2017年04月08日

◆韓国大統領選、流れが変わっている

宮崎 正弘
 


<平成29年(2017)4月7日(金曜日)弐 通算第5258号>  

 〜韓国大統領選、流れが変わっている
  猛追する安哲秀が、優位だった文在寅との支持率を逆転〜

やはり「何がおこっても不思議でない」韓国のことだから、新聞報道通り
に事態は進まないと考えて、これまで韓国大統領選挙の予測は控えてきた。

風向きは変わりつつある。絶対優位と見られた文在寅の勢いに衰えが見え
てきたのだ。

2017年3月31日、朴権恵前大統領が逮捕され、拘置所送りとなった。狭い
拘置所は僅か3・2坪の独房で、ここに収監され、1日の食事は145円とか。

これは文在寅・野党候補におおいに有利な「追い風」となった。

同日のギャロップ調査では文在寅が所属する「共に民主党」の政党支持率
が45%で、第2野党や、保守党を圧倒していた。大統領候補の支持率でも
文在寅が31%と、ほかの候補を大きく引き離していたことが分かった。

文在寅は学生時代から左翼活動家としてならし、逮捕歴がある。卒業後、
人権派弁護士として活躍し、釜山に盧武鉉元大統領と一緒に共同法律事務
所を開設した関係もあり、盧武鉉時代は、大統領秘書長を歴任した。64
歳、カトリック信者。12年の大統領選挙では僅差で朴権恵に敗れた。

 盧武鉉の自殺後、政界に復帰し韓国を「公正な国家」に変質させるには
財政改革、メディア改革、検察改革などを掲げ、とくに財閥の改革が韓国
経済には必要であり、財閥は非民主的などと底辺の国民の不満を吸収する
作戦にでた。

財閥の横暴を恨む庶民には受けるスローガンである。

北朝鮮には甘く、太陽政策の2番煎じのような言辞を吐き、「金正恩と、
いつでも対話をなし、核問題を解決する」とした。

一方で、日本への姿勢は病的なほど厳しく、戦後の反日教育に洗脳された
ままである。すでに両国間では解決している従軍慰安婦、補償などをまた
持ち出し、日本の謝罪と賠償金を求めるという。THAAD配備は見直
し、日韓合意は再交渉するなどと時代錯誤的な暴言を吐くあたり、発言は
国際法を無視しているから、本当にこの人、弁護士かという声もある。

ともかく朴大統領が逮捕されたことで野党への政権交代待望論がくっきり
と世論にでた。保守系は分裂し、支持率は僅か4−5%台に低迷、はっき
りと次の政権は野党へ移行する傾向がでた。

頼りなくなった保守党は「セヌリ党」から分裂した「自由韓国党」と「正
しい政党」があるが、有力候補が不在、選挙対策としては第二野党の安哲
秀候補への合流が想定された。


 ▼保守も野党も分裂している混沌状況のなかで

4月3日、勢いに乗る野党「共に民主党」は大統領選の公認候補に文在寅
を正式に選出した。

選出後、文候補は「不公正や腐敗など、国民を失望させた旧弊を精算す
る」として、明確に「アンチ朴」を掲げ、調査会社リアルメーターの世論
調査は支持率43%とでた。2位につける第2野党「国民の党」の安哲秀は
23%と2位に付けていた。

対決構図としては、安哲秀が保守系の票を合従連衡でまとめあげるか、ど
うかにかかっていた。

とはいうものの北朝鮮の度重なるミサイル、核実験に関して、韓国民の鈍
感さは、いったいどこから来るのだろうか?

「同族だから攻めてくるはずがない。核兵器を同胞に使うはずがない」と
いうのは根拠のない未来論を説く新興宗教の信仰に近い。

通常なら北の軍事的脅威は与党有利となって、これを「北風現象」と譬喩
したのだが、殆どの韓国国民が反応せず、保守党はどん底の人気に低迷し
ている。

4月4日、風向きがすこし変わった。

第2野党「国民の党」が正式候補で安哲秀を決めると、「もし2人が決戦
となれば」という世論調査が行われ、トップを走る文在寅が41・7%に対
して、安哲秀は39・3%、その差が僅差の2・7%でしかないことが判明
したのだ(東亜日報の調査)

米国の大統領選挙でも顕在化したように2・7%の差は誤差の範囲内であ
り、逆転の可能性も否定できない状況がうまれた。

安哲秀は、とくにTHAAD配備に関して「合意を護るべきである」と現
実路線が鮮明である。国連事務総長だった播基文支援グループも、この安
支持に回った。

つまり4月4日の時点で「文在寅・一強論」が潰れたのである。


 ▼逆転の可能性が高まった

4月6日、流れが勢いよく変わった。

文在寅と安哲秀の支持率が「逆転」したのである。まるで昨年のトランプ
vsヒラリーの熾烈な選挙戦のようだ。
 
同日の世論調査では「2人の対決なら」という設問で、中央日報は安哲秀
が50・7%、文在寅が42・7%、YTNテレビのそれでも安哲秀が47・
0%、文在寅が40・8%.両方ともに逆転である。

しかし安哲秀も、国防問題、外交ではリアリストだが、対日認識では反日
姿勢が濃厚である。

安哲秀は時事通信(4月4日)のインタビューで「慰安婦問題をめぐる日
韓政府間合意について、当事者たちが生存しており、当事者たちとの合意
を基に直さなければならない」とし、「慰安婦を象徴する少女像が釜山の
日本総領事館前に設置された問題」でも、「日本政府が撤去を要求し、移
転を条件に大使の帰任を拒否してきたことは理解できない」などと妄言を
吐いている。

これらは韓国のメディアが流していることの受け売りで、独自性がない。

安哲英は「日韓関係は歴史問題で国民感情が悪化している。歴史問題を解
決しない状態で、安全保障問題などを分離し、アプローチするのは極めて
難しいのが現実だ」とし、余白を残した発言に終始している。

同時期、米韓合同演習は続き、また北朝鮮のミサイル発射が繰り返され、
北朝鮮問題の解決は韓国を蚊帳の外において米中首脳会談で論議される。
 
ところが、韓国軍の内部ネットワークが北朝鮮にハッキングされ、米韓の
軍事作戦の機密「5027」流出したらしいと韓国KBSテレビが伝えた。
しかもハッキングは2016年9月であり、発覚したのが同年12月、3ヶ月も
機密漏洩が分からなかったのだ。

この「5020」作戦は米韓軍が北朝鮮の進撃をとどめ、北上し、日本海と黄
海には海兵隊を上陸させ、平壌を制圧するという軍事作戦の機密が多く含
まれているとされ、国防部の必死の否定にも拘わらず、不安が拡がった。

また済州島沖では、日米間の初めての対北朝鮮潜水艦訓練が実施された。
 日本の海上自衛隊からは護衛官「さわぎり」とP3C対戦哨戒機、ヘリ
が参加した。米軍はイージス駆逐艦、哨戒機が参加し、とりわけ北朝鮮の
潜水艦発射ミサイルSLBMに対応する訓練だった。
 
4月6日、韓国軍も射程800キロのミサイル実験を胡なった。これで韓国
南部から平壌を射程にいれることが出来るため、年内配備が急がれている。      
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