2017年07月15日

◆毎日カップ麺なら良い政治家か

阿比留 瑠比



毎日カップ麺なら良い政治家か 「恣意的な切り取り報道」こそメディア
不信の元凶

古今東西、為政者はそしられ、揶揄(やゆ)の対象とされるものだろう
が、同じようなパターンの批判が繰り返されると鼻につく。産経新聞自身
の反省も込めて少々記しておきたい。自民党が大敗した東京都議選投開票
日の2日夜、安倍晋三首相が都内のフランス料理店で会食したことが、や
り玉に挙げられている件である。

フランス料理に批判

「夜の会合に連日行き、一晩で何万もするような高級店に行っている。
庶民の感覚とかけ離れている」

これは、安倍首相に投げかけられた言葉ではない。平成年20年月10当時の
麻生太郎首相が記者団から受けた質問である。このころ、麻生氏は ホテ
ルのバー通いなどが問題視され、メディアから「庶民感覚がない」
「カップラーメンの値段を知らない」などと責め立てられていた。

 今回、安倍首相は同様に「ぜいたくだ」「落選した候補者の気持ちが分
からない」などと攻撃された。首相は就任前の24年9月、自民党総裁選
決起集会で験担ぎのカツカレー(3500円)をホテルで食べた際にも、
テレビのワイドショーなどで散々いじられていたが、そこに、政治の何の
本質があるというのか。

 会合場所が安居酒屋だったり、食事がカップめんだったりすれば、政権
運営はうまくいくのか。苦い肝をなめ、固い薪の上に寝れば国民の暮らし
はよくなるのか。そんな道理はない。

2
ジャーナリストの池上彰氏は22年9月、就任後にも行きつけのラーメン
店に行った菅直人首相(当時)を「庶民派」だと持ち上げたが、たとえば
菅氏の23年6月29日の夜日程は次のようである。

 まず7時21分に東京・赤坂のすし店で会食し、9時16分から東京・
六本木の焼き肉店へとはしごし、さらに10時16「分からは伸子夫人も合
流して、近くのイタリア料理店で11時25分まで1時間以上過ごしている。

まだ同年3月に起きた東日本大震災の傷痕も生々しい時期に、高級店で
飽食の限りを尽くしている。菅氏の健啖(けんたん)家ぶりは極端にして
も、メディアは切り取った部分によって、その政治家を庶民派ともどうと
でも描ける。無意味で恣意(しい)的な切り取り報道は、大事な点を見え
なくする。(論説委員兼政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】7.14


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