川原 俊明
プリペイド式携帯電話が、犯罪に利用されるようになってから久しくなります。
プリペイド式携帯電話は、前払い式の携帯電話で、外国人旅行客や子供による使いすぎ予防等に利用されれば、非常に有用なものです。
しかし、日本でプリペイド式携帯電話が販売された当初、購入時の身元確認が不要であったため、犯罪に多用されるようになりました。
今では、携帯電話不正利用防止法が施行され、プリペイド式携帯電話も身元確認しないと購入できなくなりましたが、未だにインターネット等を利用して転売され、犯罪に利用されているのが実情です。
さて、以上のように、プリペイド式携帯電話が転売されるといっても、購入者は窓口で身分証を提示して購入しなければなりません。
その際、転売を目的とするこの購入者は、なんらかの罪に問われないのでしょうか。
この点、ある被告人が第三者への無断譲渡を意図してプリペイド式携帯電話を購入した事件について、東京高等裁判所(平成24年12月13日判決)は、「詐欺未遂罪」にあたると判断し、同被告人を1年6か月の懲役(実刑)としました。
「未遂罪」となっているのは、窓口の人間が「無断譲渡されない。」と信じたかどうかが分からなかったためです。逆に言えば、窓口の人間が「無断譲渡はされない。」と信じていれば、「詐欺既遂罪」(未遂罪より重い罪)が成立するということです。
上記判決が、プリペイド式携帯電話の転売目的に関する他の事件にどこまで適用されるかは分かりませんが、今後、購入者が詐欺罪に問われていけば、プリペイド式携帯電話の犯罪利用は減少するかもしれません。