2017年07月05日

◆話 の 耳 袋

渡部 亮次郎


◎安倍首相が決断する大規模「内閣改造リスト」 進次郎氏入閣、橋下
氏ら民間人複数起用か−第3次安倍第3次改造内閣 予想される顔ぶれ

東京都議選で、自民党は過去最低23議席と大惨敗した。「森友・加計問
題」「豊田真由子衆院議員の暴言・暴行」「稲田朋美防衛相の失言」に加
え、「政権のおごり」への不満・批判が爆発したといえそうだ。

安倍晋三首相は、国民に「反省」の姿勢を示し、憲法改正に向けて「謙
虚」な政権運営を心がけるため、大規模な内閣改造に踏み切る覚悟を固め
た。新しい布陣で、一連の疑惑についても丁寧に説明するとみられる。入
閣候補には、小泉進次郎衆院議員を筆頭に、橋下徹前大阪市長ら、複数の
民間人が起用されそうだ。

「大変厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければならない」「政
権奪還したときの初心に立ち返り、全力を傾ける決意だ」

安倍首相は、都議選での歴史的惨敗から一夜明けた3日午前、官邸で記者
団にこう語った。この後、安倍首相は臨時役員会を党本部で開いた。惨敗
の原因を分析し、党勢の回復につなげる考え。

連立を組む公明党とは、都議選ではたもとを分かったため、政府与党連絡
会議で結束して政権運営に当たる方針を確認する見通し。

関係者によると、政権内では「経済政策や外交・安全保障政策などで決定
的失敗はない」という認識だが、「『森友・加計問題』での対応や、閣僚
や所属議員の失言・暴言が相次ぎ、都民に『政権のおごり』『安倍一強の
ゆがみ』と受け取られた」と痛感したという。

都議選惨敗を受けて、新聞やテレビが「永田町の潮目が変わる」「政局に
直結しかねない」と報じている。

安倍首相としては、強い「反省の姿勢」を国民に示し、「謙虚な政権運
営」を取り戻すため、大規模な内閣改造を断行する方針を固めた。

 現時点で、予想される「内閣改造リスト」は別表の通り。

まず、麻生氏と、岸田文雄外相、世耕弘成経産相、吉野正芳復興相は留任
となる見込みだ。麻生氏は「政権の支柱」である。岸田氏周辺には「幹事
長待望論」があるが、岸田、世耕両氏にはロシアとの北方領土交渉を引き
続き担当させる意向とされる。吉野氏は今年4月に就任したばかりだ。

麻生氏と意見がたびたび対立し、「森友・加計問題」の対応で批判を受け
た菅氏には退任論もあるが、官邸周辺が解説する。

「安倍首相は、麻生、菅両氏を評価している。菅氏の『加計問題』での対
応を批判する声もあるが、官邸としては『岩盤規制を国家戦略特区構想で
突破したことに、既得権益を死守したい勢力が抵抗してきた』と受け止め
ている。菅氏を交代させれば岩盤規制の守護者に屈服することになりかね
ない。現時点では、菅氏は留任方向だ」

一方、退任濃厚なのは、「自衛隊の政治利用」と受け取れる失言をした稲
田氏を筆頭に、「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法の国会答
弁で不安のあった金田勝年法相、山本有二農水相、山本幸三地方創生担当
相、松野博一文科相ら。微妙なのは、就任から3年近い高市早苗総務相
と、2年近い石井啓一国交相、塩崎恭久厚労相、石原伸晃経済再生担当
相、丸川珠代五輪担当相らだ。

「経済政策を前進させ、2020年東京五輪・パラリンピックを成功させ、憲
法改正を実現させるためには、ここで局面を転換する必要がある。大規模
でインパクトのある内閣改造を行うために、退任閣僚は多くなるだろう。
豊田、稲田両氏は細田派出身。次の改造では、細田派からの起用を最低限
に抑えるはずだ」(同)

新しい布陣で、指摘された疑惑について、事実と証拠を示して、丁寧に対
応する方針という。

入閣候補としては、進次郎氏や、憲法改正で安倍首相と意見が近い橋下氏
らの名前が浮上する。「進次郎氏は、次世代のホープであり、十分に有資
格者だ。安倍首相は橋下氏について『国会議員になるべきだ』と考えてい
るが、まずは民間人閣僚として活躍してほしいと考えているようだ。民間
人閣僚は複数になる可能性がある。著名な官僚OBや学識者、企業人など
をリストアップしているのではないか」(同)

改造時期は、7月下旬に予定されていた日中韓首脳会談が先送りされたた
め、「7月下旬から8月上旬」にかけて行われるとみられる。最終的に時
期が決まるのは「身体検査」次第だという。

