2017年06月19日

◆安倍総裁提案の改憲に期待

宝珠山  昇



安倍自民党総裁が憲法記念日に表明された憲法改正の論議加速、実行の決
断・提案(注1)は、現在の日本が抱えている安全保障上の最大の課題
(注2)を前進させる安価で効果的な施策であると考える。

また「憲法改正」は、何等の“省益・個益”をもたらさないためか、論議ば
かりで七十年近くも放置されていたものを、合意できるものから実行に移
すべきだとの国家の指導者に相応しい決意表明に敬意を表し、賛同する。

注1:安倍自民党総裁が提案された改憲論議加速実行案の要旨:「自衛隊
が全力で任務を果たす姿に対し国民の信頼は九割を超えている一方、多く
の憲法学者は『違憲』と言っている、--北朝鮮情勢が緊迫し、安全保障環
境が一層厳しくなっている中、『違憲かもしれないが、何かあれば命を
張ってくれ』というのはあまりにも無責任--私の世代は自衛隊を『合憲
化』することが使命」、「憲法9条の第1項、2項をそのまま残し、自衛
隊の存在を記述するということを議論してもらいたい」

注2:現在の日本の安全保障上の最大の課題は、「自国第一主義」等が顕
在化し、先進国の指導力・統合力が低下している国際社会で、(1)国際
法が順守される世界への推進、(2)日米安全保障関係、共同作戦態勢の
充実、(3)対中、南北朝鮮、ロ関係の改善----(北には「核放棄まで圧
力」を継続し、核保有の効果はないことを知らしめること)、(4)対
欧、印、東南アジア等との関係強化、(5)過激派テロ対応態勢の充実、
等するために、(1)ミサイル防衛態勢の充実・強化、(2)民間防衛態
勢の充実・実効化、(3)敵基地攻撃能力の整備、(4)非核三原則の緩
和・見直し、等であると認識している。

なお「テロ準備罪法」は、北朝鮮が、核兵器やミサイル開発等を推進する
とともに、国外の工作員に指令を出すためと見られる“乱数放送”を16年ぶ
りに再開している状況、諸国におけるテロ行動の頻発、等を考えれば、で
きるだけ速やかに施行されるべきものである。これに反対する勢力は、こ
の法律のリスクの側面に目がくらみ、目前に迫っている基本的人権、安全
保障上の脅威に目をつぶり過ぎていると考える。

この安倍総裁の提案に対し“第2項との整合性はどうなるのか。憲法に自
衛隊という言葉はないが、国民に定着している。無理に書く必要はないの
ではないか”、“第3項を加えて自衛隊を書いたとき、『それは軍隊なのか
違うのか』という矛盾が続く”、“自衛隊は第2項の「戦力」には該当しな
いとの趣旨を第3項に盛り込むべきだ”、“第9条はそのまま残す方が、解
釈を変えない趣旨が明快であり、「第9条の2」を新設して書くのが良
い”、”憲法改正はまだ機が熟していない”等の慎重論、条件付き賛成論、
反対論が見られる。

しかし、これらの懸念は、第9条の次に次の趣旨の1条を加えることによ
り、大部分解消するのではないかと考える。

●第9条の2 前条第1項に規定する「正義と秩序を基調とする国際平
和」が実現するまでは、同条第2項の規定にかかわらず、我が国の平和と
独立並びに国及び国民の安全を確保するため自衛軍を保有する。

2 自衛軍は、内閣総理大臣を最高指揮権者とし、次の要件が充足される
場合に国際法規に従い行動する。
 
(1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係
にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かさ
れ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険
があること
 
(2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当
な手段がないこと
 
(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと

3 自衛軍は、前文において希求している「平和を維持し、専制と隷従、
圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、
名誉ある地位を占める」諸活動に国際法規に従い貢献する。

基本的補足説明:戦後の神学的な憲法9条解釈論争の起因は、基本的に次
のようなものであると理解している。

△「自衛隊は違憲」の解釈は、日本国憲法第9条を素直に忠実に日本語に
従って読めば、憲法学者でなくても、中学生でも、導かれるものである。
これを反日、反米活動家などが利用などして、日本の生存環境の変化・激
化を軽視し、改憲の論議に浸り、実行を停滞させた。

△歴代政府は、「国防の基本方針」(昭和32年5月20日・国防会議及び閣議
決定)等に示されているように、第9条を憲法が国家の生存と生存のため
の相応の備えを否認することはあり得ないとの基本点に立って解釈し、国
力の増進、国際情勢・安全保障環境の変化などに対応しつつ、漸進的に自
衛力の整備を進めて来た、せざるを得なかった。

△日本国民は、国力の充実、国際的地位の向上、安全保障環境の変化・激
化、国際平和貢献の重要性などを実感する中で、政府の憲法解釈・運用を
支持する勢力を増加させた。

△この私案は、これらを、日本国憲法前文及び第9条との関連を踏まえつ
つ、追認するものである。

〇9条の2の条項案についての補足説明:

△第1項は、国際情勢は9条第1項が規定している「国際平和」は実現し
ていないとの認識を前提として、それが実現するまでの条件付きで第2項
の施行を停止し、自衛のために必要最小限の戦力・軍隊を保有すること
を、「9条の2」として明記・加えるものである。
△第2項は、自衛軍は「専守防衛」の軍隊であることを、自衛権行使の3
原則をもって、明記するものである。

△第3項は、自衛軍は「国際平和」を実現するための国際社会の諸活動に
貢献することを主任務とすることを明記するものである。

△この私案は、次のような関連するこれまでの「憲法解釈」「政府統一見
解」と齟齬をきたすものではない。

(1)憲法第9条についての見解(主権国家として持つ自衛権)
(2)憲法前文の平和主義についての見解
(3)交戦権の否認と自衛力の行使
(4)戦力と自衛隊  (5)自衛力の限界  (6)自衛隊と軍隊

○なお、現実の北朝鮮の暴挙、朝鮮半島の混迷などとの関連については、
次のような理解の下で効果的な施策の一つであると考えている。

△古来、我が国への災難は、大陸の混乱とのかかわりでもたらされてい
る。一衣帯水の朝鮮半島で戦乱が起これば被害も甚大なものとなる。
△超大国に囲まれていて、非核中級軽武装国家の日本が採りうる政策には
大きな限界がある。

△我が国は、国際社会の経済的・政治的・軍事的圧力・制裁の強化を補強
し得るべく、北朝鮮の軍備増強を恐れなくて良いように、北朝鮮の増強ス
ピードに先行して少なくとも並行して、我が国の防衛態勢を充実・強化
(注2)することが賢明・肝要である。
               〈2017年6月18日記〉


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