大江 洋三
元・文部科学次官の前川喜平が、加計学院獣医学部設置について「総理の
ご意向を記した内部文書があり、それにより行政が曲がった。現に文書が
有るものを無いとは言えない」
5月25日の事で唖然として見詰めていた。退職して一年も経たないのに国
家公務員に課せられた守秘義務は微塵もない。6月23日にもペラペラやっ
ていた。
数年前、肩叩にあった財務官僚の古賀茂明のペラペラを思い出していた。
いま彼を真面目に相手にする人はいない。
内部文書を映像で見る限り、日付や作成者名はない。菅官房長官曰く「偽
物とは言わないが、いわゆる文書ではない」つまり「有るが無い」と言った。
あたり前の事で、行政職が巷の噂を無署名文書にして撒き散らすようなも
ので、それこそ行政が曲がる。仮に行政訴訟になった場合に証拠採用され
る代物ではない。だから「有るが無い」後に続けなのだろうが、文科省の
内部文書がダーダー漏れになった。いずれも日付や作成者名は隠してあ
る。おそらく、文部官僚とマスコミが米国のホワイトハウス関連を真似た
のだろう。
しかし、アチラは間違えば大統領の刑事犯罪である。
法令を侵す話しなら別だが、行政官が総理の意向を忖度する事に何らの問
題はない。内閣総理大臣は選挙を通して選ばれた行政職のトップである。
当り前だが、企業でも株主総会で信任された代表取締役の意向が社内で忖
度されないようでは企業統治にならない。
官僚から忖度されない総理では政治は溶解する。宮沢喜一、細川護熙など
が相当する。逆に、総理は官僚から忖度されなければならない。
人相からすると前川氏は悪人ではなさそうだ。しかし、あまり分別のある
人でもさそうで思い付きで左右にヒラヒラする軽い人だ。
「百聞は一見にしかず」で、ウイキペディアを検索する必用もない。
いわゆる「加計学園問題」において阿部内閣の失敗を咎めるなら、かよう
な人物を事務次官に据えた事である。仄聞するに霞が関の位置づけでは、
文科省は三流官庁で有能な人材がいなかったと思われる。こちらの方がよ
り深刻な問題である。
先の5月3日の憲法記念の日に、阿部総裁・総理が「憲法9条改定を2020
年までに実現さす」と明言した割には、護憲派マスコミは大人しかった。
彼等はチャンスを窺っていたのだ。
前川喜平という落ちこぼれ官僚を見出し、野党もマスコミも最重要課題の
憲法9条論議を脇に置いたのが、加計学園問題の全てはなかろうか。逆に
いえば、野党は安倍内閣を攻めあぐねているのだ。
ついでに、ウイキペディアで前川喜平を検索すると省内職歴からしても立
派な左派である。
教科書において、竹島記述も南京事変記述も慰安婦記述も、文部官僚によ
り歪められた。いずれも、彼らが他国の意思を忖度した事に間違いはない。
文部官僚の既得権益になっていた初等中等教育の改革に積極的に乗り出し
たのは、第2次阿部内閣である。小学校国語教育に「神話」に積極的に門
戸を開いたのも現内閣から。ここら辺りが、元事務次官の逆恨みの源泉で
はなかろうか。