官邸周辺は「次期衆院選や憲法改正の国民投票を見据えて、次の内閣改造
は失敗できない。徹底的な身体検査が求められる。民間人起用も検討され
ているため、チェックに時間がかかるかもしれない」と語っている。

・ 安倍首相は「政権の緩みがあるとの厳しい批判があった」といい、反
省した=3日朝、官邸 安倍首相は「政権の緩みがあるとの厳しい批判が
あった」といい、反省した=3日朝、官邸 / 小泉進次郎氏 / 橋下徹氏
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170704/soc1707040014-n1.html?ownedref=photo_not%20set_newsPhoto
【ZakZak】 2017.7.4 〔情報収録 − 坂元 誠〕

 ◎閉会中審査検討へ=都議選大敗受け方針転換−政府・自民

 政府・自民党は3日、学校法人「加計学園」の獣医学部新設などをめぐ
り野党が求めている閉会中審査に応じる方向で検討に入った。これまでは
応じない姿勢を示していたが、方針を転換した。東京都議選で自民党が歴
史的大敗を喫したことを受け、国民の批判に真摯(しんし)に向き合う必
要があると判断した。

閉会中審査の実施時期や、安倍晋三首相出席の有無など具体的な形式は、
自民、公明両党間で詰める見通しだ。

自民党の竹下亘国対委員長は、3日の政府・与党連絡会議で「国民に説明
するため、どこかの局面で(閉会中審査を)検討していきたい」と語っ
た。公明党の井上義久幹事長は「国民の疑問にしっかり答えていくことが
大事だ。積極的に説明責任を果たしてもらいたい」と政府に求めた。 

加計問題をめぐり、首相は通常国会閉幕を受けた記者会見で、丁寧な説明
に努めると表明。だが、民進、共産、自由、社民の野党4党の憲法53条
に基づく臨時国会の早期召集や、閉会中審査実施の要求を政府・与党は拒
否してきた。こうした対応が自民党惨敗を招いたとみて、野党の要求に一
定程度応じる方向に傾いた。

これに対し、民進党の野田佳彦幹事長は3日の記者会見で、加計問題や稲
田朋美防衛相の失言を挙げ、「きちっと説明されていない。不誠実な態度
を自民党は反省しないといけない」と強調。野党4党は近く幹事長・書記
局長会談を開き、改めて臨時国会召集を政府に求めることを確認する。
【時事通信】 2017/07/03-16:19 〔情報収録 − 坂元 誠〕


 ◎「こんな人たち」発言にみる安倍自民の本当の敗因

「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」

今回の都議選の最中に、閣僚や自民党幹部から出た様々な発言の中で、安
倍首相が発したこの言葉が、私にとっては最もインパクトがあった。

最終日、秋葉原で初めて街頭に立った安倍首相に対して、今回の政権を批
判する人たちから発せられた「安部やめろ」コールに怒り、「憎悪や誹謗
中傷からは、何も生まれない!」と語気を強め、声のするとおぼしき方向
を指さして、冒頭の言葉を言い放ったのだった。

それで思い出すのは、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が、カ
リフォルニア州知事に立候補し、選挙運動中に、演説会場で反対派から生
卵をぶつけられた一件。彼は、そうした行為も「表現の自由」の一環だと
述べ、「ついでにベーコンもくれよ」と笑い飛ばした。

そんな風にユーモアで切り返すのは無理でも、「批判を謙虚に受け止め」
と大人の対応をするか、あえて知らん顔で主張を述べ続ける冷静さを見せ
て欲しかった、日本国の総理大臣なら。

安倍シンパたちは、「やめろ」コールをしていたのは一部の過激な集団と
決めつけているが、現場の状況を、客観的にレポートしていると思われる
記事を読むと、こんな記述があった。

〈中心となっていたのは一部の集団だったようだが、街宣が始まるととも
にコールは広がりを見せ、通行用のスペースを隔てた場所で演説を見てい
た人まで「安倍やめろ」と口ずさむ有様だった〉(東洋経済オンライン
「都議選の『安倍やめろ!』は尋常ではなかった

選挙戦最終日、安倍首相の目の前で大逆風」より)

言い始めたのは一部の集団でも、それに多くの人がそれに呼応した、とい
う現象に、本当は深刻さを感じなければならないところだったろう。とこ
ろが、安倍さんの対応は違った。

総理大臣という立場

内閣総理大臣は、安倍さんの考えに共鳴する人たちだけでなく、反対する
人々を含めた、すべての国民に責任を負う立場だろう。仲間や支持者だけ
ではなく、批判勢力を含めた、あらゆる国民の命や生活を預かっている。
なのに安倍さんは、自分を非難する人々を「こんな人たち」という言葉で
くくってしまい、それに「私たち」という言葉を対抗させたのである。
「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」と。

