2017年04月23日

◆「措置入院」精神病棟の日々(28)

“シーチン”修一 2.0



女性読者から次のコメントをいただいた。一部紹介する。

「この(夫婦仲の良い上記の)2つの例は、夫が妻より大人で、妻の心理
的欲求を満足させている例ですが、幸せな妻は夫のことも忖度するように
なる率が高いと思います」

小生はカミサンの「デキの悪いわんぱく小僧」みたいなもので、「見捨て
るわけにはいかないし、ホント、困ったクソガキ。でも時々可愛い
し・・・」とカミサンは迷っている感じだ。「♪憎い 恋しい 憎い 恋
しい めぐりめぐって 今は恋しい」、八代亜紀の歌のように。

その次は「憎い」となり、昨日のカミサンは1時間後には「恋しい」とな
り、愛憎相半ばという状態がしばらくは続くのだろう。医者に行った方が
いいと思うが・・・夫婦そろってビョーキというのはよくあることで、ダ
メ夫に愛着があると「♪尽くし足りない私が悪い」と自責の念にかられた
り、他者を恨んだりするようだ。島尾敏雄の奥さんミホも心を壊した。

比翼の鳥、連理の枝・・・仲睦まじい夫婦は1割あるかどうか・・・小生
の周辺では、それは例外的だ。カミサンにミホになられたら困るから、小
生は春琴に仕えた佐吉のように生きる「佐吉主義」で今のところシコシコ
やっているが、小生が再発狂しないためには精神の安定が大事で、それな
りにガス抜きは必要になる。たとえば――

昼食に「肉まん」を食べようと思い、散歩に出かける次女母子に調達を頼
んだが、「どこにも売っていない、店員にも確認した」と言う。がっかり
だ。肉まんはいつの間にか冷やし中華みたいに季節商品になってしまった
のか。

売り場の棚は限られているから売れ行きの良い商品を置くのが原則だろ
う。秋から冬には100個/日売れていたものは春以降は10個になるのか。
「それなら鍋の具材よりもっと売れるもの、行楽の季節だからサンドイッ
チやお握りの品ぞろえを増やそう」とかなって、売れ行きの悪くなった商
品は排除されたりするのだろう。

日本は料理に恵まれている。料理が発達する地域は「飢饉が発生しがち=
カタツムリ、ツバメの巣、クサヤ・・・何でも試してみる」、「絶対的な
王政が敷かれた=王様は宴会好きだから宮廷料理が発達する」、「暑い夏
や寒い冬など明確な季節がある=旬の食材・料理がある」というのが絶対
条件だろう。

この3点を満たしているのは中華料理、フランス料理が双璧で、これに続
くのがイタリア料理、日本料理あたりか。手を伸ばせばバナナがあるよう
な熱帯地では料理はなかなか発達せず“猫まんま”みたいなのが多いよう
だ。(熱帯の○○国を訪れた際にそう思ったのだが、ケナスのもどうかと
思って黙っていた。しかし、数年後に訪れた部下(女性)曰く“○○料理?
 ありゃ猫まんまですよ”。

熱帯地でも寒帯地でも地元の人にとっては「旨い!」というものはあるだ
ろう。米国ではアラスカで食べたカニはとても旨かったが、ビーフステー
キ(硬い!)、フライドチキン(南部ではサザンフライと言っていた)は
味は並だが量に圧倒された。日本の倍はある。

上記の部下は香港観光協会の招待旅行で食べた中華料理(上海料理、広東
料理だろう)の「あまりにもの美味しさに感動して涙が出ちゃいました
よ!」と言っていた(女はすぐに泣くなあ、感動しやすいのだろう)。

「感動」・・・大辞林(第五版)にはこうある。「深く心に感ずること。
感じて起こる急激な精神の興奮」。

精神病患者にとって負の感動、急激な精神の興奮はあまり良くないかもし
れない。気分が落ち込みやすく、家庭不和などによる破滅願望から「死刑
になりたかったので殺した、誰でもよかったが、できるだけ大事件を起こ
して家族や世間を騒がせ、復讐したかった」という症例は昔から多いようだ。

うつ病患者はそういうことをしてしまいかねないという不安を抱えている
のだろう、小生も自分自身が怖い。不満、ストレスが突飛な言動を誘発する。

優れたボクサーであった具志堅用高は試合直前の習慣となっていた「計量
後のアイスクリーム」を周囲から止められたことで戦意を喪失したのか、
世界王座から陥落した。たかがアイス、たかが肉まん、されどアイス、さ
れど肉まん。小生は食パンを利用して肉まんもどきを作り、鬱屈を解消した。

何事もなく感動の薄い穏やかな病棟日記から。

【2016/11/25】学研編「もう一度読みたい『教科書の泣ける名作』再び」
(2014)を読み始める。何しろ病棟でやることと言ったら、読書、作文、
服薬、カウンセリング、作業療法、室内歩行&運動(通路の1往復は150
メートル)、中2日の入浴、食事、多少のおしゃべりくらいしかない。

ナースは「脳を休めることはとても大事」としょっちゅう言うから、病棟
で感動や感涙することはまずない。たまに大声で泣き叫んだり暴れる娘さ
んもいるが、それはただの発狂にすぎない。

10:00から1時間ほどのOT(作業療法)は、数十年ぶりのラヂオ体操第1と
第2、さらに柔軟体操。その後は8人でチームを組んでホッケーゲームに興
じた。わがチームは大逆転され、トップから屈辱の最下位に落ちてしまっ
た。まるで小生の人生そのもので、こういう場面では笑うしかない。

車椅子の45歳ほどの白人も参加していたが、左腕なし、両足は義足で、慢
性期病棟の人のようだ。事故にでもあったのか、電車に飛び込んだのか、
この辺には米軍基地も多いから戦傷なのか・・・人生いろいろだ。(つづ
く)2017/4/22




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