2017年12月16日

◆共和党の危機

Andy Chang

アラバマ州の上院議員補欠選挙は共和党のロイ・モーア候補が大接戦のあ
と遂に落選した。開票が81%の時点で2万5千票もリードしていたのに、開
票が85%になった時は同点、91%の時点で8千票を失い、最後に民主党のダ
グ・ジョーンスが当選した。セクハラ問題で共和党シンパは投票せず、黒
人と女性がジョーンズに投票したので最終計票で2万票も負けた。

モーア氏が落選して国会の共和党議員は安堵したと言う。セクハラ問題で
民主党側のフランケン議員もコーニエ議員も辞職したのに、セクハラで問
題のあるモーア氏が当選したら共和党側は歓迎するわけにいかないし、当
選した議員に辞職を迫るわけにもいかない。落選してくれて有難うと胸を
なでおろしたしたと言う。

共和党は1人減って51人の僅か一票多数となり、これが来年の中間選挙と
三年後の総選挙にも影響する結果となった。

モーア氏が落選したので民主党側は次の目標をトランプのセクハラ問題、
女性問題に集中している。トランプが辞職するはずはないからトランプに
対する攻撃は続く。

共和党にとってトランプは重荷である。今ではセクハラは国上げての問題
だし、トランプはセクハラ攻撃の最大目標だから民主党が追及の手を緩め
る筈はない。

●トランプの功罪

トランプが大統領になって以来、アメリカの経済は好転し、失業率は下が
り株価は上昇を続けている。内政外交の両面で次々と新政策を発表し、賛
成も反対もある。

業績は悪くはないけれどトランプは強引で独断的なので敵が多く、民主党
は反トランプ、メディアの報道は90%がトランプに批判的だからアメリカ
は今後も分裂した状態が続く。

共和党にとってトランプは良い大統領ではない。党内でも反トランプの議
員がいるし、トランプが党に有利な発言をしたこともない。国民の大半は
反トランプだから選挙の際にトランプの支持が有利か不利かもハッキリし
ない。トランプ絶対反対だから共和党に投票しない人も多い。

●共和党の税制改革法案

選挙が終わって上院では来年から共和党51票となる。しかもマッケイン議
員は脳腫瘍で間もなく入院する可能性があるからまた一票減る。だから共
和党は年内に税制改革法案を通す必要がある。税制改革法案は既に下院案
と上院案の違いを修正して来週中に投票する予定である。

民主党のシューマー議員は、税制改革法案の投票はアラバマ州で当選し
たジョーンズ氏の来年1月の就任まで待つべきだと提案した。そうなった
ら共和党51票のうち党内の反対者も出るかもしれないから、来週早々法案
を通して国会はクリスマスと年末休暇に入る予定である。

●トランプは共和党の足枷だ

モーア氏落選で民主党側はトランプのセクハラに焦点を定めている。今や
セクハラ糾弾は政治家にとって致命的効果をもつが、トランプはセクハラ
問題の最大且つ最終の目標だしトランプが攻撃されて辞職するはずは殆ど
ないからセクハラ糾弾は何年も続き、今後の選挙に大きく影響するのは間
違いない。つまりトランプは共和党の足枷である。

共和党側には自党の法案にも反対票を入れる議員もいるかもしれず、トラ
ンプに批判的な議員も数人いる。この状態で来年の中間選挙に臨めばトラ
ンプのセクハラ糾弾が候補者の足枷となる可能性は大きい。トランプは辞
任しないから三年後の総選挙ではトランプ再選と国会議員選挙まで民主党
のセクハラ攻撃は続く。共和党の危機である。

●民主党側も問題がある

トランプと共和党にとっての救いは民主党側も問題がたくさん溜まってい
ることだ。前にも書いたヒラリーのウラニューム・ワン疑惑(AC通
No.665)と民主党のトランプ文書(AC通信No.666)の調査は始まったばか
りだが、数日に起きた新しい事件ではトランプのロシア癒着調査にも疑問
が起きた。

マラー特別検察官の部下で、FBIのPeter Strzok 調査員とLisa Page FBI
弁護士の間の交信メールが3000通も司法部の調査によって公開されたの
で、FBIが大統領選挙の半年前からヒラリーが絶対当選するため、ロシア
文書やトランプのロシア癒着をでっち上げした「確実な証拠」が発表された。

これでマラー検察官の調査員が当初からトランプに不利な情報をでっち上
げた可能性が出てきた。つまりマラー検察官のロシア癒着調査の信憑性が
問題化したのだ。

ここに挙げた3つの事件は、オバマの大統領時代に国務省、司法省とFBI
がヒラリー当選の為に不公平どころかトランプ降ろしの陰謀を主催してい
たと言う、アメリカ250年の歴史に1度もなかった重大事件である。これ
らの調査が進めば共和党の党内不和やトランプの足枷など問題でなくな
る。コーメイ元FBI長官が調査を開始する前からヒラリー不起訴を決定し
ていたことも国会が調査中である。

●共和党の危機

共和党にとってトランプは有害でなくとも無益である。トランプとマッ
コーネル上院議員、トランプとマッケイン議員の不和は衆知のことだが、
2人の外にもトランプを批判して次期選挙に出馬しないと発表した議員も
いて来年の選挙で新しい候補者を探す問題が起きている。

マッコーネル議員の統率力も問題だ。中間選挙で共和党が過半数を失え
ば民主党多数の上院でトランプ政権の法案が通らなくなる。三年後の総選
挙にも大きく影響する。

トランプは絶対に自分の過ちを認めない自大狂で、少しでも批判されれば
必ず敵味方を問わず反撃する。メディアは今後も反トランプの方針を変え
ない。アメリカの混乱は今後も続くから共和党議員が団結しなければこの
数年のうちに議会での優勢を失うだろう。民主党、オバマ、ヒラリーの調
査が共和党にとって唯一の救いかもしれない。

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