都議選の応援は、自民党総裁という立場で行ったものだろうが、安倍さん
を紹介する垂れ幕には、しっかり「内閣総理大臣」と書かれ、司会の石原
伸晃議員も「ただいま、安倍総理が到着しました」と紹介していた。

小泉内閣の総理秘書官だった小野次郎・元参議院議員は、ツイッターで次
のように書いている。


〈この方は、自分に反対の考えを持つ人々は国民ではないと思ってる。総
理になって何年も経つのに、この方は全国民のために選ばれた職にある自
覚は持ち合わせない、遺憾ながら。〉

同感である。

「みんなの大統領になる」

2008年の米大統領選で、共和党のマケイン候補と激しい選挙戦を戦った民
主党オバマ候補は、勝利が決まった後の演説で、マケイン氏を称え、こう
語った。

〈私がまだ支持を得られていない皆さんにも申し上げたい。今夜は皆さん
の票を得られなかったかもしれませんが、私には、皆さんの声も聞こえて
います。私は、皆さんの助けが必要なのです。私はみなさんの大統領に
も、なるつもりです〉(加藤祐子訳)

韓国の文大統領も、5月の就任宣誓で「私を支持しなかった国民一人ひと
りも国民」とし、その国民に奉仕することを約し、「皆の大統領になる」
と強調した。

国会で多数派の中から選ばれる議院内閣制の首相は、国民から直接選ばれ
る大統領とは選ばれ方や権限などに違いはあっても、政権を率いるリー
ダーであり、人々を代表する国の顔でもある。

「私たち」と「こんな人たち」を対決させる政治

常日頃から安倍さんは、「敵」、すなわち「こんな人たち」認定した者に
対しては、やたらと攻撃的だ。それは、首相でありながら、国会で民進党
の議員の質問にヤジを飛ばして、委員長から注意をされる場面からも見て
取れる。野党の議員の後ろにも、たくさんの国民がいるということを理解
していたら、こういう態度はとれないだろう。安倍さんにとっては、野党
議員に投票するような人たちは、自分が奉仕すべき国民というより、「こ
んな人たち」程度の存在なのではないか。

その一方で、彼は「私たち」の中に入る身内や仲間をとても大切にする。
第一次政権では、仲間を大事にしすぎて「お友だち内閣」との批判を浴び
た。稲田防衛相への対応などを見ていると、その教訓は未だ生かされてい
ないようだ。仲間を大事にするのは、1人の人として見れば美徳だが、特
区制度を利用した獣医学部新設をめぐっては「腹心の友」とまで呼ぶ親友
を特別扱いしたのではないかとの疑念を生む一因にもなっているように思
う。

敵を作り、それと「私たち」を対峙させることで、存在価値をアピールす
る。敵を批判し、嘲笑し、数の力で圧倒して、自らの強さと実行力を見せ
つける。そんな対決型の姿勢を、「決める政治」や「歯切れのよさ」「ス
ピード感」として評価する人たちがいる一方、無視され、軽んじられてき
たられた人々の不満はたまりにたまっていた。

そして、対決型を推し進めることで、政治はますます粗雑になり、できる
だけ広範な人たちの合意を得ていくという地道な努力をしなくなっていっ
た。これには、長年自民党を支えてきた保守層の中にも違和感を覚えた人
が少なくなかったろう。

そこに森友・加計問題が持ち上がり、財務省の木で鼻をくくったような対
応があり、文科省の前事務次官の証言があり、共謀罪審議での強引な採決
があり、豊田議員の暴言があり、稲田防衛相の失言があり、二階幹事長の
「落とすなら落としてみろ」発言が重なった。安倍首相の「こんな人た
ち」発言は、最後のだめ押しであると同時に、首相自身の個性に由来す
る、安倍政権の体質を、ものの見事に可視化してしまった。

安倍首相は、今回の敗因を、「政権の緩みに対する有権者の厳しい批判」
と述べた。長期政権ゆえの「緩み」は、確かにあるのだろう。だが、本当
の敗因はもっと根が深く、安倍さん自身のことさらな対決姿勢や粗雑な政
治もその1つではないだろうか。

また、菅官房長官は、記者会見でこの発言について問われ、「きわめて常
識的な発言」と述べたという。官房長官の立場で、これが「問題がある」
とは言えないだろうが、政権トップの発言として「常識的」だと言っての
けてしまうところに、「分かってないなあ」と思ってしまったのである。
7/3(月) 23:18 江川紹子 | ジャーナリスト



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