宮崎 正弘
<平成29年(2017)1月4日(水曜日)通算第5152号>
〜トランプ新政権の対中通商政策は本気でタフに出てくるだろう
対中タカ派「四人衆」が通商交渉のトップに出そろった〜
トランプ次期米国大統領は国際貿易・通商のネゴシエーションをする
USTR(米国通商部)代表に、ロバート・ライトハイザーを指名した(17
年1月3日)。
ライトハイザーは1980年代のレーガン政権でUSTR副代表を務めた。
中国は「不公平」、中国との貿易はアメリカが一方的に中国に富を吸い取
られてきただけだ、と主張を繰り返してきたが、中国はこれらの強い言葉
を「修辞」にすぎないと、これまで捉えてきたフシがある。
しかし北京政府は、トランプが執拗に同じことを繰り返している経過から
判断して、どうやら「公平な貿易」を求めるのがトランプの主張の本質に
あると悟ったようである。
なによりも「影響力を行使できる立場にありながら、それを道具として利
用して、北朝鮮に何もしない中国」というトランプの訴え、実はピー
ター・ナヴァロ教授の本を読むと同じことが述べられている事実を発見し
た(次号で書評を予定)。
トランプのご意見番はナヴァロ教授だったのだ。しかもトランプは先に、
このナヴァロを新設する「国家通商会議」の議長に指名している。ナヴァ
ロ教授は猛烈な対中国タカ派のスタンスで知られる。
これで対中国タカ派の「4人衆」が揃った。
商務長官のウイルビー・ロス、そして貿易投資国際ビジネスで大統領顧問
格となったのが、投資家のカール・アイカーン。これにナヴァロ、そして
通商代表がライトハイザー。
いずれも中国へのスタンスはタフである。