2017年09月15日

◆いつまで続くか「北辺の猿の尻笑い」

杉浦 正章



日米外交攻勢にやがて真っ青
 

度しがたい文在寅の北支援
 

北朝鮮が世界をあざ笑っている。金正恩は「火星14号」を、日本列島を越えて発射する準備を着々と整えている。8月29日の列島越え以来の発射だ。自分の欠点に気がつかずに、他人をばかにして笑うことを「猿の尻笑い」というが、太った猿の尻笑いが、またまたテレビでお目にかかれるのは楽しみだ。尻笑いできるのは中国が“密輸”大歓迎で、いくらでも買ってもらえるからだ。ロシアも抜け道大歓迎だ。


今度の国連決議のガソリンなどの55%削減と労働者の雇用の全面禁止などは、お茶の子さいさいで抜け道があると北は高をくくっているし、中国ロシアはそのつもりだろう。実際に効果は疑わしい。しかし、米国と日本の国際世論醸成に向けての外交攻勢はたけなわとなりつつある。今度ばかりは「決議して終わり」 でなく「決議が始まり」 となるだろう。
 

米財務長官スティーブン・ムニューシンは「北との貿易取引を行う国との貿易を止めることが出来る」 と発言したが、ホワイトハウス筋は「発言が世界的に利きだした」 と漏らしているという。もちろん中国がターゲットだが、その他の国々も北との交易をちゅうちょし始めているのだという。それもそうだろう。中国が北からの輸出の90%を引き受けているから残りの10%などはたいした数字ではない。そのために対米貿易が損なわれては各国とも元も子もなくなるのだ。


中南米ではメキシコとペルーが北朝鮮の外交官の国外退去を実施、ブラジルとチリも足並みをそろえる。アジアでは首相・安倍晋三とインド首相のモディとの会談で、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル開発を非難する共同声明を発表。声明は北朝鮮について「最も強い言葉」で非難し、核・弾道ミサイル開発の放棄や挑発行動の自制、拉致問題への最大限の早期の対応を要求した。この声明がアジア各国に与える影響は大きい。


ベトナムやフィリピン、北との友好国カンボジアまでも安保理決議を履行すると宣言している。ヨーロッパでは国務長官ティラーソンが英首相メイと会談、「国際情勢を不安定化させる金正恩政権に圧力をかけるため共に取り組む」事になった。ドイツ首相メルケルも仏大統領マクロンと電話会談で「北朝鮮問題での関与を強める」事で一致している。
 

国際世論の高まりは単に北朝鮮への圧力になるだけではない。中国ロシアへの牽制効果がある。実際中国による“密輸”奨励のやり口は巧妙だ。北の船舶はパナマ国旗やジャマイカ国旗をつけて石炭を北から運び出し、ウラジオストクで1日停泊した上で中国の港で荷下ろしをするという迂回策をとっている。また英ファイナンシャルタイムズは北の船舶数百隻が香港の幽霊会社に所属して密輸に使われていると報じている。


米共和党下院議員のテッド・ポーは「数年間、我々は北朝鮮の金一家に弄ばれた」と憤懣を延べ、「こんどこそ決着を付ける」との決意だという。北朝鮮の船舶偽装と不透明な船舶貿易ネットワークが、国際社会の制裁の中でも北朝鮮経済が持ちこたえることができた要因ということだ。国連制裁などは中国にとってわけもなく抜け道を作れるというのが現状だ。
 

従って北の横暴をストップさせるには「中国対策」が全てのカギを握ることになる。ムニューシンは「中国が国連制裁を徹底的に履行しない場合、我々は中国を追加で制裁する。中国が国際ドル通貨システムに接近できないようにする」と発言している。下院外交委員長ロイスは12日に開かれた外交委公聴会で中国の招商銀行、農業銀行、建設銀行、丹東銀行、大連銀行、交通銀行、錦州銀行などを名指しして「制裁対象になり得る中国機関のリストを委員会名義で政府側に伝えた。今は最大の圧力を加える時」と述べている。トランプが国連制裁決議について「小さな1歩に過ぎない」と述べているのは、こうした中国の銀行直撃の対応が含まれているのだろう。
 

こうした世界世論が高まりを見せる中であきれたことに韓国大統領文在寅は何と北朝鮮に国際機関を通じて800万ドルの「人道支援」を行うのだという。人道支援は2015年に80万ドルを送って以来21か月ぶりだが、いくら革新系とはいえ文在寅の“精神状態”が大丈夫かと言いたくなるような動きだ。人道援助とはいえ、今北朝鮮に金品を送ると言うことはまさに“利敵行為”となることが分かっていないのだろうか。


官房長官・菅義偉が「国際社会が結束して明確な意志を示す中で、北朝鮮に対して圧力を損ないかねない行動は避ける必要がある」と述べている通り「盗人に追銭」そのものだ。これを認めたらせっかく構築しつつある国際的な包囲網に影響が生ずることが分かっていない。ダダ漏れとなる。前から「駄目大統領」と思っていたが、その度しがたさは世界有数だ。

<今朝のニュース解説から抜粋>    (政治評論家)


◎俳壇

【白日傘】
こころまで隠すごとくに白日傘 毎日俳壇
 女性が日傘をさしていると、やはり「夜目遠目傘のうち」だ。皆美人に見える。最近は黒日傘が多いが、美人には白日傘が似合う。銀座はブランドもの日傘のオンパレードだ。楚々たる美人様たちは日傘で顔を隠して歩いているケースが多い。有象無象やじじい共の視線がうるさいに違いない。掲句は単に顔を隠すと言う表現でなく「心まで」と形容して採用された。表現を一歩踏み込むこと。それにはできた俳句を1週間冷蔵庫で冷やすことだ。

        <俳談>      (政治評論家)
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