川原 俊明(弁護士)
プロバイダ責任法という法律をご存じでしょうか?
正式名称は、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び
発信者情報の開示に関する法律」といいます。
最近ではインターネットの利用が当たり前になってきており、
特定電気 通信役務提供者(プロバイダ 等 の責任の明確化、
また、損害賠償責任の範囲を制限することも必要となってきています。
同法は、民法上は、名誉毀損や著作権侵害として、プロバイダ等が
損害賠償責任を負うはずなのに、一定の要件を充足すれば、プロバイ
ダ等は責任を負わないという法律である。
なぜ、プロバイダこのような保護が必要なのか、疑問が生じるかもし
れません。
確かに、プロバイダに損害賠償責任を負わせることで、責任を問われ
ないように行動するよう促すことができます。また、名誉や著作権等の
侵害を防ぐことができる場合があります。
しかしながら、プロバイダとしては、事前に、問題になりそうな投稿等を選別して
掲載を拒否することになりますが、その処理の膨大さに加えて、名誉毀損や著作権侵害などに該当する
かの判断は必ずしも容易ではないことから、少しでもリスクのあるものは掲載しない、削除するといっ た萎縮効果が発生し、過度な掲載拒否を招くおそれがあります。
そこで、プロバイダ責任法によって責任の明確化を図り、表現の自由と名誉や著作権等の保護法益の 調和を図ることが、同法の意図すると
ころといえるでしょう。
もっとも、インターネットの分野が急速に発展し続けている中、同法も時代に合わせて改正されてい くと思われます。
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弁護士法人 川原総合法律事務所
弁護士 川 原 俊 明