2017年06月14日

◆偏見と誤解に満ちた国連報告など不要だ

杉浦 正章



ケイは人権活動家に見事に操られている
 

大詰めを迎えたテロ等準備罪法案をめぐって、国際的な“陰謀”が展開されている。映画で活躍する女性工作員のごとく国連報告者らを意のままに操り、日本政府に打撃を与えるための工作を展開している女性がいるのだ。その手のひらで踊らされるがごとく、ジュネーブの国連人権理事会で特別報告者のデビッド・ケイがテロ法案の参院採決に合わせるかのように想像を絶するほどずさん極まりない左傾化調査結果を報告した。


国連報告者とは特定の国における人権状況について調査・監視・報告・勧告を行う専門家であるが、ケイは昨年4月の来日以来、英エセックス大人権センター・フェローと称する人権活動家藤田早苗の誘導のままに報告書を作成しているかのようである。読売も14日付けの社説で「日本の一部の偏った市民運動家らに依拠した見解」と位置づけている。藤田の“手腕”は“凄腕” という形容がぴったりであり、日本の女性としては希有な行動力を持っている。その講演は左翼関係者で満員になるほどの盛況だという。
 

そもそもケイの来日を画策したのは藤田と言われ、ジュネーブで暗躍して国連の組織を動かし、政府・与党をおとしめるのがその作戦の目的であるかのようである。まず藤田のネット発言をみれば「とうとう共謀罪法案が審議入りした。英訳して国連その他に提供した。専門家からは懸念の声が出ている」と、自らの国連機関への“貢献”を強調している。そして藤田は日本のメディアを取り巻く状況は悪化してきていると指摘し「権力監視という本来の役目を十分果たしているとはいえない」と分析している。


こうした立場からの“洗脳”をうけたのかケイは「日本政府が直接間接にメディアに対して圧力を掛けている」として、まず「政治的に公平であること」などと規定した放送法4条の見直しを23日までには報告書に記載する予定だ。これは電波停止を恐れる左傾化民放が主張してきていることであり、藤田らのレクを受けなければとても米国の学者ごときが知り得ない内情である。
 

ケイは日本の一部民放の偏向報道のひどさを知らないまま判断しているとしか思えない。民放の電波停止の可能性に関しては昨年2月には総務相高市早苗が「国論を二分する政治課題で一方の政治的見解を取り上げず、ことさらに他の見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当時間にわたり繰り返す番組を放送した場合」などと具体的な例をあげたうえで、「行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と言及している。


またかつてテレビ朝日報道局長の椿貞良が「なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」と他局に偏向報道を働きかけた事件があった。総務省は1998年のテレビ朝日への再免許の際に、政治的公平性に細心の注意を払うよう条件を付した例がある。しかし実際に停止命令が出された例はない。TBSやテレ朝はまたこうした動きが再発することを恐れており、ケイの報告書に書き込ませたいに違いない。
 

さらにケイの報告で偏見に満ちているのが慰安婦問題だ。中学校の教科書から慰安婦の記述がなくなったことを指摘して「政府の介入は市民の知る権利を損なわせる」と日本政府を批判した。これも朝日の慰安婦強制連行の大誤報と、社長以下が陳謝したという事実関係を知らぬまま、吹き込まれたことを未消化で報告しようとしているものだろう。加えて秘密保護法に関しても「表現の自由を犯す」として、見直しを勧告するのだという。
 

このように左翼人権活動家の“教育的指導”に踊らされてケイは、実情に疎いまま方向音痴の報告書を作成して、結果的に藤田らの反政府プロパガンダの一翼を担おうとしているわけだ。こうした藤田の動きを朝日は好意的に報道し続けており、構図としては野党ー朝日ー藤田ー左傾民放によるテロ法案阻止の連係プレーが実現していることになる。藤田の狙いは、戦後の教育で国連を理想的組織と印象づけられた国民の意識を最大限に活用して、ケイを利用して政府・与党を追い詰め、野党の力を拡大する事にある。
 

しかし、国連報告者などというと、特別に偉い存在であるかのように見えるが、その実は国連には80人もいて、権威などない。国連を代表した者ではさらさらない。事務総長アントニオ・グテーレスも首相・安倍晋三に「国連とは別に個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない」と説明している。そのような人物のレベルの低い、強制力などかけらもない報告書を大々的に報道する日本のマスコミも、いい加減に国際的な常識を身につけるべきだ。


策謀女に踊らされる偏狭なる一学者のたわ言を競って大きく報道する癖を直したらどうか。政府も雑魚相手にけんかしても仕方がない。放置すれば国際社会に誤解が広がりかねない。グテーレスに直接働きかけて対応を求めるべきだ。日本はアメリカに次いで世界第2位の国連分担金を払って、国連活動に貢献しているのであり、事務総長はそのような平和国家をおとしめる発言が国連内部から出るのを放置していいのかということになる。


(杉浦正章氏の「俳談の欄」を、13日から掲載。これから本誌で掲載します)。
<俳談>
【桜を詠む】

桜を詠むときは、季語のイメージが強すぎるので状況を素直に捉えるにかぎる。あれこれ考えすぎたり、技巧を凝らすと墨絵に油絵の具を塗るようになって、桜の爽やかさが出ない。

芭蕉の
さまざまのこと思ひ出す桜かな
が良い例だ。実際にはこれだけの俳句を詠むには、相当な技巧が必要だが、芭蕉はそれを感じさせない。読む者の気持ちの中にすっと入り込んで、いったん入ると忘れないフレーズとなる。

たましひが先に近づく桜かな     産経俳壇入選
桜へと急ぐ身体より心が先に桜へと到達することを詠んだ。

遙かなる桜吹雪に急ぐかな      東京俳壇入選

桜吹雪がまだ終わらないように祈るような気持ちで急ぐ心境だ。いずれも感じたままを読んだ。技巧はない。
夜桜や学舎の窓の闇深し       毎日俳壇入選

夜桜の明るさに学校の窓の暗さを対比させた。

今生に一睡すれば花吹雪        産経俳壇入選
庭のしだれ桜を前に花見酒に酔い、一眠りしたら花吹雪だった。

         <今朝のニュース解説・俳談>    (政治評論家)
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