宮崎 正弘
<平成29年(2017)1月25日(水曜日)通算第5177号 >
〜ああ、暴れん坊マティス(国防長官)がやってくる
NATnnO、中い東は後回し、極東重視。2月上旬、日本と韓国へ〜
トランプ新政権で閣僚人事が議会承認をうけたのは、やっと3人。
1月24日、上院委員会は、僅か1票という僅差で、ティラーソン国務長
官指名を承認した。
すれすれの11 vs 10票。土壇場でロシア認識の誤解が解けたと ジョ
ン・マケインらが賛成にまわったからだ。ティラーソン国務長官は親 ロ
シア派として知られる。
閣僚でまっさきに承認されたのはマティス国防長官で、マッドドッグ
(暴れん坊)の異名を取る彼はすでにペンタゴンに入り、指揮をとってい
る。オバマ前政権の世界戦略が根本的に見直される。
「マティス国防長官は、2月上旬に日本と韓国を訪問する」と国防総省
が発表した。
これは軍事同盟国であるNATO諸国やイスラエルを差し置いて、まず極
東の軍事情勢が焦眉の急と、アメリカが判断しているからだ。
日本は尖閣諸島を中国から執拗に狙われているが、韓国は親米政権が次
の選挙で親北派に転覆する危険性が日々高まったうえ、中国が強烈な圧力
をソウルにかけ、たとえば韓流ドラマ禁止、韓国人芸能人のコンサート中
止など、次々と対韓圧力を強めている。
米軍が提供するミサイル防衛システムのTHAAD潰しが狙いである。
米国にとっては在韓米軍をかかえ、北朝鮮の核を目前にしながらも脱米
国、脱西側そして反日活動に狂奔する朝鮮半島の南部を、いかに安定化さ
せるか。
トランプの極東軍事戦略の第一歩がマティス国防長官来日で、はじまる。