2017年10月31日

◆欧州ジャーナリズムは習近平を称賛したが

宮崎 正弘

<平成29年(2017)10月31日(火曜日)通巻第5496号>  
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 〜欧州ジャーナリズムは習近平を称賛したが?
  歴史家のニアル・ファーガソンが明確に反論

 ハーバード大学教授、歴史家として世界的に著名なニアル・ファーガソ
ンが『サウスチャイナ・モーニングポスト』(10月30日)に寄稿して、欧
州メディアの習近平礼賛に疑問を呈した。

 英『エコノミスト』誌は書いた。

 「習近平は世界一のパワーを手にした。世界の覇権を達成する長期的戦
略を掲げ、鉄の拳でそれをなそうとしている。ダボス会議では、あたかも
自由貿易の旗手の如く振る舞った」

 英紙ファイナンシャルタイムズも吠えた。

「習近平は類いまれな政治家の才能を発揮して、彼の路線は中国共産党を
席巻した」

18世紀から19世紀にかけて西側の中国認識は「不潔、アヘン、腐敗、文化
後退」だった。その認識を中国人がいまの米国に対して抱くようになっ
た」と書き出したのがニアル・ファーガソンである。

「西側メディアは3つのことを見落としている。第1に『習近平思想』とい
うが、それを煎じ詰めると中華民族の復興、偉大な る発展ということで
しかない。

第2に権力基盤を固めた等とする分析があるが、最高意思決定機関のメン
バーは胡錦涛派がふたり、江沢民派が一人、無派閥が一人という構成では
ないか。派閥均衡人事は権力基盤を固めていない。

第3に経済政策は殆ど明示されておらず、あるいは習が目的としているこ
とは『毛沢東2・0』ではないのか?」

ニアル・ファーガソンはどちらかと言えばリベラル派だが、冷静である。
             
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 
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 韓国人に日本侮蔑をやめて国際的常識に還れと説くのは
  アーミッシュやオーソドックス・ジューに生き方を変えろと説得する
ようなもの

  ♪
加瀬英明『小池百合子氏は流行神だったのか』(勉誠出版)


実に痛快な評論集である。

加瀬英明氏のエッセイはいつも楽しい。深刻な問題をさらりとユーモアを
交えて、楽天的な解決策を提示する。憂鬱な議論が嘘のように、濃霧が
さっと晴れるような気分を味わえる稀有の文章家である。

本書のタイトルは小池劇場だが、表面的な現象に触れているのは3ページ
程度で、もっと深く、その背景にある日本人の宗教心、歴史観に言及して
ゆく手法が鮮やかである。

そもそも日本は北朝鮮の核ミサイルの脅威を目の前にして、「もりかけ問
答」に明け暮れるという体たらくは、何が原因なのだろうか?
 
加瀬英明氏はこう言われる。
 
「護憲派が信仰する平和主義は、精神が何よりも尊いとする精神主義で
あって、精神が日本の平和を護ってくれるというものだ。北朝鮮も、中国
も、この崇高な精神を理解してくれるはずだから、日本を害することがな
いと、確信しているのだろう」

一時的狂信と言うべきかも知れないが、やはり「伊勢詣で」や「いいじゃ
ないか運動」のように、一過性の流行現象であり、60年安保も流行神
だったのだ。

「国会を取りまいていた、時には10万人をこえたデモ隊は、改定された日
米安保条約が発効すると、潮が引いたように姿を消した。まるで、嘘のよ
うだった」。

そこで当時、加瀬氏は『文藝春秋』に寄稿して次のように書いた。
 
「『悪霊どもはその人から出て、豚に入った。豚の群れはいきなり崖を駈
け下って、湖に入り溺れ死んだ』という『新約聖書』の一節を引用した。

私は60年安保の体験から、日本における左翼運動は風俗にしか過ぎない
と、確信するようになった。お祭りのような一過性のデモは、日本の国民
性に適っているが、思想がイデオロギーとして根付くことがない」。
 
