴相当」を結論づけた検察審査会の意見を経て、強制起訴までされた事例もあります。もちろん、検察審査会は、法律のプロ集団ではなく、起訴すべきかどうかの判断について、厳格な証拠判断がなされているわけではありません。

したがって、検察審査会の「起訴相当」に基づき、強制起訴されたからといって、当然に被告人の有罪が決まっているわけでもありません。

しかし、大事なことは、被疑者の起訴にあたり、それが民意の反映だ、ということでしょう。

市民の目から見て、不起訴扱いすることが許されない、と判断された場合、起訴に持ち込み、公開の刑事裁判手続きの中で、真相が明らかにすることが大事です。被疑者に対する起訴権限の検察集中に対する国民の不満解消には、検察審査会をフルに活用すればいいのです。

ことに、政治家の犯罪容疑について、国民は、検察の起訴不起訴判断が、恣意的に操作されているのではないか、との疑惑を持っています。

それであればなおさら、国民が起訴不起訴について、意見を述べる機会を与えられる検察審査会は、今後、大きな役割を果たすでしょうか。

これによって、検察審査会が、「起訴相当」とした案件を含め、今後の起訴案件について、従来より有罪率が下がるかもしれません。でも、いままでの、起訴=有罪、の構図そのものが間違っているのです。

この構図に毒された刑事裁判官の実に多いこと。別に、有罪が保証された起訴でなくとも、国民監視の下で、堂々と犯罪の正否を争えばいいと思います。(完)(再掲)

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