川原 俊明(弁護士)
旧商法の規定では、吸収合併消滅会社の株主に交付する対価は、
存続会社の株式でなければならないとされていました。
これに対して、会社法の規定では、吸収合併の場合において、
消滅会社の株主に対して、存続会社等の株式を交付せず、金銭そ
の他の財産を交付することを認めています。
企業買収の容易化という観点からは、このような対価の柔軟化
を認めることは必要不可欠でした。
この対価の柔軟化により、いわゆる三角合併が可能となります。
三角合併とは、存続会社が消滅会社の株主に対して、存続会社
自身の株式ではなく、存続会社の親会社の株式を交付する合併を
いいます。
これにより、国内の会社同士はもちろん、クロスボーダーでの
買収が可能になると言われています。
この点、存続会社が親会社の株式を有していないような場合に
は、親会社の株式を取得する必要が生じます。
一般的に、小会社による親会社の株式の取得は禁止されていま
すが、三角合併の対価として使用する場合には、その取得が認め
られています。
なお、三角合併と同様に、親会社株式を対価とする株式交換
(いわゆる三角交換)も認められます。
他方で、対価の柔軟化により、少数株主の締出しが容易になる
という批判がなされ、また、対価が不十分とする少数株主の保護
が必要になるとの指摘もあります。
このあたりの調整が今後の課題になると考えられます。
合併の他にも企業の組織再編の方法はありますので、最善の方
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弁護士 川 原 俊 明