2017年02月23日

◆戦艦武蔵の所有権

川原 俊明



米マイクロソフト社の創業者の一人であるポール・アレン氏が率いる調査チームが、フィリピンのシブヤン海内の水深1000メートルに沈んでいた戦艦武蔵を発見したそうです。
 
戦艦武蔵と言えば、姉妹艦の戦艦大和とともに第二次世界大戦下では世界最大級の戦艦としてあまりにも有名です。
 
ところで、法律的な観点から見て、今回発見された武蔵の所有権は、誰に帰属するのでしょうか。
 
発見者のポール・アレン氏なのか、もともとの所有者である日本国(当時の大日本帝国)なのか、あるいは、フィリピン国なのか。
 
ちなみに、日本には、遺失物法という法律があります。
 
遺失物法は、遺失物の所有権はもともとの所有者に帰属することを原則としながら、同法28条1項は、遺失物が無事に所有者に返還された場合、所有者は、当該物を拾ってくれた者に対して、当該物の価格の100分の5以上100分の20以下に相当する額の報労金を支払わなければならないと規定しています。
 
とはいえ、武蔵が発見されたのは外国の海底ですので、日本の遺失物法の適用はありません。
 
今回の場合、適用の可能性のあるのは、フィリピン国の法令のほかに、水中文化遺産保護条約、国際法である海事法などがありますが、武蔵の所有権の帰属について明確な回答は難しそうです。
 
もっとも、ポール・アレン氏は、仮に同氏が武蔵の所有権を取得したとしても、これを日本に寄贈するという意向を示しているそうです。
 
最終的には、1944年の沈没から70年以上の時を経て、日本が戦艦武蔵の所有者として認められることになるかもしれません。
 
ただし、フィリピンの領海内なので、日本政府が勝手に引き上げたり、撤去したりはできませんし、海底1000メートルなので観光も難しいでしょう。
 
それにしてもロマンのある話なので、ぜひ映画化期待ですね。題名は「男たちの武蔵」でいかがでしょう?

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