2017年01月25日

◆在米華人グループの多くがトランプ支持

宮崎 正弘 



<平成29年(2017)1月24日(火曜日)通算第5175号>  

〜在米華人グループの多くがトランプ支持にまわった不思議
 元来、クーリー移民以来の華人は民主党支持だった筈なのに、異変が
起きていた〜

1月20日のトランプ大統領就任式に、多くの華人グループが参加して い
た。トランプ支持のプラカードを掲げて、とくにトランプが惨敗したカ
リフォルニア州からやって来た。

リベラルの巣窟、アジア系移民の左傾化が顕著なカリフォルニア州から?

目立ったのはアナハイムからの集団で、ヒラリー圧勝におわったカリ
フォルニア州だったが、共和党の選挙運動を展開した華人が多かった事実
は在米中国語メディアを読んでいるとわかる。

じつは昨年11月6日、投票日直前のミネアポリス空港で、緊急のトラ ン
プ支援集会が開催されたが、組織動員された団体のなかで、華人グルー
プの代表がトランプ支持の発言をしている。

これがネットで、フェイスブックで、ツィッターで拡がり、ひろく在米華
人有権者にトランプへの投票が呼びかけられた。

不法移民をのぞいて、在米華人はじつに450万人、このうち220万 人が有
権者である。

この数字には中国人留学生も不法移民も旅行で長期滞在の中国人も入ら
ない。まさしく18世紀から行われたクーリー貿易で米国へ渡り、主とし
て西海岸に住み着いた華人の家系が多く、しかも1852年にはアメリカ で
最初の中国移民の暴動が起きている。
 
彼らが不満をぶち挙げた理由は、正統な移民であるにも拘わらず、ア メ
リカ人がいまも「チンク」と侮蔑語で中国人を差別していること。メキ
シコからの不法移民の急増で、かれら正統派移民が就労の機会を失ってい
ること。

華人だからと言って不法移民と一緒にして欲しくない、という訳である。

にもかかわらずオバマ政権の8年間で、不法移民への優遇政策が実行さ
れたことへの不満が爆発した。

シリアからの難民を受け入れるとオバマ前大統領が発表したときは、在
米華人の56%が反対に回り、カリフォルニア州のリベラル社会の多数意
見に明確に反対していた。


 ▼不法移民に我慢がならない

むろんトランプ支持の華人らは、近年夥しくやってくる新移民、投資移
民の華人とは絶縁状態であり、コミュニテイィを異にしている。
 
2世、3世となると日系アメリカ人同様に母国語を喋ることが出来な
い。だから「不法移民に対して取り締まりの強化」を要求しているのだ。

華人グループのプラカードには「H-1B」というスローガンが並んでい
た。このプラカードが象徴するのは、就労ヴィザの問題である。

正式な労働移民に与えられるヴィザの特権を遵守して欲しいと訴えている。

H−1Bヴィザは専門技術者として米国で一時的に就労する外国人を対
象とした就労査証で、建築、エンジニアリング、会計、財務関連の就労。
米国の学士またはそれと同等の経歴を持っていることが条件の一つだ。

新華人の多くは、このヴィザで米国に移住し、永住権を取得するケース
が多い。

またEB―5ヴィザというのは移民プログラムのひとつで、移民法によ り
定められた政府公認の永住権を取得する投資永住権。 米国に50万ドル以
上の投資と十名以上の雇用を条件として永住権を取得できる。

 上記二つが近年の中国人移民の特徴で、それ以外の不法移民就労は、か
れらから見れば不服、だから不法移民排斥を唱えたトランプを熱狂的に支
援したわけで、外交的軍事的な中国と米国の対立に関しては、意見を控え
ている。 
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