案の定、小池劇場は流行神のように終息した。

また韓国の病的な、出鱈目な歴史観に関しても次のように言われる。

韓国の日本侮辱、滅茶苦茶な日本非難の合唱も、腹が立って仕方がないと
いう誇り高き日本人が多いが、あれは韓国人の歴史的な宿痾、長きにわた
るDNAであり、哀れとおもって接したほうが良いというのが加瀬氏の持
論である。

「アメリカにキリスト教の一派のアーミッシュの共同体があるが、電気も電
話も自動車も、いっさいの機械の使用だけでなく、聖書以外の読書、賛美
歌以外の音楽を禁じている。(中略)アーミッシュや、オーソドックス・
ジューに、生き方を変えるように求めるものだろうか? 韓国人もそうだ
と、思うほかはない」(77p)
 圧迫された感じのあるもやもやした靄が去った。
           
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◆書評 しょひょう BOOKREVIEW 
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税金で養ってもらっている筈の地方公務員が国家に反逆し、自治体を破
壊する

なぜ公務員がこうも優遇されるのかは「自治労」という伏魔殿の存在だ

  ♪
森口朗『自治労の正体』(扶桑社新書)
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 自治労という伏魔殿がある。革マル派や中核派が拠点にするとも言わ
れ、首長を巻き込んで自治体を支配している。闇政治の黒幕である。なん
と、80万人の地方公務員が、この自治労に加盟している。
 本書は誰も書かなかった巨大な組織の実態、その暗黒の闇に迫る。
 「保守政党であるはずの自民党も、彼ら左翼が跋扈する状態を野放しに
しています。日本は共産党が国会の議席を有する、先進国としては珍しい
国です。

また、2017年10月の総選挙まで野党第1党であった民進党 には、共産党
よりも暴力的な新左翼と呼ばれた人たちの末裔もいます。 (中略)共産
主義国家・中国では政府がチベット人やウィグル人を弾圧 し、北朝鮮で
は金正恩政権が核とミサイルを開発し世界を恫喝しているの に、なぜ日
本の国会議員はこれらの国に堂々とモノを言えないのでしょ う。そこに
も自治労は大きく関与しています」。

当にその通りで、ミサイルの脅威より、「もりかけ問題」を捏造して 安
倍政権つぶしに狂奔していた朝日新聞と同様に自治労は悪質である。
 著者はこうも言う。
 「日本は平和な国だと言う人がいますが、我が国は韓国に竹島を奪わ
れ、中国の警察権力である海警の船舶は尖閣諸島付近に侵入し、北朝鮮に
拉致された同胞は帰ってきません。これらは全て、日本国に対する主権侵
害です」。

つまり自治労に巣くう暴力革命を志向する活動家らの状態を放置すれ
ば、いずれ日本にも全体主義の独裁政治に転落すると警告を発している。

独裁の狂気は毛沢東とスターリン、その毛沢東を狙うのが習近平。ス
ターリンにいまもあこがれているのが自治労の活動家の中核組織である。
 スターリンの独裁を思い出す、として著者は次の点をあげる。

「個人崇拝はマルクス、レーニンによって戒められていたにもかかわら
ず、レーニンの死後、党と国家の指導者となったスターリンは、自らを対
象とした個人崇拝を許すどころか奨励し、党生活や社会主義建設に重大な
障害をもたらした」(61p)。

習近平も「個人崇拝」を奨励し、党規約などに「習近平思想」を書き込
ませた。スターリンと行動パターンが酷似する。

スターリンは第17回党大会(1934)で選出された「中央委 員、同候補139
人のうち、70%にあたる98人が処刑された。(中 略)代議員全体を見て
も、1966人のうち1108人が同様の運命をたどった。

習近平が粛清した公務員、党員は10万を超えるが、さすがにスターリ ン
時代とは異なり、処刑には到っていないが、刑務所内での突然死は続発
している。

その後、中ソは決裂し、対立するが、この間隙を衝いてスターリンの個
人崇拝に似たことをやってのけたのが北朝鮮だった。

 その全体主義の走狗となって日本で暴れまくる極左の中核に自治労の活
動家が多く紛れ込んでいるという実態が、本書を通じて浮かび上がる。
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